由布岳(1)

2013年06月30日 | 登山
 16時、長者原を発った。温泉があれば立ち寄るつもりだったが、やまなみハイウェイ沿いには皆無。重い目蓋をこらえてなんとか湯布院の道の駅に到着した。もう運転は無理と、後部座席でシュラフを被り一眠りする。目が覚めると21時になっていた。  起き上がる時に痛みがあった。どうやら捻り動作がよろしくないようだ。大きく息をすると肺に水が溜まったような重たさを感じる。だが、普通にしているぶんには大丈夫だとわか . . . 本文を読む

九重連山三日日(2)

2013年06月29日 | 登山
中岳に着いて間もなくだった。 『 ドコッ! 』 落ちた時、鈍い音がした。肋骨が折れたかなと思った。 仰向けになり、指で左胸をそっと押してみる。痛くなかった。胸を張ってみる。少し変。大きく息を吸ってみる。痛い。咳をしてみた。激しく響いた。 さっきまで標識の右側に立ち、坊がつるの方向を見下ろしていたのだ。九州の最高所に立ち御満悦だったかも知れないし、ミヤマキリシマの惨状を悲嘆していたかも知れない . . . 本文を読む

九重連山三日日(1)

2013年06月16日 | 登山
昨日は熊本にいた。大雨で電車が遅れる。天草地方の上空は雲が大暴れ。その後の虹が綺麗だった。 ―――― ◇ ―――― ◇ ―――― ◇ ―――― ◇ ――――  テント壁がびっしょりと濡れていた。外側ウォールのペグ止めを無精した報いである。星は見えるものの不鮮明で湿度が高そう。日が昇れば朝霧が立ちこめそうな天気だった。  4時に出発した。暗闇の中、法華院へ向かい、法華院の建屋の間を通り抜ける。 . . . 本文を読む

九重連山二日日(2)

2013年06月14日 | 登山
昨日は36℃あったらしい。そんな中、終日代掻きをしていた。麦わら帽子を被っていたが、太陽の水面反射で顔がまっかっかに焼けた。ヒリヒリと痛む。  ―――― ◇ ―――― ◇ ―――― ◇ ―――― ◇ ――――  登り専用路を上がっていると、推定80歳の日本昔話に登場するような爺様婆様が道を譲ってくれた。昨晩は法華院に泊まったとのこと。山歩きは今年が最後だろうと仰る。10年後か20年後 . . . 本文を読む

九重連山二日日(1)

2013年06月13日 | 登山
 2時半に目覚め、テントから顔を出す。辺りは漆黒の闇、星は一粒も発見できず。日の出は無理とまた眠る。次に目覚めたのは3時半。昨日見た天気予報では、本日の12時以降は雨マークがついていた。日の出は無理でも、早出して昼前に戻ってくるべきと起き上がる。  コーヒーだけ飲んで、4時20分ヘッドライトを点けて出発。明かりが点いているテントは一張りのみで、他は就寝中の様子。避難小屋を過ぎ、大戸越行きとの分岐 . . . 本文を読む

九重連山初日

2013年06月12日 | 登山
 今年は九州にご縁がある。1月から数えて7回目の九州出張だった。ミヤマキリシマの時期である今回だけは山に寄らせてもらう。本来なら仕事を片付けてから山に入るが、旬を外したくないから出張日の3日前に家を出発した。  寝坊した時間を取り戻そうと一生懸命に走った。三崎港にはフェリー出航の50分前に到着。ところが誘導係員に渡されたプレートは『 キャンセル① 』。先月乗った八幡浜発のフェリーは空車が目立って . . . 本文を読む