KIRA KARACHO/唐長の奏でる唐紙の音

唐紙屋「唐長」唐紙師トトアキヒコが奏でる光りと音…「唐長美術館」への軌跡

唐長サルヤマサロンの歴史的な1日

2009-09-30 23:59:25 | 美術館への道


トトアキヒコと千田愛子が手がける唐長サルヤマサロンで発表した唐紙が、世界的な古代美術の指折りのコレクションを誇る日本有数の美術館オーナーのコレクションに加えられた日であり、生涯忘れ得ない記憶となることでしょう。

ぼくたちにとっても価値ある1日でしたが、唐長にとっても大きな大きな意味を持つ日であります。
しかし、何年かして振り返ったとき、この日の本当の価値は内外ともに理解されるのだと思っています。




コレクションされた唐紙は、7月に開催した唐長サルヤマサロン企画展vol.9 「Inochi」展で発表した「Inochi」です。
唐紙の美術的価値に光をあてる。
昨年暮れに、ぼくはそう心に決めました。
江戸時代の唐紙は海外の美術館にもコレクションされていますが、今の唐紙が建築や内装ではなく、タイトルのついた作品として収まるということに意味をもたせようとしたのです。
現代の美でもある唐紙を、今生きているぼくたちが生み出すものとして、美術館にコレクションされるというような流れのなかで、世界へ突き抜けたいと思いやってきた矢先での今回のできごとでした。

「いろんな葛藤のなかで、生み出してきたこの唐紙にYESと言ってくださったことは、ぼくたちにとって大きな喜びであり、背中をおしていただきました。」

「私は、本当に気に入ったものしか好きといいません、まだまだ続けていただかないと…これで、ずっと残りますね、お子さんやお孫さんたちの代にも見ていただけますね…」
弥勒さんのような微笑みに、ぼくは大きな飛躍のチカラを与えていただきました。



唐長は地球の大切な宝として、次世代にも何百年後にも伝えてゆくべきですし、そうしなければなりません。
つづけることのその先に目標である唐長美術館もあるのです。





9月30日
トト

唐紙とケリー・ヨスト

2009-09-28 22:11:51 | 散歩や美術鑑賞など


1日中、ケリー・ヨストを聴いている。
明後日、30日に旅立つ大切な大切な唐紙に、このピアノを聴いてもらいたくて…ずっとずっと…鳴り響いています。


ケリー・ヨストは、ぼくに大切な気づきを与えてくれました。
それはぼくが4連作のサルヤマサロンでの企画展で唐紙と向き合う上で、悟りともいえる大きな気づきであり、彼女のピアノからいろいろなことばが、ぼくには聴こえるようでした。


ぼくとケリーは出会うような気がする。
いつか、唐紙の空間において、ケリー・ヨストがピアノを奏でる日が来るのではないだろうか。

祈りをこめた唐紙の色とケリー・ヨストの音色が美しく調和する今宵は、とても静かだ。





9月28日
トト

祈りを身にまとう KIRA KARACHOの新作「南蛮七宝のストール」

2009-09-22 11:00:48 | 思い

このシルバーウィークに発表した唐長サルヤマサロンで手がけるKIRA KARACHOの新作です。
皺加工した唐長文様のストールで、ココン烏丸の唐長四条店のみ販売しています。
色は5色の組み合わせがあります。


祈りを身にまとう…

天地左右にひろがりゆく七宝に
星に
お花に
はたまた神に祈りを…クルスに


古来より文様は、人類叡智の営みや祈りのカタチを表してきました。
唐長の南蛮七宝文様のストールはきっと、身を守ってくれることでしょう。





9月22日
トト

混沌はチカラに満ちている

2009-09-18 23:59:48 | 思い


ぼくのいろいろな考えは、全て唐紙に表れている。
そこに、ぼくのまなざしがあり、ぼくを通して見えている世界がある。

まなざしには心が伴う

世に一石投じた唐紙が、ぐるぐると、日々、いろんな波紋を呼んでいる。
混沌はチカラに満ちている。

そして
誰かが気づこうが気づかまいが
想像した以上に
世界は動きはじめているのだ

遠くを見ることのできない環境が、深く遠くみつめて何が大切かを選択する力を失わせている。
喧噪や見せかけの事柄や惑わす人たちに振り回されぬよう…
足下は大事だけど、前を向かねば進まない。

行く先の知らぬ者に、追い風は吹かない。


9月18日
トト

唐長サルヤマサロン発刊 季刊誌KIRA KARACHO vol.4執筆中

2009-09-12 07:19:52 | 読書


深く微妙な案配のきれいな緑の唐紙ができました。
延々と感じるこの広がりに草木の生命のチカラを感じる丁字唐草は、ぼくの大好きな文様のひとつです。



現在、唐長サルヤマサロン 季刊誌KIRA KARACHO vol.4執筆中です。
9月末頃には、お届けしたいと思っています。

今回は、11人の寄稿文、あります。

昨年暮れに発表した「星に願いを」。
その中で試みた手法を用いて4月から4ヶ月間、唐長サルヤマサロンで企画開催した展覧会。
連続する4作に、それぞれ意味と物語を表現した唐紙。

