

と5歳の娘に強くお願いされたので、久々にコトコト煮込んでクリームシチューを

2年前に作ったら、







娘の保育園の天井から、松ぼっくりでつくった、まっくろくろすけとトトロが
つってあった。
特に松ぼっくりでつくったまっくろくろすけが面白い。
子どもたちを喜ばそうと、一生懸命手作りしてくれる保育士さんの心づくしが
嬉しい。
5歳の娘に、
「どんな感じのお友達が好き?」
と聞くと、
「可愛くて優しい女の子」
とまるで、男子が好みの女子のタイプを話すようなことをいった。
5歳の娘は大変人なつこく、ほとんど人見知りというものをしない。
住んでいるマンションのエレベーターの中でも、
私もちょっと顔見知り程度の近所の方にいきなり
「あのね、恐い虫がいてね・・」
とか
スカートをはいている女性に
「(スカートの模様が)かわいいね。」
とかいろいろ話しかける。
服装をほめるのはまだいいが、
「恐い虫がいて・・」
という急に脈絡もなく話しかけられると、相手の方も困惑しないかと
私はひやひやするのだが、
幼い子どもが無邪気に話しかけるのだからと、大概の人は
「そうなの?」
などと興味をもって優しく接してくれる。
保育園でも、ささいなケンカが時々あるくらいで、
アットホームなクラスでは特に意地悪な友達もいない。
そういうこともあって、
娘の中で
「人ってみんな良い人」
みたいな感覚が定着して娘はますます人なつこくなる。
最近は、マンションに清掃しにきてくれているおじいちゃんとすっかり仲良く
なって、毎日元気よく
「ばいばーい。いってきまーす」
とニコニコ笑って挨拶し、手を振っている。
「人ってみんな良い人」
とか
「大人はみんなやさしい」
とか
そう思い込んでいる娘は微笑ましいが、
今後は彼女の身の安全を守るために、世の中はそう良い人ばかりではない
ことを親として折りに触れて伝えていかなければならない。
また、彼女も大きくなるにつれ、交友関係の中で優しい人ばかり
ではないことを学ばざるを得ないだろう。
今までせっかくあれほどのびやかに育っているのに
成長とともに失われていくものが確実にあるのを
母親としてはちょっと複雑な思いで見守ることになるのかな。
夜、5歳の娘は布団に入って眠る前に、とても遠い目をして
保育園のこととか、今日あったこととかをぽつぽつと話す。
じっと宙を見つめて話すその様子が、昼間のちゃかちゃかした娘の様子と違って、
何となく荘厳で不思議な雰囲気をかもしだしていて興味深い。
時々私の方を見てふと微笑む顔が、
この世のものと思えぬ神秘的な表情でどきっとしてしまう。
昔から眠りに入る前の娘のかもし出す雰囲気は、
日中と違って、自分の娘でないような感じですごく不思議な感じだと
思っていた。
そのまま眠りに落ちると、年相応の無邪気で可愛い顔にもどる。
その表情をしばらくじぃっと見てから、私は何となく安らかな
気持ちになり、そっと彼女のそばを離れる。
私には4歳の娘がいるのだが
だいたいこのくらいの幼い子ども
を持つお母さんの悩みというのは
「自分の時間がない。」
ということだと思う。
しかし、彼女が生まれてこの方私はほとんどそれを感じたことがない。
それは並々ならぬ夫の努力というか、子育てへの強い意志のおかげで
である。
平日夫は帰りが遅いので、普段娘はあまりパパと触れ合えないのだが
その分、日曜日は
「パパとがっつり遊ぶ日」
なのだ。
(土曜日は夫は半日出勤しており、私も働いているので娘は保育園にい
っている)
休日、テレビを見るときは、
夫のかいだあぐらの上にどっかり座っているか
(この様子が猿の親子という感じで微笑ましい)
夫の肩に座ったり(肩車みたいに)、立ったり、首にぶらさがったりして
(公園の遊具と勘違いしているかと思うくらい夫の体の上で遊ぶ)
娘は夫にべったりである。
アニメを見終わると、
「パパ、遊ぼうよ~」
と彼女はいい、夫に腕にぶらさがってぐるぐるまわしてもらったり、
お人形さんを使ってごっこ遊びをしたり、
絵本を読んでもらったりしている。
その間、私は好きなテレビを見たり、本を読んだりして自由な時間
を満喫している。
娘がパパとの休みの時間で最も好きなのは「公園」
にいって、自転車に乗ったり、遊具で遊んだりすることで
公園には私も一緒に行ったりするが、今は寒い時期なので
「よろしく~」
と夫に手を振り、私はその間、昼寝をしたりしているのである。
娘のエネルギーは一日中つきることなく、
一つの遊びが終われば、さあ次ぎの遊びとえんえんと続き、
47歳の夫は、老体にムチをうって娘につきあっている。
小さな子どもと遊ぶのは大変な労力がいるので、
疲労困憊して肩で息をしている夫に、私は
「大変やなあ。」
としみじみ同情し、
「まさに『遊ぼう地獄やなあ』」
などといってねぎらうのだが、
私は「大変やなあ。」といって傍観しているだけである。
同年代の子どもを持つ友人にそれを言うと
「信じられな~い。うらやましい~」
と叫ばれたのだが、
とにかく夫がいる休日は、娘は私のもとに全然やってこないのだから
彼を助けようがない。
夫は夫で、普段あまり家にいないことの罪ほろぼしと、
先輩パパたちから
「女の子にそんなになつかれるのは今だけだぞ。
大きくなったらパパくさーい、とかうざーいとか言われるぞ。」
