安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

思いを言葉に

2014年11月14日 | 月刊ブログ
 一気に寒さが押し寄せてきました。空の青さはますます深くなり、学校近くの公園の木々は少しずつ色づいてきています。
 佐世保の学校では、公務員試験の最終合格がそろそろ発表されるころになりました。
 後期授業の始まりとともに、学生たちの声が戻ってきました。
 後期の授業は、ゆっくりじっくりと、卒業年次生は社会人になるためのビジネスの基本知識や検定の取得を、1年生は来年の試験に向けての知識習得、演習に励んでいます。
 自分の希望のところに就職できるように、まだまだ休むことはできません。

 先日、27年度の入試が行われました。来年度から、佐世保校でもデュアルシステム科が新設されます。その入試も同時に行われました。
 その一人、Aさんはブライダルプランナーコースを希望しています。入室の立ち居振る舞いからとてもいい印象。程よい笑顔とはきはきした応対。座った時の手の組み方や姿勢もばっちりです。志望の動機、自己PR、趣味と特技、自分の夢・・・どんな質問にもはきはきと明快に答えていきます。育った環境や家族との関わり合いが見えてきました。明るい笑顔と、素直で優しい人柄に触れて、心が温まりました。

 例えば、今の時期に、梨が大好きな子供のために、お母さんが夕食後梨をむいて出してくれました。「あなたが梨を大好きだから買っておいたわよ。食べて。」と言って出すか、思いは同じですが、黙って食卓に梨を出すか。前者は、「わあ、ありがとう!」というリアクション、後者は、これもまた感謝をしながらも、黙って食べる。会話がほとんどないですね。どちらもその家族のカタチがここで見られます。この二つの家庭の中で育ったそれぞれの子供たちは、成長した時に表現力が随分違うことと思います。

 家族は、一番小さな社会の単位だと言われます。いずれ大きな社会の中で集団生活をしなければならない子供にとっては、最初の社会性を構築できる場所が家庭なのです。暖かな家庭は子供たちを優しく育んでいきます。その中で家族間での小さなルールを守るようになり、また親子兄弟、祖父母と一緒に食卓を囲み、お互いのことを思い、分け合うという思いやりを学ぶことになります。親は、子供が小さいときには、一人の人として自立できるように善悪について、また快、不快について、生活の中で躾けていかなければなりません。特に幼少期には、身体への危険から身を守ることを、時には叩いてでも教え込む必要があります。そうやって、一つの人格が形成され、実際の社会へ出ていくことになります。
 私自身の子供たちのことを思うと、完璧に子育てができたとは、到底思えません。しかし、一長一短があったとしても、少なくとも家族を思いやる優しさだけは、身に着けてくれたようです。
 家族間で今注目のアプリケーションソフトを使って、離れて暮らす3人の子供たちと、同時にメールをしたり情報を交換したりして心を通わせることができています。グループ名は、『team 安藤』。それぞれ場所も時間も違った生活スタイルの中で、ちょっとだけ、一緒に暮らした当時の大変だけどにぎやかだった時間に、タイムスリップする感じです。
 大人になった子供たちは、年を重ねていく私たち夫婦の体のことを心配して労りの言葉をかけてくれるようになりました。今までは「風邪ひかないようにね。」とこちらがかけていた言葉を、メールや電話の中で、「お父さんも、お母さんも」とさりげなく言ってくれています。親としては、自分たちと同じ高さまで子供たちが届いていることを感じて、うれしく思うと同時に、誇らしい気持ちになりました。子供たちが、それぞれの集団や社会でどのような働き方をしているかわかりませんが、少なくとも人としての優しさは、具えてくれているのではないかと思っています。
 
 私の周りには、家族をはじめ、毎日接する学生たち、一緒に働く職員、この学校に関係するたくさんの方々がいます。
 皆が、うれしい気持ち、優しく相手を思いやる気持ちを表現できれば、そして声掛けができれば、この集団は、素晴らしく効果的に活動することができるでしょう。そしてここに出入りする人にも幸せを分けてあげられるとことと思います。
 心地よい言葉に乗せて、暖かい思いも相手に届けていけたらいいですね。
 昨日今日、寒くなると、暖かいこたつに入りたくなります。
 人って不思議です。心寂しい時には、優しい言葉一つで、ぽかぽかと暖かくなるのですから。
 
 今月の写真は、モカ色のバラです。派手さが抑えられてビターな感じがその品格を引き立たせています。じんわりと暖かさが伝わるこんな色もプレゼントにいいですね。

 Photo by mizutani

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