眠れる小鳥

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『もしも明日、この世界が終わるとしたら2』 感想

2023年09月20日 19時50分17秒 | ライトノベル
もしも明日、この世界が終わるとしたら2

もしも明日、この世界が終わるとしたら2

世界が終わりを迎えるまで――およそ一年。英雄の生まれ変わりとして召喚された大咲空は、この終わりゆく世界で過ごす中で、魔法

honto

 

漆原雪人『もしも明日、この世界が終わるとしたら2』 感想です!


世界の終わりが迫るとしたら、あなたは何をしますか……?そんな問いとともに紡がれる、滅びの予感と瞬間に灯る願い。
幸せのかけらをたぐり寄せる終末世界物語第2巻、これにて最終巻、なのかも。
大切な人と心通わせることが、生ける歩みにどれだけの力となるか。とても沁みる終幕でした。


世界をなんとか維持できた出来事から少し経ち、空とユーリとルカとギンは学園に人を呼ぶべく学園祭を計画します。
それは、世界を救う小さな可能性をかけた方策。
アイデアにはしゃぎ、また望みを抱く面々の中、いつものようにユーリが放送で呼びかけた夜、なんと反応があったのでした――。


空は、かつての英雄の転生としてこの世界にやってきました。世界を救うという一つの目的、みんなの中のセカイと善悪交じり共鳴する、ときめく構造がとても好きでした。
世の救済と個人の願いは、また毛並みの違うもので。みんなが幸せになってほしいと思うけれど、意見も信念も種族間の壁も、ままならない感情の動きも、全部クリアするなんて極めて難しい……。
愛だって、絶対的に正しいものではない。世界が終わるまでの時間、何を掴みたいのか、何を伝えたいのか、成し遂げたいもの、求めていること……。


終末ものとして、人々の心を描いた作品として、心ゆくまで楽しめました。
闇をかくような苦悩を越えてたどり着いた結末は、柔らかな笑顔になれるものでした。
独りじゃないって思えたら。自分にはみんながいるんだということを識る、その心強さにじーんと熱くなる物語でした。

コメント
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