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ブログは自分のために書きなさい

私の仕事観、仕事術、書評などを中心に自分の軸を確認するためにブログを書いています。

ネットとマス・マーケティングの誤謬

2008-07-02 | コミュニケーション
マネジメント系のポッドキャストを聴いていたら、世代別マーケティングでベビーブーマー世代はロイヤルティも高くマス・マーケティングは有効だが、20代以下のジェネY層にはマス・マーケティングがとんと効かないので問題だといっていた。

これは大層な誤解で、確かにジェネY層へのリーチという点では既存のマス・メディアは有効ではない。(新聞も読まないし、TVもそう見ないから)が、しかし彼らにリーチしやすいソーシャルネットの世界は意外なほど狭いと感じている。

だから、マス・マーケティングの基本であるセグメント、ターゲット、ポジショニングをしっかり定めて的確にアプローチすればかなりの確率でヒットするのではないかと思っている。

ロングテールなどというのは幻想で、アマゾンなどではベストセラーに売上が集中しているしていると思われるし、ケータイ小説が流行るといってもヒット作はほんの数作品であることを考えるとネットだからこそますますマス・マーケティングのアプローチは有効になるのだろうと思えてならない。

ITを駆使すれば、One2Oneでのアプローチが可能というのもこれまた幻想だ。いかに行動ログをとれたところでアドホックな個人差要因までは織り込むことは不可能なのだから、今後は精緻化されたマス・マーケティングですといったほうがよいのではないか。

ということで、コトラーの教科書はまだまだ当分機能しそうであると考えているがいかがだろうか。





本の波に呑まれて

2008-06-25 | コミュニケーション
丸の内、丸善。

新書コーナーには、色とりどりの新書が所狭しと飾られている。

まるで、10年前のHMVやバージンメガストアにでも来たかのような錯覚を覚える。

とにかく買え・買え・買えのサインを出しているようで軽い眩暈を感じるほどだ。

果たしてこの書籍の中でお金を出すに値する書籍がどれほどあるのだろうか。

最近、本屋に行くとやたらと時間がかかって仕方がない。

読みたい本がなかなか見つからないためだ。

本はあふれているのに。

いや、本と呼べるのかどうか疑わしい。

そこには本というパッケージに情報を詰め込んだだけの紙の束が積んであるだけだからだ。

そこから自分にとって意味のある書籍を探し出す。

並大抵の苦労ではない。

探すのをやめればよいのだが、本読みが習性となっている故、やめられない。

最近の本は、PCのおかげで編集が簡単になったせいか、速読しやすくなった。

既知の部分は読み飛ばして知らないところだけを読んでも一応読んだことになるような類の本が増えた。

でも、自分としては、新しい発見を本がもたらしてくれるといまだに信じている口だから、このような便利さは却って邪魔なものだと感じてしまう。

全く持って困った世の中になったものだ。






ゲームデザイナーの至言

2008-03-19 | コミュニケーション
昨日、著名なゲームデザイナーと話す機会があった。

「ゲームって子供がすぐに夢中になるじゃないですか。何であんなに夢中にさせることができるんですかね~」と私。

「ゲームだから夢中になるということではないんですよ。私達はゲームを作る際、子供が5分で夢中になるゲームを作るというつもりでつくっているから、子供が夢中になるんです。」とゲームデザイナー。

確かに、駄目なゲームはつまらないしな~。

「僕なんか初期のゲーム世代だから、シューティングゲームだと夢中になれんるですけどね」と私。

「シューティングゲームですね。あれも微妙に調整しているんですよ。例えば弾の当たり具合。敵に当るときは当りの範囲を大きくするんです。つまり的の付近まで弾が飛べは当り。逆に自分の方は弾をぎりぎりで避けたら当らないというチューニングが必要です。よく、ぎりぎりで避けられるんだって自慢するゲーマーもいるでしょ!」とゲームデザイナー。

「確かにクイックに自分の機が動かないとやになりますよね。」と私。

「そうなんですよ。普通60分の1フレームで作るんですが、予算の関係で60分の2になる場合もある。そうすると見た目では変わらないように見えてもゲームをしている人には体感的にちょっと鈍いなって感じるみたいで、その辺が苦労するところです」とゲームデザイナー。

