少し前の土曜日の夜のことです。
一緒に遊んでいたタカタカが、ふいに
「ねぇ、ママ。いつも『幼稚園、行くのやだ~』って言ってごめんね」
と話しかけてきました。
実はその頃、タカタカが幼稚園に行くのをいやがっていたのです。
と言っても、大ぐずりするわけではなく門のところでバイバイする時にちょっとしぶる・・・と言った程度だったし、個人面談でも「園では楽しく過ごしている」と聞いていたので、そんなに重大なこととして受け止めていませんでした。
それでは気になっていたことは事実だったので、タカタカの言葉に手を止めて耳を傾けました。
「僕ねぇ・・・「お支度」がいやなんだよ」
聞いてみると、タカタカは「コートの着脱・コートをハンガーにかける」と言う一連の作業が非常に苦手で、それで気が重くなっていたようなのです。
2人の通う園は、私服の上に園服を着て通園しています。
着いたらやることは
「園服を脱ぎスモッグに着替える→カバンからハンカチ・ティッシュを取り出しポケットに入れる→手帳にシールを貼る→コップを指定の場所に置く」
となっています。
ですが、冬はここにコートの着脱・ハンガー掛けが加わるわけです。
器用なサエサエに比べ、何かと不器用なタカタカには、毎朝の「お支度」が負担で、それが原因で憂鬱になっていたようでした。
「僕ねぇ、お庭で遊ぶのもお部屋で遊ぶのも先生のことも好きなんだ。コートだけがいやなんだよ」
「そう・・。でも、お支度なんてほんの少しの時間でしょう?がんばってやったら、あとは遊べんるんだもん。毎日、やっていたらすぐに上手に出来るようになるよ。おうちでも練習してみよう。ねっ。」
いったんはそこで話を終わらせて席をたったのですが、ふと、浮んできた思いがあり、パパと遊び始めていたタカタカにもう1回、話しかけました。
「ママ、思ったんだけど、しばらくの間、門のところでコートを脱いでいく?ママが持って帰って、お迎えの時にまた持ってきてママが着せてあげようか」
タカタカの顔がパッと明るくなり
「うんっ。じゃあ、僕はスモックを着てぇ、ハンカチとピッシュ(ティッシュ)を入れてぇ、シールを貼ってぇ、コップを置けばいいんだね

」
と、それぞれの動作を実演して見せながら興奮した口調で話しました。
「でも、先生に聞いてみて、ダメって言われたらだめだよ」
「うん」
実は冬の初め、先生から
『コートもそのまま着せて登園させて下さい。練習になりますから』
と言われていたのです。
コートを受け取ってしまったら練習にはなりません。
『ふと、浮んできた思い』と言うのは、「別に今、コートの着脱が出来なくたっていいじゃないか」と言う思いでした。
それで園が気が重くなっているようだったら、それを取り除いてやる方が4歳のタカタカには大切なことのように思えたのです。
休み明けの月曜日、とりあえずコートを門で受け取りタカタカを見送った後、門でお迎えをしてくれたベテランの副担任に一部始終を話しました。
すると先生も2つ返事で快諾してくれて、ママと同意見でした。
そういえば、運動会の玉入れが憂鬱で、サエサエが軽い登園拒否になったのは昨秋のこと。
その時も先生は
「サエサエちゃんは応援しているだけでいい」
と言ってくれました。
もちろんバラ組(年少)ということもあると思いますが、こういう対応をしてくれることに感謝の気持ちでいっぱいなママなのです。
(ママ自身がそうなのかもしれませんが、どうもタカタカ・サエサエにはスパルタ方式は向いてないように思うのです。いえ、ただ、ママが甘いだけかもしれませんが・・)
何となくホッと肩の荷が下りた気分のママでしたが、時間が経つにつれて、タカタカがこういう話を自分から切り出してきた、ということを嬉しく思う気持ちがわいてきました。
土曜日の夜、つまりは園とはまったく離れた時間に自分から話を切り出す。
そしてかなり自分の感情が整理できていることにも驚かされます。
夜、タカタカに
「何でもママが解決してあげられるわけじゃないけど、何かあったらまたママに話してね」
と話しかけてしまったのは『難しいお年頃』のことを見越してのこと。まぁ、かなり気が早いですが
手先が器用なサエサエですが、こういった心の面に関してはタカタカの方が先を行っているように見えます。
本当に子どもの成長と言うのは、その子その子で違っているんだなぁ・・・と思います。
園の方針に「子どもを比べない」と言うのがあるのですが、それは双子を育てていると、尚のこと大切なこととして肝に銘じています。
相対評価ではなく絶対評価で、子どもを見ること。
ある面が人より苦手だっていいじゃないか。
誰にだって得意な面、いい面があるんだから・・・。
いつかは容赦ない世間の荒波に出て行かなければいけない時期はやってくるのですが、いまはまだ執行猶予。
色んな面で大目に見てもらっているタカタカ・サエサエです。
タカタカはあの日以降、毎日、元気に登園しています
さて、昨日はバレンタインデーでしたね

今年は2人からの手作りケーキをプレゼントしました
と言っても、市販ののヤ○ザキのロールケーキ(100円)に生クリームと苺でトッピングしただけですが
左の写真がタカタカ作、右がサエサエですが、2人とも苺の多い方が自分用です
ママがチョコを食べられなくなって早1年3ヶ月。
今まではバレンタインは「ちょっと高級なチョコを(自分が)食べられる日」で、この日ばかりはスーパーのデンロクチョコではなく、デパートで買ったチョコをパパちゃんに贈っていたのですが、自分が食べる楽しみがなくなってからは、バレンタインなんか何とも思わなくなりました
タカタカは昨日、マンションの入口ですれ違った人に
「今日は僕のパパのバレンタインデーなんだよ~。ケーキ作ってあげるんだ~」
と話しかけていましした。
いえいえ、日本中の人がバレンタインデーですからっ。
そういえば、タカタカは誰にももらってこなかったなぁ。
4歳にしてチョコもらった子もいるんだろうなぁ・・・