未来の少女 キラシャの恋の物語

みなさんはどんな未来を創造しますか?

第17章 未知の世界へ ⑤

2021-04-16 16:57:39 | 未来記

2011-10-12

5.懐かしい光景

 

地下の駐車場で車を止めると、パールの民族の人達が待っていたようだ。

 

キラシャの一行は、オパールおばさんを車椅子に乗せると、集まった人達にご挨拶をして、預かっていた贈り物を渡した。

 

カール青年の知り合いが、荷物なども予約してあるホテルへ運んでくれるらしい。

 

そこからは、目的地に向かって、歩いて行くことになった。

 

街の中へと進んで行くと、思いもよらない光景が広がっていた。

 

そこは、MFiエリアの子供達にとっても、どちらかというと、懐かしい風景だ。

 

デビッドおじさんが子供達を振り返り、「この風景に見覚えがあるかな?」と声をかけた。

 

ケンが、「オレ達の少し前のドームと同じジャン! スッゲー! 」と叫んだ。

 

デビッドおじさんは、オパールおばさんに向かってこう言った。

 

「このドームができたのは、あなたのお姉さんにも関係があるんですよ。

 

あなたと同様、とても美しい彼女には、多くのファンがいた。

 

あなたのお姉さんが、あることをきっかけに、非常につらい選択をした。

 

悩む彼女を何とか助けたいと、当時のMFiエリアの建築士達が立ち上がったのです。

 

まぁ、くわしいことは、いずれ彼女からお話があるでしょう。

 

これから、パールの家族に会いに行きます。間に合うといいのだが…」

 

その言葉を聞いたパールが、急に顔を曇らせたので、キラシャはそっとパールの手を握った。

 

『大丈夫だよ。あたし達がついてるからね・・・』

 

みな、複雑な思いで、大勢の人達が行き交う、にぎやかな通りへと入って行った。


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