ということでした。


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いまどき珍しい読者との丁寧なコミュニケーション

2008-03-04 | コミュニケーション
昨日、書店の雑誌を眺めていたら、珍しく女性誌の表紙が目に飛び込んできました。

40代主婦向け雑誌の『STORY』の表紙モデルが黒田さんからオリックスの清原選手の夫人に交代していましたね。

以前TVのドキュメンタリーで見たことがあって憶えていたのですが、さっそく光文社のサイトを覗いてみると、なるほど、半年前からしっかり準備をしていることがわかりました。

表紙モデルとして登壇する前の5ヶ月間、新連載としてコーナーを持たせて読者の反応及び本人の仕事にに対する順応等をじっくりみていたのですね。

いまどき珍しく用意周到というか、それだけ女性雑誌というのは丁寧なマーケティングが求められるのだなと妙に感心してしまいました。

まあ、ただそれだけなんですが。

ケータイでもPDAでもなかったiPhone そしてiPod Touch

2007-09-11 | コミュニケーション
iPhoneが値下げした。

誠に正しい選択だと思う。

ポッドキャストでiPhoneの評判を聞いてい見ると二つほどだめな理由が浮かんでくる。

ひとつはキャリアがAT&Tであること。
もうひとつはメール機能がいまいちなこと。

で、この二番目の理由はやはりケータイとしてPDAとしては致命的である。

しかもiPhoneが絶賛されたUIとは全く関係ない点が欠点として指摘されているのだから、たちが悪い。

だから値下げするしかないのである。

まあ、今回良かった点は2ヶ月という短期間で方向転換できたということである。iPodが出る前のアップルであれば考えられなかった行動だと思う。

もともとiPodはプライスバリューが高いという点を訴求して携帯音楽プレーヤーに乗り込んできたわけだから、今回も単に高価格ではなく、プライスバリューを効かせて携帯電話市場に打って出るべきであったが、そこの工夫がないままに船出してしまった。

であるので、多分価格を下げてもあまりヒットはしないと思う。

で、iPod Touchであるが、これはPDAではない。

あくまで個人が楽しむエンタメマシンであり、他者とのコミュニケーションツールではない。そういう意味ではPSPやDSに近いものと捕らえたほうがよさそうである。

まさにハード・ディスク・ドライブ

2007-09-04 | コミュニケーション
車を修理に出した。

その間ディーラーから借りたレンタカーに乗っている。

レンタカーにはHDD内臓のカーナビついている。

でHDDのボタンを押すと、すでにレコーディングされているCDアルバムのリストが現れた。

その数、約80。1リスト当たり13トラックくらいだから、ざっと1000曲ほどの楽曲が収録されている計算になる。

レンタカーだから借りた際、CDをかける。かけられたCDは自動録音モードで勝手にHDDに録音される。

レンタカーを借りた人が車を返すときにわざわざHDDの中身を消すわけがないのでHDDにはどんどん楽曲がたまっていくことになる。

よって、新たに借りる人は自動的にUSENのようなサービスをタダで享受できるようになってしまう。

コピーワンス問題もかまびすしいが、大量のデータが容易に保存される社会ではこのような問題がいたるところで起こることを想定しなくてはならいわけで、世の中のルールはますます複雑化してしまうのかと思うと、カーステから流れる音楽も味気なくなってしまった。

amazon.co.jpが珍妙になってきた件について

2007-08-02 | コミュニケーション
英語版しかないころからアマゾンで
よく本を買っています。

で、最近のアマゾン、ちょっと変です。

扱う商材が増えたせいでちょっとというか
かなり変なレコメンドをしはじめています。

家電やバッグ、時計など

ぜひとも試しに「おすすめ」されてみてください。

アマゾンのレコメンドは洗練されていると
多くの人が言っています。

でも、それは仕組みが洗練されているのではなく、
アイテムが本やCD,DVDだったからでした。

それがいつの間にかレコメンエンジンが優れている
という方向で話されるようになりました。

怖いことです。

本当にタダでいいの?