それらを体感した方々ならではの、ことばを頂戴いたしました。

こころあることばには、言霊が宿り、世界の果てまで、広がりゆくのです。





9月12日
トト

唐長より解き放たれた96匹の龍たち

2009-09-07 08:05:44 | 思い


昨日は、静かに唐紙に向き合いたかったので、ひとり午後から工房へ。
Sさんも同じことを考え、工房へ来ていた。
1階と2階で、お互いそれぞれ黙々と唐紙に向き合う。
途中、Jさんもやってきて、珈琲とチョコレートがでてきて、驚き…

Sさん、Jさんの空気も加わった色違いの龍をそれぞれ24枚ずつ。

群青に金…茶にブルーキラ
神聖なチカラあるこの丸龍の文様に命を吹き込むがごとく、板木から一枚一枚、魂を写し取る。
スムーズに手が動き出すと、写し取る手の動きがある一連の動きをしていることに気付く…
透明に…透明に…
まさに、唐紙の通り道だ。

これを仕立てて完成したときには、96匹の龍が解き放たれることとなる。
広くたくさんの方々の眼に触れる場へ、おさめられます。

この龍たちに世界平和の祈りをこめて





9月7日
トト

唐長の唐紙を通じて京都や日本や地球に何ができるか

2009-09-04 12:51:03 | 読書


今、積んである本。
読みかけのものやこれから読むもの…

・ 地球のささやき(龍村仁)
・ 魂の旅 地球交響曲第三番(龍村仁)
・ 神仏たちの秘密(松岡正剛)
・ 現代アートの舞台裏(サラ・ソーントン)
・ 美しいこと(赤木明登)
・ 多読術(松岡正剛)
・ 3年に一度は勝利の方程式を変える(寺田和正)
・ その絵、いくら?(小山登美夫)
・ イッセイミヤケのルール(川島蓉子)
・ 芸術の神様が降りてくる瞬間(茂木健一郎)
・ みえないかたち(吉岡徳仁)
・ 未来に残したい仕事(ジョー横溝)
・ YAYOI KUSAMA I LIKE MYSELF(草間弥生)
・ 永遠の花(蜷川実花)
・ ロスコ(ヤコブ・バール=テシューヴァ)
・ 佐藤可士和×トップランナー31人
・ 第三の眼(港千尋)
・ ロスコ芸術家のリアリティ(マーク・ロスコ)
・ ひらめきの導火線(茂木健一郎)
・ 日本の美意識(宮元健次)
・ 美しき日本の残像(アレックス・カー)
・ 空海の夢(松岡正剛)
・ NARASIA 日本と東アジアの潮流(松岡正剛)
・ ブレイクの「瞬間」
・ 英国オックスフォードで学ぶということ(小川百合)
・ 破天(山際素男)

知的好奇心は尽き果てることなく、学べば学ぶほどに世界の広さと、己の足るを知る。
読めば読むほど、読みたいものが増えてゆく…
外へ外へ4ヶ月間たくさん放出したので、内へ内へ。

知恵もエネルギーも循環し、ぼくを通り道にして、感性となって唐紙に表れるのだ。

感性というものは、教わることでもなく教えることでもない。
その人が生きてきた積み重ねの感覚と経験値だから、どんな分野であれ、なんであれ、変換する能力があれば、いろんなところで発揮できる自由なチカラなんだと思うし、それはある意味100にも1000にもなる。

1+1が2ではない、世界への突破力を持つのは感性に他ならない。

こないだの選挙では、経済や社会保障、外交政策のことばかりが耳にはいってくる…
と、いうかどの政治家もそういうことばかり言っているようにも思える。
もちろん、大切なことだが、
美を通して、世界平和を考えるぼくとしては、もっと積極的に日本文化を矜持にした国づくりを語る人がいてもいいんじゃいのかなと思うのだ。
日本人が日本人として自信と誇りを持つには、経済だろうか?
文化による富国。
世界に誇るべき日本のあるべき姿として、文化政策はあまり聞こえてこない。
日本文化にこそ、日本の再生のチカラや世界に貢献するチカラがあるのではと思うのだが…
それは宗教問題にしてもそうであり、自然崇拝、多神教ならでは思想は世界平和の大きな鍵だし、あらゆる事柄を包括し、より良く生かすこころの豊かさが、これからの共生というテーマや未来の地球への指針になるのだと思うのだが…

ぼくは、唐長の唐紙を通じて京都や日本、地球に何ができるか。





9月4日
トト