KIRA KARACHO/唐長の奏でる唐紙の音

唐紙屋「唐長」唐紙師トトアキヒコが奏でる光りと音…「唐長美術館」への軌跡

こだわり

2011-12-10 08:50:52 | 散歩や美術鑑賞など


Routes*Roots (ルーツ*ルーツ)さんの唐紙。

お店は建仁寺や六波羅蜜寺のすぐそばにあります。
お近くの際は、お立寄りください。
英国のアンティークとこだわりのファッションを紹介されていて、ぼくの大好きなコムデギャルソンもあつかっている。
ショップオーナーの安井さんのブログには、
「サルヤマサロンのトトさんとの対話がなければ、伝統的でありながら前衛的な色彩のふすま紙を純和風な畳敷きの2畳の間に生かすことは難しかったかと思います。
一日の時間経過の中でふすま紙が映し出す光と色の変化をじっくり楽しみたいと思います。」
と、書かれています。


ご主人は建築家であり、二人とも個性がしっかりあり、話していて面白かった。
いろいろな唐紙を検討して最後に絞られた二つ。
ここからが個性のぶつかりあい。
これについて夫婦が真剣に議論して意見交換する際の静かな熱のはいりようは、なかなかに面白く…ぼくにも意見をもとめられたが、言うべきことを述べた後は、そっとしておいた。
数日後。
二つに絞られたうちの、より攻撃的というか挑戦的であると思う方に最終的に選ばれた。

真剣勝負で選んだ唐紙に当然、ぼくは真剣勝負でこたえる訳で、自ら提案したこだわりの仕上げをこだわりをもって手がけた。赤鉄色のような濃い牡丹鼠色のようななんとも言い得ぬ色ではあるがとても美しい色であり、表面に感じるチャコールグレーのような色の奥に潜む色を感じる、感じる色に染めた。そこにうつしとられたターコーズブルーの立涌文様は、やさしい光りをうけてほんのり光り輝く美しきブルー。



素敵な夫婦をみて思った。
夫婦、家族、友人、仕事関係…互いの意見をちゃんと向き合って言い合い、その上で何かを構築するというのは、なかなかに難しいことでもある。
妥協やきづかいなどいうことからは、本当の戦いにも議論にも発展せず、結果も当然妥協したなんとなく上っ面のものになる。問題の本質が解決しないのなら問題はまた別の形で繰り返される…そんなことでは、本当の良いもの、良き関係性は生まれない。

しかし、それができるには、本質的に互いが認め信用しあっていることが必要となる。
本当のことが言える。
それは信頼という関係性がついてまわる。
もしくは、それがない状態では、孤高の強さがいる。
岡本太郎を思い出した。










12月10日
唐紙師 トト アキヒコ

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