安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

私の居場所

2014年12月11日 | 月刊ブログ
 一気に冬が訪れました。間もなく、あの凍えるような日々が来るのかと思うだけで歯がガチガチと音を立てます。
 町にはクリスマス用のイルミネーションが点灯され、にぎやかに年の瀬を迎える準備ができました。学校でも、恒例のお楽しみ会の準備が進められています。
 
 私たちの佐世保校では、来年から、より地域に密着した学校でありたいと、市町村の行事に参加したり、ボランティア活動を行ったりと、いくつかのプランを考えています。これまでの狭い領域でしか生活してこなかった学生たちに、いろんな体験をしてもらうことで、広い視野と、なんでも受け入れることのできる受容力を養ってもらえたらと思います。
 
 まずは、思い切って始めることが大切なので、来年1月に開催される「小柳賞佐世保シティロードレース」に出場したらどうかと提案をし、また、学生たちにも呼びかけをしました。今年も元気のいい学生が多く、7名が出場の名乗りを上げてくれました。出場費用は学校と学生会から援助をすることになりました。お弁当は、私たち教員が応援団の分も分担して持ち寄ることにしました。
 成人の日の前日に行われるこのロードレースには、毎年、佐世保市内のスポーツをしている小中高校生や大学生がたくさん参加をします。また、市の行事として地域の方も男女、年齢を問わず参加する大きな競技会になります。おそろいのTシャツで出場する学生たちも、いつもお世話になっているこの地域の一員として、ロードレースをきっと盛り上げてくれることと思います。
 
 そして、もう一つ、ボランティア活動にも力を入れたいと思っています。佐世保校に入学してくる学生は公務員を目指しています。公の仕事に就いて地域の人のために働くことになるのですから、奉仕の精神を、日常の中でも養っていきたいと思います。
 先日お訪ねした「長崎県警少年サポートセンター」の方のアドバイスにより、学校内にボランティアの団体を作ることにしました。地域の行事のお手伝いや、警察の方々と一緒に少年たちへの立ち直りボランティアに参加をするためと、学生たちのモチベーションアップが目的です。
 今までも学校では地域の清掃活動などを行ってきました。しかし、「長崎県警少年サポートセンター」の方は、「特に若い学生たちには、ボランティア活動を通して、感謝される喜びを、ぜひ感じてほしいですね。」と言われていました。自分がやったことが誰かに感謝されるという実感を持ってもらえれば、大きな自信にもつながることと思います。誰かのために時間を費やすことでそんな自分自身を承認していくことができていくのではないでしょうか。
 
 そんな折、とてもうれしいことがありました。
 それは、高卒認定講座の初年度受講生のA子さんが、国家公務員として就職が決まったことです。
 高卒認定試験対策講座を始めたのは、地元の若い人たちに、先へ進む一歩を踏み出してもらいたいという思いから、提案をしたことからでした。3年前の4月開講でした。
 初年度に通ってきてくれたA子さんは、4月から半年で、見事高卒認定の資格を取得し、その年の大学入試にも合格をしました。しかし、A子さんは、公務員を目指したいと、進路変更をして、この学校の2年コースに入学しました。彼女は、それまでの足踏みを取り戻すかのようにひたすらに勉強し、2年生になると成績もトップクラスで安定し、友達と笑顔で楽しそうに語り合っていました。少しずつ自信を付けていったようでした。
 そして、先日、「さっき、○○省から内定の連絡が来ました。ぜひきてくださいと言われました!」と彼女から電話が入ったのです。彼女は電話口で泣いていました。
夢が叶うまでに3年かかりました。彼女には、目の前の目標を着実に達成し次の目標へ進んでいくという、計画性と粘り強さがありました。地道な努力を重ねていったのだと思います。もちろん家族の支えなしには、今日の彼女はなかったと思います。3次面接の省庁では、「このままでは終われない。」と思ったから、高卒認定を取り公務員を目指しました、と述べてきたそうです。彼女のひたむきさや芯の強さが評価されたのだと思います。
 そんなこれまでのことを思い巡らして、本当によかったと、電話口で私も感無量でした。
 
 「長崎県警少年サポートセンター」の方は、「居場所」という言葉を使われました。人は誰でも自分の「居場所」がないと安定した生活が送れません。青少年の多感な時期はなおさらです。いつもどこかの集団に属してきた子供が、急に居場所がなくなると不安定になり、犯罪に巻き込まれたり自分の道を見つけられないまま時間だけを費やしてしまうこともあります。
 毎日、行くところがある、話す相手がいる、やることがある、そんな「居場所」を提供することも、この学校の存立意義だと、あらためて感じています。この学校がみんなの居場所になれると、最高です。

 Photo by mizutani

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