ハイマツ帯から樹林帯に入った。夏の強い日差しを受けなくなった反面、風が通らなくなる。暑さの質が変わっただけでやはり暑い。野呂川越に続く道は、高い所から見下ろした通りに小さなアップダウンがいくつもあった。道ばたには花畑があったり、白いシャクナゲが咲き残っていた。12時、地面に小さな看板が置いてあるだけの伊那荒倉岳に到着した。休まずにそのまま歩くと、伊那荒倉岳から10分ほどで高望池に着く。水は枯れて . . . 本文を読む
3時半、片肘をついて上半身だけ起き上がり、窓越しに外を見た。遠くにある小屋の明かりかと見間違えたのは明けの明星だった。そっと起き出し小屋の外に出る。頭上には天の川が煌めき、日頃考えることもない宇宙を意識する。数万光年前に発っせられた銀河系の光が届いているのだ。何だかヘッドライトを点けるのがおこがましくて、星の光を頼りにヒュッテから西の尾根に向かった。
予想通り２日目は筋肉痛が残り足取りが重い . . . 本文を読む
幸い臨時バスが出て、定刻よりも早い13時40分に出発した。運転手さんは鋸岳や甲斐駒のビューポイント、或いは道路脇に高山植物があればバスを停めて説明してくれる。バスは高度を上げて丹渓新道の登山口を過ぎた。北沢峠から北岳を眺めながら尾根コースを歩くか、山小屋に最短の藪沢コースを歩くか、未だに決めずにいた。乗客の一人が大平（おおだいら）山荘前でバスから降りる旨を運転手さんに伝えた。それを契機に一緒に降 . . . 本文を読む
７月２７日（金）
目覚まし時計は信用できず、ほぼ１時間おきに目を覚まして朝を迎えた。目的のバスは新宿８時半出発であるが、重いザックを背負った状態で通勤ラッシュに巻き込まれたくはなく、始発の電車に乗った。新宿西口の地下通路から地上に上がると、バス乗り場周辺には多くの老若男女の登山者を見かけた。登山者の集配基地になっているようで、彼処此処でツアーガイドが登山者の名簿チェックをしている。そして登山 . . . 本文を読む
空は青く、木々は緑に、本来の自然の色がありのままに目に映るよう、できれば逆光を避けて歩きたい。それが南アルプスを南から北へ向かう理由だった。登山口とする畑薙第一ダム大吊橋までの交通手段を調べてみる。
Ａ． 南アルプス登山線（静岡駅～畑薙第一ダム） 3,000円 今年は道路事情のため運休するとのこと。Ｂ． 毎日あるぺん号（新宿～畑薙第一ダム） 10,000円 今年から . . . 本文を読む