眠れる小鳥

本とゲームの感想を書いたりします
日々のことも書くかも
好きを語れるようになりたい…

ブログ一ヶ月たちました

2023年09月28日 22時00分21秒 | 雑談

ブログを始めて一ヶ月たちました。

主に感想を書いているのですが、書くこと自体はすごく苦手だったり。

読んだ本ぜんぶを取り上げるには時間がないので、書けそうな作品にかぎり書いています。

ゲームについては、クリアしたら感想を書くのが今のところの方針です。進捗とか雑感も適宜書いてみたいという気持ちもありますが……。

小説執筆などなど他の趣味は、紹介の機会ができたら唐突にあげるかも?

更新ペースは一週間に2回くらいを意識して、これからも細く長く続けていけたらいいなと思っています。

よろしくお願いします

では。

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『黄金蝶を追って』 感想

2023年09月26日 21時42分05秒 | 小説
黄金蝶を追って

黄金蝶を追って

内容紹介
もしも日曜の次の日が“自分だけの一日”だったら?(「日曜日の翌日はいつも」)
買ったマンションに前

honto

 

相川英輔『黄金蝶を追って』 感想です!


普通からずれた少し不思議の世界の介在と、人々の生を現した短篇集。6つの物語。
心に切に伝わる語りがとても魅力です。文学性とSF・ファンタジー要素の融合が好きな人に超絶おすすめかも!
以下、短編ごとの感想です。


「星は沈まない」
コンビニ業界で日々奮進した年月が、いまや過去に。左遷されて60歳近くにしてコンビニ店長を務める男性・須田が、コンビニに実験的に初導入されることとなったAIと出逢います。
須田が駆け抜けているのは、1980年代から今現在にあたる2020年代まで。時間が流れ続け、時代がいくつも重なっては地層となり、そして今に至っていること。
広がり続けるこの世界は輝きに満ちていて、そのことが目がくらむほど眩しくて美しいです。
AIがいる世の中に、希望を抱かずにいられない、力を出し合って未来へと続いていくと信じられそうな……そんな素晴らしい物語でした。

 

「ハミングバード」
お値段的によかったマンションで、幽霊が生活している事実に困惑する裕子さん。その幽霊・大江さんは自分の前にここで暮らしていた男性で……。
何事もなしにマンションの一室で暮らす幽霊の大江さんの日常が、自分の日常を視覚的に邪魔をするというのはかなりの恐怖かも。風呂の時間に寝る場所など避けるようにする裕子さん、自分の住処なのに気を使うのも大変ですね。
この物語の焦点は、惹かれる、ということかなって。大江さんの抱える事情も、裕子さんの若さ溢れる男の子に揺れる淡い想いも、全部が愛しいです。
終わり方も光さすようで素敵でした。

 

「日曜日の翌日はいつも」
水泳にひたむきな北村は、最近なぜか日曜日のあとに月曜日が来なかったりする。その日は、自分以外が存在しない世界。そんな一日を、彼はプールで水泳の上達を目指し特訓を続けます。
北村の中に根差す悩みは、自分のせいで将来有望とされた一人の女の子の水泳の未来を奪ってしまったこと。彼はひどく後悔し、贖罪として重く責任を抱えています。
自分が水泳を成すことで、女の子・谷川への罪滅ぼしをしているともいえます。谷川のことを心の奥でずっと追いかける北村。ないはずの日に囚われて、それでも彼女を、と。
北村が追いかけるという構図が、最後までたどり着き知る事実に、熱が込み上げました。こういうエンディング、もの凄く好きなんです!

 

「黄金蝶を追って」
表題作です。小学校にて描いた絵、そこで見つけた金色の蝶に見惚れた誠。描いた本人である達也に会いに行って、親しくなり育まれた友情は唯一のもので。しかし年を経て大きくなり、二人はいつしか変わっていきます。
絵を描くことを共通点に繋がる友情が、とても深いかけがえのなさを感じさせます。誰も入り込めないような特別な関係性、大好きです。
危ない方向へと進む達也と、絵を描いて暮らすようになる誠。交わりの一度途切れた二人が、再び引き寄せられていく様と、大切な言葉だけで綴られたやり取りに胸が締め付けられました。
あの日固く結ばれた友だちに、永遠というものを信じたくなる物語でした。

 

「シュン=カン」
悪さをしたとみられ投獄されたシュン=カンは、遠い星で労働の日々を送っています。彼の仲間も一緒に労働。そんな環境下でも、互いに抱く親愛の念は変わらないままで。そんなおり、仲間だけに帰還の令が下ります。
「星は沈まない」との関連性ありなので、こちらはのちに読むのが推奨とのことです。この繋がり、じーんとしますね。
自分をなげても親しき人の幸福を願うこと。正しさなんてゴミのような世界におかれたシュン=カンが、自身の気高い心を捨てない姿、人間とは、信念とはと考えさせられます。
未来への道を繋ぐのは、切れないくらいの愛のかたちなのかも。

 

