こうふ取材日記

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甲斐善光寺所蔵の文化財修理報告会

2020年07月17日 | 紹介

最古の造像は、甲府のお宝!


7月1日(水)、甲斐善光寺にて、文化財の修理報告会が開かれました

文化財というのは、寺が所蔵する「木造源実朝坐像」「木造源頼朝坐像」のこと。

 

「木造源実朝坐像」は、の指定文化財(高さ74㎝、幅115㎝、最大奥60㎝)

「木造源頼朝坐像」は、の指定文化財(高さ98㎝、幅144㎝、最大奥65㎝)です。

 

この二つは、現存する最古の鎌倉時代の坐像として、今まで貸し出しの要望もあったのですが、

痛みが激しく、移動もままならない状態でした

 

貴重な文化財の損傷がこれ以上進まないようにと、専門の業者(㈱明古堂)へ修理を依頼。

先に修理に出していた「木造源実朝坐像」が、3月末、善光寺に戻ってきました

 

解体修理では、❶年輪年代測定法、❷放射性炭素年代測定法といった科学分析も実施。

修理では、後頭部や腰などの欠損部を新たに補い、緩んだ部分を接合、さらに表面をクリーニングし、玉眼も修理しました(台座まで作成)

報告会では、ビフォーアフター紹介されました。

修理の課程や科学分析の結果、実朝が亡くなった1219年からそれほど経ない時期に伐採された檜材が使われていることや1400年代に修理された可能性が高いことなどが明らかになりました

「玉眼が像に精彩を与えていますね」と、山梨県立博物館の学芸員・近藤暁子さん

▲修理前(左)と修理後(右)                

 

見事に生まれ変わった、「木造源実朝坐像」

今後、全国の博物館や美術館で開かれる特別展などにも、貸出が可能になりました

 

「木造源頼朝坐像」も、今年度中に修理が完了する予定です。

ちなみに、現在の歴史の教科書に載っているのは善光寺所蔵の上記の像。

30年前の教科書に「源頼朝像」として載っていたものとは、違うようです。

「広報こうふ H23.9月号」文化財めぐり

画像分析などにより、真の「源頼朝像」が変わったのです。

(詳しくは、『源頼朝の真像』黒田日出男著/『こんなに変わった!日本史教科書』山本博文著 などご覧ください)

 

甲府素晴らしい文化財があることを誇りに、これからも大切に継承していきたいですね

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甲斐善光寺所蔵・木造源実朝坐像について

詳しくはこちら⇒ https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kanko/rekishi/zenkoji-sanetomo.html 

信玄ミュージアムと歴史文化財課の情報発信ブログ ⇒ https://blog.goo.ne.jp/rekishibk/e/c748e5b7bfcf3f6dae6380c8c512ce91


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