娘(4歳)の友達に将来きっと大物になるだろうと思われる女の子がい
る。
その子は頭の回転がよく、気が強く、勇気があり、情が深い。
心理カウンセラーという職業上、ついつい人間観察をする癖があるのだ
が、彼女を見ていると惚れ惚れするのである。
仮にその子をAちゃんとする。
娘とAちゃんは、運動会があった先週の日曜日の朝も出会うなり
仲良くじゃれていた。

愛情表現が二人とも濃いらしく、互いのほっぺを両手でむぎゅっとひっぱ
りあったり頭をぽかぽかとたたきあったりして笑いこけながらまあ、
かなりアグレッシブに遊んでいた。
この年齢の子どもではよくあることだが、自分の座りたい場所をめぐって
互いにゆずらず、随分つまらないところからケンカし出してとうとう二人し
て泣き出した。
しばらくして、共に泣き止んだが、Aちゃんの方から
「〇〇〇ちゃん(娘の名前)ごめんね。
」
と謝ってくれたのに、娘はまだすねていた。
見かねた私が
「Aちゃんが、あやまってくれているよ。」
というと、娘がしぶしぶ
「いいよ。(許しあげる)
」
と随分上からの態度でAちゃんに告げた。
その後、運動場に行く前にまず教室にあがりましょうという先生から
子どもたちに指示があって、
Aちゃんが
「〇〇〇ちゃん、一緒に手をつないで行こう。
」
と娘の手をとると、
娘はまだ機嫌が悪いのか
「やだ、一人で行く。
」
とそれを拒んだ。
しばらくやりあっていたが、
とうとうAちゃんが
「一緒に手をつないでいこうよ。
」
と泣き出したので、またまた見かねた私が
「ほら、仲良く手をつないでいきなさい。
」
というと、娘はまたしぶしぶ手を出した。
そこからは、はたから見ている吹き出してしまうのだが
Aちゃんは
「一緒に手をつないでいこうよ~。
」
と大泣きし、
娘は
「私は独りで行きたいの~。
」
と大声で泣きながら、
しっかりと二人で手をつないで二階の教室にあがっていった。
Aちゃんの愛情表現は情熱的で、
以前も
「〇〇〇ちゃん大好き!
」
と娘をぎゅうっと強くハグし、娘はなすがままに抱きつかれていた現場
を見たことがある。
お互いに気が強いのでよくケンカするらしいのだが、
娘は多大にAちゃんの影響を受けていて、
娘が何か新しく面白いしぐさや言動を見て、
「誰に教えてもらったの?」
と私が尋ねると、
「Aちゃん・・。
」
とたいてい答える。
娘は小心者で、保育園のすぐそばの工事現場にあるクレーン車が
恐くて仕方がないのだが、
(自分もつりさげられてしまうと思うらしい
)
Aちゃんは強気な瞳で
「そんなのちっとも怖くない。」
と男まさりなきりりとした顔でいうのである。
そういう情が深く凛々しいAちゃんに私は惚れ惚れしてしまうのだが、
ちょっと小心者で感受性豊かな娘と妙に気が合うらしく、
普段からいろいろつるんでいるようだ。
自分の娘は無条件に可愛いので、Aちゃんと比べてこの子は・・・・と
がっかりするようなことはないが、
(それに娘は昔の自分にそっくりである)
きっとAちゃんは、将来大物になるだろう
と
私は密かに予想しているのである。