「引力」
ノストラダムスが世を暗中にしていた頃を思う葉子。ご飯をあげていた猫が裏庭に亡くなっているのを埋葬すべく、彼女は一人の男の子を呼び出します。合コンをきっかけに親しくなった彼と、車で山中へと向かうのですが……。
日常が終わるかもしれないことを、恐怖の大王が教えてくれていたのが、実は無意味なことではなかったのかもしれないと思わせますね。
何かを恐れるというのは、予防といえますし、危機意識といえば響きもよくて、穏やかな日々に遠のいていた不安の意味をはっと気づかされた物語でした。
猫の死が日常を壊すものだと、すぐに気づけない。
強く叩けば割れる世界にいることを、思い出します。そして、終わりを拒絶しない人も、おそらく世には少なくないのでは。


びっくりするほど楽しめた短編集でした。
語られることにより、自分の中で精算されていない感情が少しだけ言葉にできたような、そんな心持ち。伝うることって、すごく大切ですね。

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『休日風景(あさ)』カクヨム 小説投稿

2023年09月21日 22時37分49秒 | 趣味総合

小説投稿サイトのカクヨムの更新をしました。

たまに趣味で小説を書いたりもしています。

『休日風景(あさ)』というタイトルの短い物語です。文字数は814字。

バスで出会った二人の女の子たちとの小さな一幕ストーリーを書きました。

興味がありましたら……

休日風景(あさ) - 休日風景(あさ)(さなこばと) - カクヨム

休日風景(あさ) - 休日風景(あさ)(さなこばと) - カクヨム

出逢いのワンシーン・早朝バス編

カクヨム - 「書ける、読める、伝えられる」新しいWeb小説サイト

 

 

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『もしも明日、この世界が終わるとしたら2』 感想

2023年09月20日 19時50分17秒 | ライトノベル
もしも明日、この世界が終わるとしたら2

もしも明日、この世界が終わるとしたら2

世界が終わりを迎えるまで――およそ一年。英雄の生まれ変わりとして召喚された大咲空は、この終わりゆく世界で過ごす中で、魔法

honto

 

漆原雪人『もしも明日、この世界が終わるとしたら2』 感想です!


世界の終わりが迫るとしたら、あなたは何をしますか……?そんな問いとともに紡がれる、滅びの予感と瞬間に灯る願い。
幸せのかけらをたぐり寄せる終末世界物語第2巻、これにて最終巻、なのかも。
大切な人と心通わせることが、生ける歩みにどれだけの力となるか。とても沁みる終幕でした。


世界をなんとか維持できた出来事から少し経ち、空とユーリとルカとギンは学園に人を呼ぶべく学園祭を計画します。
それは、世界を救う小さな可能性をかけた方策。
アイデアにはしゃぎ、また望みを抱く面々の中、いつものようにユーリが放送で呼びかけた夜、なんと反応があったのでした――。


空は、かつての英雄の転生としてこの世界にやってきました。世界を救うという一つの目的、みんなの中のセカイと善悪交じり共鳴する、ときめく構造がとても好きでした。
世の救済と個人の願いは、また毛並みの違うもので。みんなが幸せになってほしいと思うけれど、意見も信念も種族間の壁も、ままならない感情の動きも、全部クリアするなんて極めて難しい……。
愛だって、絶対的に正しいものではない。世界が終わるまでの時間、何を掴みたいのか、何を伝えたいのか、成し遂げたいもの、求めていること……。


終末ものとして、人々の心を描いた作品として、心ゆくまで楽しめました。
闇をかくような苦悩を越えてたどり着いた結末は、柔らかな笑顔になれるものでした。
独りじゃないって思えたら。自分にはみんながいるんだということを識る、その心強さにじーんと熱くなる物語でした。

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『紙山さんの紙袋の中には1』 感想

2023年09月18日 20時32分39秒 | ライトノベル
紙山さんの紙袋の中には 1

紙山さんの紙袋の中には 1

穏やかに過ごしたい高校生・小湊波人は、入学初めてのホームルームで、グラマラスながら紙袋を被り常にびしょ濡れのヤバい女子の

honto

 

江ノ島アビス『紙山さんの紙袋の中には1』 読みました!


変ラノベだ、と思って買った今作。変でした。
まさしく変なのだけれど、同時に王道も感じさせるラノベだったのでした。


紙山さんという極度の恥ずかしがりで汗っかきが度を越えたヤバイ系女子に懐かれた主人公は、そのヤバさをなんとかするべく、2人の完璧おかしな女子を加えて妙な部活を作り出すのだった――


謎部活で個性的なヒロインたちとのドタバタラブコメ(?)という、わりとベタな展開。いや、キャラクターたちはそれぞれがかなり変で、なんだその設定ってばかりで、いろいろとぶっとんでておかしいのだけれど。
それでも正統派だと思いました。


紙山さんの抱えている悩み。それはとてもわかりやすく、そして難しいです。
常に紙袋装備で、大量の汗を飛び散らせるせいで、周りからも距離を取られがちで。
そんな彼女が苦しみばかりを吐き出していたり暗い性格だったりせず、一生懸命に学校に行って日常に馴染もうと励んでいる姿が、あまりにも眩しくて。
彼女の澄んだ心の在り方が、強く印象に残る作品でした。

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