送り盆
還暦を過ぎ、古希を過ぎ、先輩から引き継いだ古き習慣みたいなものを後輩に伝える歳になったことだけは間違いない。だが伝えるべき後輩がいない、伝えるべき内容が身に付いていない。姪が16時の電車で帰る予定。お墓に行くかどうかを相談され、お墓の混雑具合によっては遠くから歩かなければならず、大雨の予報もあって、お墓はまた次回ということにした。駅で別れてお墓に行くと、意外に空いている。近くの駐車場に入れて、何事もなく一応送り盆を済ます。帰宅してから盆飾りを仕舞い、しばらくして、送り盆をググってみた。お盆は、宗派や地域によって対応がかなり違う。もしかすると、仏教より以前、原始宗教に結び付いたものなのかも知れない。いずれにせよ、お盆は何するんだっけなどと調べているようでは、そこに流れる精神など、どこ吹く風。分からなくていい、形だけ引き継げたらヨシとしよう。