枡野浩一さんが「かんたん短歌blog」でトラックバック募集してくださっている「失恋論短歌」。
http://masuno-tanka.cocolog-nifty.com/
現在短歌をたしなむさまざまな方のブログに作品がたくさんUPされています。
いくつか自分の意識に引っかかった作品を見ていきたいと思います。
以下作品(カッコ内は作者名)、UR Lをまず記し、次に感想を記す順番でいきます。
短歌としての技術的な批評は出来ませんが、あくまで「失恋論」の観点から感想を述べさせていただきました。
その恋を失うことでかろうじて私らしさが守られている(花夢)
http://blog.goo.ne.jp/hana_yume/e/7a547894f797bbd158f84cbe37a212ec
この気持ちはわかりますねー。
失った瞬間に照らし出されるものがある。だから恋は「あけぼの」と「たそがれ」に刻印されるのだと思います。
四捨五入されるラインの境目で挑めなかったからだと思う(二坂英之)
http://nisaka.way-nifty.com/poetry/2006/04/post_c5da.html
これは一読しただけではわかりにくいけれど、なにかを見逃した感じは伝わってきます。「ダメなときはどうやってもダメ」と思っていても、割り切れないものがありますよね。
「とりあえずビール」と同じ口ぶりで「またいい人がいるさ」と言うな(若崎汐里)
「とりあえずビール」と同じことなんだ 「またいい人がいるさ」ってのは(若崎汐里)
http://blog.goo.ne.jp/waka-sio/e/6f841615297637d73d43be97d3aea483
このビールネタは二つ目の方が僕は好きですね。
ああこれが恋かと胸にしみるのは 始まるまえと終わったあとと(若崎汐里)
これはあまりにも『失恋論』に書いてあることまんまかなと。
いつまでもまっているから(片思いだって恋なら失恋じゃない)(あみー)
http://app.blog.livedoor.jp/ammy/tb.cgi/50409970
この人のもまんまだな。
恋ごころを失ったのはきみなのに失恋するのはぼくなのですか(カー・イーブン)
http://d.hatena.ne.jp/kaibun/20060403#p1
この人のもまんま。
まんまな人たちには一度『失恋論』読んでもらって、その奥に広がったものを読みたい気がします。
点滅が思ったよりも長いので 渡れたかも と思い続ける (伊勢谷小枝子)
http://d.hatena.ne.jp/saeko-i/20060403#p4
これはわかります。
それが一縷の望みを生んでしまうのだな。
失恋のことを語ると長くなるいつもふられてあげてきたから (本多響乃)
http://hibikino.cocolog-nifty.com/tbtb/2006/04/post_9b59_1.html
個人的事情のような気もしますが個人的事情を知りたい気もします。
こいびとを忘れられないわけじゃない恋した僕を忘れないだけ(本多響乃)
上記と同じ人の作品。
こりゃわかるなあ。まさに失恋論短歌だ。
あなたとのおもいでじゃない思い出を産みたくなって失恋おわり (丸山太一)
http://before-sleeping.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_7959.html
ひらがなと漢字のニュアンスの違いはイマイチ伝わらなかったけど、失ったのに産むという表現は意識に引っかかりました。
母の死に 君を求めた唇は 「不謹慎ね」と拒まれただけ (岡本雅哉)
http://furyu.way-nifty.com/namajikka/2006/04/post_382e.html
作品よりもご本人による説明文の方が伝わってきます。作品だけ読んだときは最初相手の母上が亡くなったのかと思いました。
以上、木曜日までで読むことの出来た作品の中からの感想です。
僕の心に引っかかった作品は僕の失恋の形に近いものかもしれません。
失恋論短歌は恋のカルテかも!?
枡野さんの批評が楽しみです。
ずっと枡野さんのページにトラックバックできていないと思っていました。驚き2倍です。
失恋はときに凶器になるので怖いです。防御策(防御論)ばかり増えていきます。
それとも……?
しかし、印象に残ったということはうれしいのですが、短歌としてみると不完全であるということですよね。かなり主観が入ってしまったため、こうして客観的に見ていただいて助かりました。
相手の親が死んだのに、カラダを求めるという風にとれるんですね。そうすると単なる鬼畜になっちゃいますもんね。
今一度練り直してみます。ありがとうございました。
失うときだけではないかもしれませんね。
でもきっと『失恋論』はそういう終わり方をするんじゃなくて、恋をしている中から成仏を目指したかったんだと思います。
申し訳ありません。
「週刊朝日」にご紹介されているのを読みました。
もし、うまく成仏できるような本ならば読ませたい人がいます。
一度、手にとってみたいと思います。
失礼致しました。