ぼくの中では、モノそのものではなく、それを美しいと感じている美意識をモノに転換していくのがモノづくりにおいて大切なこと。
それが、ぼくのとらえている感覚の眼「センス」ということです。
いわゆるバッグメーカーやファッションブランドと違う、KIRA KARACHOの強み、違いとはなんなのか。
KIRA KARACHOがカバンを通して何を世界の人々にプレゼントするのか。
それはやはり、見えない感覚的なもの、センスだ、ということなんです。
プロジェクトメンバーとのある日のやりとり…
機能性はバッグである以上あるべきだが、世間のスタンダードにならって文様をのせるだけというのはいかがなものか?
単純に文様がはいったそのものが美しいというのもわかる
ぼくたちは文様のチカラを信じている
時代も国も民族もくぐりぬけてきた普遍的な良さがある、それゆえ今もその文様で唐紙を伝えている文様や板木、うちらしさを鞄になれど、世に示す必要がある(と、いうかそこには使命すら感じる)
スタンダードでよいものをつくったとして、その先…そして、10年後のブランドはどうなっているか?
うちはバッグ屋ではない
そういうブランドと競合しても仕方ない
10年後、さすがKIRA KARACHOさんはなんか違うよなという独自の空気感を纏うには?
昔からずっと応援してくださる方が、このプロジェクトが決まった際にぼくに言ったのは、
「あんたが売るべきはセンス…」
これはカミさまの啓示にすら思える衝撃的なことばである。
センス(感覚)…
今回KIRA KARACHOを旗揚げするにあたり、ぼくが大切にしたことです。
文様を身に纏う、身につけるということで何かが生まれたり、守られたりする感覚…
文様とイロの世界観によって、ハッピーになったり、ほっとしたり、なんか元気でたり、ウキウキしたり…数百年、数千年生きてきた文様にひそむチカラから何かしらを感じるはずです…これは唐紙で約400年間唐長が伝え続けてきたことです。千田愛子が幼少の頃より培った色合わせの感覚はこれまで唐紙を通じてたくさんの人たちに感動を与えてきました。この感覚を今回は紙ではない異素材に表現したわけですが、色の組み合わせが与える何かのチカラはここにもあります。それらが組合わさったフォルムやシルエットを通じて何をどう伝えるか、考えに考えました。
そして、そのことが、今回、バッグというフォルムで登場したのがKIRA KARACHO TO-TO BAGたちです。
文様には人を守るチカラがひそみます…そして、イロは人をシアワセにします。
数百年…数千年もの間
民族も国も時代も超えて世界を駆け巡ってきた文様であるからこそ、普遍性があり、今見ても新しく見えて、美しい。
KIRA KARACHOでは、単なるモノづくりではなくこういう感覚(センス)を美意識としてとらえているのです。
それが、KIRA KARACHOの価値です。
12月21日
唐紙師 トトアキヒコ