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ODについて考える

2022-11-03 17:11:00 | ココロの風邪
⚫ココロの風邪(特になし)

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馬鹿も一心の嘘を暴きます!
水仙の嘘を暴きます!


この記事をわざわざ読んでいらっしゃる方の多くは知識のある方かも知れませんが…

ココロの病気について回る行動に「自傷行為」というものがあります。
文字通り、自分を傷付ける行為です。
リストカット(手首や腕を切ってしまう)というのは、有名な自傷行為です。
自傷行為の中にOD(オーバードーズ)というものがあります。
薬を処方量を無視して大量に飲む行為です。

自傷行為?
と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。
体に傷は出来ませんが、立派な自傷行為です。

今回はODについて考えてみたいと思います。

自傷行為ですから、自殺行為ではありません。

リストカットもODも、死ぬためにやっている人は少ないと思います。

爺は堕ちる所までとことん堕ちて…
日常を少しずつ取り戻したタイプですので、自傷行為に縁はありませんでした。
その代わりに、何も考えられない、何もココロに入ってこない、何も出来ない、丸くなってただ恐怖に震えるという期間が長くありました。

対して、自傷行為は精神的な不安が原因で行ってしまう行為です。
リストカットをすることで、一時的に不安が和らいだり消えたりする…
ODをすることで、不安なことを考えなくてすむようになる…
そんな理由で行為に走ってしまいます。

良く「薬が切れた時の禁断症状」と表現することがありますが、これは正しくありません。
ストレスや不安に耐えられない状態になった時の逃避行動が自傷行為です。

なので、ODと聞くと精神科薬と思われる方もいらっしゃいますが、頭痛薬や風邪薬などでやってしまう方もいます。

日常生活でイライラが溜まり…
薬を大量に飲むことで、一時的に気持ちが楽になる…
しかし、その後激しい自己嫌悪や鬱症状他のココロの病気の症状が襲ってきて…
不安に耐えられなくなるから繰り返す。
そんな症状です。

ODの行為を覚えると、そこから抜け出すことは、非常に難しいと言われています。
ストレスや不安から逃げる手段としてODを覚えたからです。
ODを行うと罪悪感が生まれます。
この罪悪感が更なるODを呼んで…
悪循環が生まれます。

冒頭で「薬が切れた時の禁断症状」ではないと書きましたが、ODを繰り返すことで、初めは少ない量から始まって、少しずつ薬の量が増えていく傾向にあるので、禁断症状が起きることもあります。
これはあくまでもODを繰り返した結果論の話であって、多くの方はストレスや不安に耐えられずに薬を多く飲み始め、徐々にエスカレートして小さな不安等でもODを繰り返していくだけで、禁断症状とはイメージが少し違います。
禁断症状は、あくまでも何年もの長期に渡り、強い薬を使ってODを繰り返した結果です。
そこは区別したいと思います。

ODは、自分を守るために感覚を麻痺させることで恐怖や苦しみを緩和させようとする行為です。
なので、克服するためには恐怖や苦しみから自分を解放するのが近道ですが、ココロの病気の方は、この恐怖や苦しみからの解放が最も難しいのが実情です。

鬱や双極性障害の方は服薬調整で緊張感をある程度は緩めることが出来るかと思いますが、完全ではありませんし、ODを覚えてしまった方は、それが不安から逃れる一番簡単な方法なので、服薬で様子を見る前にODに走ってしまいます。

適応障害の方は更に複雑です。
通院しながらも、適応障害出来ない環境に身を置いている(休んでいても所属している)だけで、プレッシャーや気分の落ち込みがあって、そこから逃れるためにODをやりたくなります。
プレッシャーから逃げ出すために職場や学校を辞めたとしても、次の職場や学校に小さな不安があると…それが再びODを繰り返すきっかけになってしまいます。

ODの危険性ですが、死に至るケースは低いです。
眠剤として処方されるサイレースでの致死量は数千錠と言われています。
しかし、決して安全とは言えません。
自殺をされた方の中には、その前にODをしていた方が少なくありません。
判断が鈍ってしまったり、薬にまみれて幻覚、幻聴に襲われたりするからです。
また、薬の効果ではなく、ODが原因で誤嚥性肺炎を起こすことや、薬の大量摂取からの急性腎不全等の二次被害も存在します。

では、どうすればODを辞めることが出来るか?
ですが、方法論は決して多くありません。
プラセボ(偽薬)を使うという方法を考える方もいらっしゃるかも知れませんが、これでは何の解決にもなっていません。
不安=OD
の図式がそのままだからです。
ましてや、自らプラセボを用意してしまったら、それが偽物だと分かっているのですから、飲む気も起きないでしょう。

大切なのは、ODをしない環境を作ることです。
一番簡単なのは入院です。
否が応でも薬が管理されるのでODが出来なくなります。
そしてODをしなくても大丈夫というココロを作るのです。
入院が難しい方は、通院間隔を短くするという方法があります。
通院間隔が長いと、それだけたくさんの薬を処方されます。
通院間隔を短くすれば、診察料はかかってしまいますが、一回に処方される薬が減るので、ODをしにくい生活になります。
一人暮らしの方は家族と生活するのも方法です。
一人の時間の不安を減らすためです。
ODが癖になった方は、不安がODの引き金になります。
不安=ODは最も簡単な方法です。
だからこそ、ODから抜け出すためには、毎日の生活での不安をいかに減らせるか…
それが大きく、また、ココロの病気の方には難しい問題だと思う爺です。




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