2007-07-25 | コミュニケーション
ライブドアは7月24日、自社サービスの「livedoor メール」にグーグルが提供する無料メールサービス「Gmail」を全面採用すると発表した。8月中旬よりGmailベースのデザイン、バックエンドシステムとしてサービス展開する。

 同社はネットサービス事業の黒字化におけるコスト削減と新規登録会員数の回復、グーグルは自社で提供する検索サービス利用者の増加と広告配信枠の拡大を狙う。


一見して、win-winモデルだ。

が、

そろそろ無料で使えるサービスを

消費者が本当に求めているのか

真剣に考える時期に来ている。

飲料水をワンボトル買うお金で

月々の個人のプライバシーが保てる

それを安いと考える人は少なくないはず。

だって、水も安全も昔はタダだった。

今は、水も安全も進んで買う時代だ。



新技術、即マーケティングへという病について

2007-07-23 | コミュニケーション
WIRED VISION NEWSで

「感情認識ソフトウェア」をマーケティングに利用

人の表情から感情を読み取るソフトウェアを、商品研究やマーケティングに利用しようという動きがある。一方、食品巨大企業のUnilever社は、脳スキャン技術を使ってアイスクリームへの嗜好を分析する研究などを行なっている。

という記事があった。

で、

あまり疑問も持たず

スルッと読んでしまいがち

だけど、

なんで マーケティング

でなんだろうか。

自分の研究分野もマーケティングだが、

どうも違和感がある。

新しい技術というのは、

「これ欲しいでしょ?」

と機械にしゃべらせるために

あるのではなく、

生活の質の向上に

役立てるためにあるの

ではないだろうかと

つくづく最近思うところである。

無料なら広告がついて

何を知りたがっているのかを

教えるのも仕方がないと

誰もが思っていると思うのは

あまりにも傲慢なのではないか。

そしてそれを礼賛するのも。





iPhoneって素晴らしいけど、日本では誰が買うのだろうか

2007-07-21 | コミュニケーション
Appleのサイトで

iPhoneのガイドビデオを見た。

確かに素晴らしい。

PDA大好きの自分としては

本当に欲しい。

でも、

これがケータイといえるのだろうか。

iPhoneのIFは片手で操作できそうに無い。

しかも、メールを打つのにはキーボード

配列のタッチが要求される。

ブラックベリーからの乗換えならこれでいい。

でも、

日本のケータイ・ネイティブの若者には

受けないと思う。

片手で操作できないのでは話にならないからだ。

第一、寝ながら操作できないではないか。

これは致命傷だ。

だから、日本でiPhoneを買うのは誰だろうと

考えてしまう。

きっと、ケータイ・ネイティブと違う層なの

だろうな。それは、マスではないかな。

日本での発売は2008年だそうだから、

それまでにはこの問題も解決しているかも

しれないが。

究極のコンテンツである政治を堪能する兆しがみえてきた

2007-07-19 | コミュニケーション
朝、上りの新幹線。

隣の男性が大量にプリントアウトした
紙をひっきりなしに読んでいる。

横目で見るとヘッダーには

「Yahoo!みんなの政治」のマークが見えた。

昨日の夜、たまたま見たニュース番組。

TAKE ACTION 7.29

元サッカー選手の中田氏が中心となって
作成した、選挙に参加する呼びかけの
ビデオが流れた。

Youtubeでも流れているらしい。


今回の選挙は前回と比べると盛り上がり
が読めないが、ネットに関しては確実に
政治という究極のコンテンツに手を伸ば
しはじめているといっていいだろう。

選挙というコンテンツのネットへの影響
に関しては、米国の大統領選挙で既に実
証済み。

この流れがいつ日本に来るのかと思って
いたが、どうやら今がその時期らしい。

Yahoo!みんなの政治の情報提供元は
NPO法人ドットジェーピーだ。

NPOといっても日本では=市民団体と
捕らえがちだが、他国、特に米国では、
行政のサービスレベルに不満足な上層
社会の人々が自らの欲する、医療や教育
などの社会サービスを実現するために
財団を作り、NPOをサポートすることで
レベルの高いサービスを作り出すという
構造になっている。

