トトアキヒコと千田愛子が手がける唐長サルヤマサロンで発表した唐紙が、世界的な古代美術の指折りのコレクションを誇る日本有数の美術館オーナーのコレクションに加えられた日であり、生涯忘れ得ない記憶となることでしょう。
ぼくたちにとっても価値ある1日でしたが、唐長にとっても大きな大きな意味を持つ日であります。
しかし、何年かして振り返ったとき、この日の本当の価値は内外ともに理解されるのだと思っています。
コレクションされた唐紙は、7月に開催した唐長サルヤマサロン企画展vol.9 「Inochi」展で発表した「Inochi」です。
唐紙の美術的価値に光をあてる。
昨年暮れに、ぼくはそう心に決めました。
江戸時代の唐紙は海外の美術館にもコレクションされていますが、今の唐紙が建築や内装ではなく、タイトルのついた作品として収まるということに意味をもたせようとしたのです。
現代の美でもある唐紙を、今生きているぼくたちが生み出すものとして、美術館にコレクションされるというような流れのなかで、世界へ突き抜けたいと思いやってきた矢先での今回のできごとでした。
「いろんな葛藤のなかで、生み出してきたこの唐紙にYESと言ってくださったことは、ぼくたちにとって大きな喜びであり、背中をおしていただきました。」
「私は、本当に気に入ったものしか好きといいません、まだまだ続けていただかないと…これで、ずっと残りますね、お子さんやお孫さんたちの代にも見ていただけますね…」
弥勒さんのような微笑みに、ぼくは大きな飛躍のチカラを与えていただきました。
唐長は地球の大切な宝として、次世代にも何百年後にも伝えてゆくべきですし、そうしなければなりません。
つづけることのその先に目標である唐長美術館もあるのです。
9月30日
トト