という忠告とがあいまって、
けなげに一生懸命娘と遊んでいる。
とはいえ、
幼い娘の笑顔は父親にとったら、どんなに可憐でかわいらしい
ものだろうか。
「パパ大好き」
と無邪気に愛を表現し、ぎゅっと自分を抱きしめてくる姿は、
どれほどいとおしく、また「希望」を感じさせる存在だろうか。
夫にとれば、(私と同じく)間違いなく娘は大いなる生きがいであろう。
自分の休日を娘のために捧げる夫をみて、
「あー、いいだんなさんと結婚してよかった。」
とおせんべをかじりながらしみじみ思うとともに、
私の父は仕事以外の時間をすべて趣味に費やす人だったので
「こんな父親だったら、わたしも幸せだったのに。」
と複雑な気持ちも抱くのである。
というわけで、優しくて楽しいパパであるが、
調子にのりすぎて、夫に叱られると
それまで見向きもしなかった私のもとに猛ダッシュでやってきて
「ままぁ~、ままぁ~」
とぎゅうぎゅう私に抱きつき
「ママと一緒に寝る~、ママと寝る~。」
としくしく泣く。
このちゃっかりした性格はどちらに似たのだろうと
あきれつつ、
平日はべったりと一緒にいる娘が
休日は少し離れたところですごしているのが
やっと自分のもとにかえってきたという妙な安らぎを覚えて
娘の強烈な夫への甘えぶりを見ていて、
実は少しさみしかったことに気づく私であった。
4歳の娘はお風呂で髪を洗うとき、顔に水がかかるのが
大嫌いである。
お正月休みの間、夫が娘とお風呂に入り、
彼女の洗髪していたのだが
娘が
「パパは髪を洗うのが下手だからやだ。
今日はママと入る。」
といったので、いつものように私が娘と一緒に入り、彼女の髪を洗って
お風呂を出た。
すると娘はにこっと笑って
「ママ、上手に洗えました。」
「ママは完璧です。」
とグッドジョブという感じで私にいった。
あんたはいったい何様やねんと内心つっこんだが、
無邪気に笑顔で言うさまがおかしく
「はい、はい。」
と私は彼女の髪をごしごしタオルでふいてかわかした。
もうすぐ、5歳になる娘はどんどん言葉を
覚えていく上にどんどん態度がでかくなる。
特に娘は夫に対して、大きい態度にでる。
夫が彼女に対して、甘いからだ。
夫と遊んでいるとき、
「もっとちゃんとしろよ。」
とびっくりするほど口の悪いことを娘がいった。
見かねた私が、
「パパにはもっと優しくお話ししないとだめだよ。」
とこわい顔をしていうと、
娘は「うん」とまじめにうなづき、
夫に向かって
「もっとちゃんとしろよ。」
と大変かわいくやさしい声でいった。
(いや、そういうことじゃなくて)
とまたまた内心つっこんだが、
いかにもちゃんと態度を改めました
と得意げな娘のようすを見て
私と夫は笑いころげた。
「わああ~、サンタさん来たよ~」
25日の朝、枕元のプレゼントを見て4歳の娘は喜びの声を発した。
「何かな~」
と包装紙をワクワクしながら開けていく。
一つ目はサンタさんの置き物で、スイッチを入れると、
いろんな色の灯りがピカピカが輝いて楽しい。
「うわ~、きれいだねえ」
うっとりとして娘が言う。
二つ目の包装紙をぺりぺりと破ると、可愛い子犬の表紙の絵本。
「うれしいなあ」
と満足げな娘。
すでに私と夫からのクリスマスのプレゼントは、自転車を買って
あげていたのだが、
サンタさんは必ずやってくる、という娘のささやかだがキラキラした夢
のために、急遽イブ用のプレゼントを後からこっそり準備したのだ。
最初は絵本だけでいっか、と思ったが、それじゃあまりにも寂しいというこ
とで私の母が、サンタの置き物を買ってきてくれた。
24日の晩、娘はサンタさんにお手紙を書き、
くつした(しかもいつも自分が履く小さいくつした)にそのお手紙を
いれて、万全の準備をしていた。
「サンタさんいつ来るかな?」
待ちきれないというように、夜、布団に入っても娘は
興奮気味にいったが
「〇〇〇(娘の名前)がぐっすり寝たら必ずやってくるよ。」
と私は静かにいった。
で、翌日目が覚めたら、枕元にプレゼントがあったので、
歓喜の朝を迎えた娘であった。
しばらく大喜びしていたが、
「〇〇〇(娘の名前)が良い子にしてたから、サンタさん二つも
プレゼントもってきてくれたのかな?」
娘はふとまじめな顔になって私に尋ねてきた。
「そうかもね~」
と私は答えながら、
その発想の愛らしさに何となく胸がいっぱいになった。
今年は4歳の娘のクリスマスに自転車を買ってあげた。
ピカピカに光るピンクの自転車(もちろんコマ付き)
娘は至福の中で
「わーい」
と喜びの声を出した。
私は娘に
「これがクリスマスのプレゼントだから、もうおもちゃは買わないよ。」
厳かにいった。
「うん。」
と彼女は神妙にうなづいた後、
「この自転車は、パパとママからのプレゼントだよね?」
とまじめな顔をして聞き返してきた。
「そうだよ。」
と私。
「でも、サンタさんは来るよね?」
と無垢なキラキラな目で私に尋ねてきた。
「・・・・・・・・・・・」
去年までは、クリスマスにほとんど興味を持たず、
保育園のクリスマスパーティに現れたサンタさんを恐がって
大泣きした娘だったが、今年は、サンタさんがやってくるのを
待ち焦がれている。
4歳の娘の夢を壊してはいけない。
彼女がクリスマスの朝、喜びの中で迎えられるよう
もう一つ、プレゼントをこっそり用意しなければならない。