NPO法人ドットジェーピーは学生を中心に
若い世代に選挙というコンテンツに触れ
させれる機会を作っているようだ。

Yahoo!みんなの政治への書き込みの少なさ
を見ると大多数の人間が参加するには
もう少し時間がかかると思う。

しかし、この流れは不可逆的だろう。

みんなこの究極のコンテンツの面白さに
気がつき始めているのだから。

わたしにとってのハック

2007-07-17 | コミュニケーション
最近、ハック流行りである。

ライフハック
タイムハック

小技を効かせることで->仕事を楽しくする

というのが大まかな定義かなと。


わたしは時々日経ビジネスアソシエを買う

で、今回は「決定版 ライフハックのすべて」
という特集記事が組んであった。

確かに、効率的に仕事をするための術が満載
である。中には自分もやっている小技が幾つか
見つかった。

そうか自分もハックしているんだと変に納得。

でも、何でハックしなければならないのか。

どこにもその背景が書いてない。

これだとハックのためのハックをしかねない。
効率的に仕事をこなすはずがいつのまにか
ハックに溺れて仕事ができないなんてことに
なりかねない。

一番のハックは、無駄な仕事には最初から
取り組まないということだろう。

そんなこと言われてもなぁ~というぼやきも
聞こえてきそうだが、


アイデアはストック
情報はフロー

と考えると意外に容易にできるかもしれない。

フローな情報は何時でも取得可能。ならば、
最初から溜めない、捨てる、思い切って最初
から見ないというくらいがちょうど良い。

大事なアイデアだけをストックし始めると、
仕事の能率は上がるし、やる気も継続する。

アソシエを時々買って読むのも実は私にとって
のハックだったりする。

私が仕事で直接コミュニケーションを取る世代
が為にして読む雑誌だからだ。

私にとって、アソシエは彼らとコミュニケーション
するための代理変数であり、卑近なタイムハック
のツールのひとつなのだ。

ソフトバンクとドコモのCMに見る縦社会への回帰

2007-07-15 | コミュニケーション
ソフトバンクとドコモのCM

一見、共通性など無いように見える。

が、コミュニケーションの関係性から見ると

意外な共通点が見えてくる。

それは縦社会への回帰だ。

ソフトバンクのブランドカラーは白である。

だから、やたらと画面に白が出てくる。

当然出てくる犬も白が基調の犬しか登場しない。

ホワイト家族24の中では父親が白犬に変身している。

見た当初は、嫌悪感が先に立ったが、よく考えると

一番愛顧されるペットの王様である犬にお父さんが

変身したというのは、家族から愛されたい世の中の

お父さん願望をよく掴んでいるとも思えてきた。

しかもお父さん、犬になっても一定の発言権を持っている。

人間の姿をしても家族に相手にされないお父さんが

多い世の中でこの隠れメッセージはかなり効果的だ。

ということで、このCMは家族の中でのお父さんの

ポジションが確保されている点で縦社会を構成している。

一方、ドコモのCMも開始当初は、合コンからはじまる

横つながりのコミュニケーションを演出するのかと

思いきや、最近のバージョンでは、体育会系の先輩後輩

というこれまた縦社会の濃厚なコミュニケーションを

さりげなく、押し付けてくる。

偶然の一致というには、あまりにもタイミングが良すぎる。

コミュニケーションの形態を最もフリーにした(崩した)

携帯が縦社会系コミュニケーションへの原点回帰を

メッセージとして伝えるのはなかなか興味深いと思う。

追伸:それにしても白田さんのブログはますます面白く

なってきましたね。私も負けずにおじさん的視点で書い

ていきたいと思います。

サービス産業のIT投資は本当に非効率なのか

2007-07-12 | コミュニケーション
出たばかりの情報通信白書によれば、サービス産業のIT投資は生産性が上がらず投資効率が悪いとレポートされている。

はたしてこれは本当だろうか。

まず、これが製造業との比較において効率が悪いとされている点である。

製造業の場合、生産性の向上=企業の利益という図式で生産性の向上が説明変数として使われることに違和感はない。

しかしながら、サービス産業の場合、企業の利益の説明変数は生産性の向上ではなく、顧客満足度の向上となる。

こうなってくるとその多くがIT投資とは別の要素が入りこんでくることになる。

なので、この論はかなり乱暴な話だと思う。