荒川小屋まで行きたいから4時に出発しないといけない、と昨夜息巻いていた神奈川くん。寝坊したとのこと5時過ぎに出発した。9時半の鳥倉林道バスに乗る茨城さんは、時間をかけて朝ご飯を食べた後、6時に出発した。次は自分の順番だが動き出す気になれない。これを最後にタバコを止めると、茨城さんから封を切ったタバコを譲り受けた。久々に吸うとむせかえった。10mgのつわものだった。
6時半にやっと出発した。三伏峠小屋から東に進み水場分岐を過ぎ右に曲がる。花たちが咲いているが天気がいいだけに展望の良い場所まで急ぐ。小一時間かかって烏帽子岳2726mに到着。正面に富士山が、その左には蝙蝠尾根が延びていて塩見岳と繋がっている。北には北岳、甲斐駒、仙丈岳。その左には槍と穂高のシルエット。西方向には木曽駒が見える。十分に満足の景色であるが、日の出時分に来ていればともっと素晴らしい光景だったろうと悔やまれる
崩壊地の脇道を下って登り返すと荒川岳が全容を現す。その手前には赤い屋根の小河内岳避難小屋が見えた。緑一面の丘の上に有りアルプスの少女ハイジが住んでいそうだった。ハイマツの斜面を登り詰めると小河内岳に到着。荒川岳の右には僅かながら赤石岳や聖岳が顔を出す。申し分無しの景色にテント場があれば此処で一泊したいと思ったが、地形からして水場が遠そうな感じがした。
小河内岳から標高差200mくらいをどどっと下ると樹林帯に入った。今まで日差しが強かっただけにほっとする。登山道はしっかりしているが右に左にと細かく蛇行していて、腕時計の方位計を見なければどちらへ進んでいるのか判りづらい。樹林帯を1時間ほど歩き、木漏れ日のさす木陰でお昼にした。再び歩き出すと、烏帽子岳付近で追い越されて以来、久しぶりの人に会う。大きなザックを背負った単独オバサンだった。今日は中岳避難小屋から三伏峠まで歩いているとのこと。小屋泊まりながらビバークに備えて荷物が多いのだそうだ。
大日影山は北側を巻きながら標高を上げる。やっと視界の得られるザレ場に出ると、岩峰の大日影山の全容が見えた。再び板屋岳に向かって登る。板屋岳はどこがピークからわからずに通過した。ゆるやかに30分ほど下ると花畑が現れ高山裏小屋が見えた。テントを設営し、10分ほど下って洗濯をし、水を補給した。夕方、中央アルプス方向に沈む夕日を眺め、その後は薄暮の荒川前岳から登る満月を眺めた。
烏帽子岳から富士山と蝙蝠岳
塩見岳の後ろは間ノ岳、甲斐駒、仙丈岳
槍穂
塩見岳
小河内岳と荒川岳
小河内岳と小屋
荒川岳、右に赤石と聖
夕照の荒川岳
満月の荒川岳
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