ココロ辞典 No.1 「ペルソナ(仮面)」続き
(昨日の「ペルソナ(仮面)・本当の私は?」part1の続き)
自分の気持ちをなるだけ表現しようと決意した私は、
当時とても仲良かった友人にちょうど悩んでいることもあったので、愚痴などもよく言うようになった。
その友人は、とても気配りがあり、言いたいことを多少我慢するタイプだったがある時私に向かって
「もう!そんなに私に甘えないで!」と叫んだのだった。
ガーン、ガーン、ガーン。
落ち込む私。
所詮良い子の私が好きなのか。
心を開いてつきあっていこうなんてむなしい夢だったのだろか。
何ともいえずショックな私だったが、その後彼女は面白いことを言った。
「そっちがそんなにどんどん言ってくるなら、私もあんたに本音をぶつけるわ~!」
と宣言してきたのだ。
私の本音トークは相手の
「もっと本当の気持ちを伝えたい!」
という気持ちをてとても刺激したらしかった。
落ち込んだり、驚いたりと忙しい気持ちの私だったが、とりあえず、
なぜ愚痴を言ったり甘えるようになったのか自分の気持ちの経緯を彼女に伝えた。
カウンセラー的になるのではなく、もっと自然体の自分を出したかった。
気持ちを率直に出して、お互い心を開いた関係を築きたかった。
彼女は
「なーるほど。そこんとこ言ってくれないと分からないじゃない。
あんなにしっかりしてたのに最近ぐずぐず言い出したり、
何か感情的にもの言ったりするから、わけが分からなくなったのよ。」
と彼女も胸のうちを語ってくれた。
本音トークは本音トークをどんどん引き出し、
お互いに「ふーん。そうだったのか~。」という感じになった。
私は自分を素直に出そう!と力むあまり、いきなり極端にやりすぎたのだ。
それに、気持ちの表し方。
「感情を表すことと、感情的になることは違います。
感情的になることは、自分の感情に振り回されて相手に感情をぶつけること。
それをすると、相手はびっくりしちゃいます。
落ち着いて、穏やかに感情を使えることもできますよ。」
などと講座では、受講生に立派なこと言っていたのに
自分は感情まる出しになってしまっていたのだ。
だから彼女は困惑したし、ひいてしまった。
なるほどな~。あーあ。勉強になったわ。
などとつくづく思い、
「自分がいつもみんなにいっている通りにやっていたらうまくいってたんだろうな~。
やっぱり心理学って役に立つわ。でも、失敗したからこそ分かることってあるなあ。」
反省したり、感心したり、いろんな気持ちが私の中で交錯したが 、
ひとつ言えるのは
「普段はカウンセラー仮面をつけない。」
と心の底から決めたことだった。
カウンセラーのスイッチをON、OFFときっちりしてこそ、
本当のカウンセリングではカウンセラーとしてなすべきことに没頭できると思うのだ。
この一連の体験の後、新たに友達になった人からは、
私のとても「ちゃっかり」して、「かなりぼけぼけ」で、寂しがりやの甘えた性格を見て
「ぷ。本当に木村さんカウンセラーやってんの。」
と言ったのだった。
私は内心
「嬉しいな。」と思った。
前は、
「え。やっぱり普段からもっときちんとしてなくちゃ駄目かしら。」
と内心あわてたかもしれないけど。
これからも知らず知らず、また何かの仮面を四六時中つけてしまうこともあるだろう。
でも、何となく息苦しくなって、窮屈に感じて、辛くなったら、
素顔の私が
「何とかして!」
って叫んでいるサインだからその時はまた仮面をはずせばいいだけだけど。
家の中で夫の面倒を見、子供の世話に追われている女性で
「あー。独りの時間が欲しい」
とつぶやいてしまう人は仮面をはずしたい、って心がいってるんじゃないかと思う。
いつも周囲に気を配ってニコニコしていて、そんな自分に疲れてしまうのは、
ペルソナにがっちり覆われた素の自分が新鮮な空気を吸いたがってると思う。
ペルソナをはずすために、いつも自分の気持ちを誰かに伝えなければならない、ということはない。
心から自分が楽しい、ほっとする、という時間をちょっとでも作るだけでも良い。
とっても美しい、感動する、というもの(映画や絵画や本)みるのもいいだろう。
かけがえのない自然体の自分を、他の誰でもなく自分自身が一番大事にしてあげて欲しいと思う。