安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

そろばんとオリンピック

2021年06月25日 | 月刊ブログ

 今月は、久しぶりに長崎県北の三つの高校から公務員ガイダンスの依頼を受け、車で出かけました。新緑がいつの間にか深緑の木々に替わっていました。

 片道約2時間のドライブは、好きな音楽を聴きながら、リフレッシュできる時間になります。

この道を何度通ったことだろう、と始めて一人で運転して訪問したことを思い出しました。海を渡り山を越え、県道を進んでも進んでも同じ景色が続き、道を間違えたかもしれないと、不安になったこともありました。訪問する高校のある場所だけが拓けていて、2階の教室は、窓を開けると涼しいそよ風が入ってきました。クーラーは必要ありません。

「いいところだねえ」と休憩の時間にその高校生と話をしました。高校生ははっきりとした声で「はい!」と答えてくれました。

 

 さて、本校では、大卒程度のいくつかの1次試験の結果が発表され、2次試験対策に本腰を入れて取り組んでいます。高卒程度のクラスでは、自己分析シートの作成や、毎月実施している面接スタンプラリーの期限が迫っていることから、学生たちからは面接練習の依頼が殺到しています。

 

 今月は、長所・短所と、趣味・特技が課題です。どの学生もちゃんと準備して練習に臨んでいますが、第一印象となる入退出もしっかり練習しなければなりません。

 特技を尋ねると、「そろばん」と答える人が何人かいて、少し驚いてしまいました。デジタル社会の中、若い世代でもそろばんを習ったことがある人が意外に多かったからです。そして、そろばんをやってきたことで、適性試験のようなスピードと正確さを必要とする試験におおいに役立っていると言っていました。

 また、書道が特技だという人も少なからずいて、昔から「読み書きそろばん」といった、人が社会に出て働くときに必要とされているものは、現在も変わっていないことを改めて感じました。先見の目を持ち、子供たちにそろばんを勧めたお父さんお母さんに、本当に敬服します。

 

 江戸時代、日本は世界で最も高い識字率で5割程度もあり、明治以降の高度成長の大きな原動力になったと言われています。そこには、江戸の庶民までが必要とされた「読み書きそろばん」という寺子屋での初等教育があり、農民や町民であっても、字の読み書き、計算が必要とされたのです。
 本来の意味は、「読む」とは、相手の伝えたいことを正確に読み取ること。「書く」とは、自分の伝えたいことを正確に表現すること。「そろばん」とは、数字をきちんと把握し、正確な答えを出すことだそうです。

 現代では、この「読み書きそろばん」に替わり「英語、プレゼン、コンピュータ」が社会人としてできて当たり前の基礎能力となっているそうです。さらに、小学校から導入されるプログラミングも加えなければなりません。大変です!

 

 いよいよ東京オリンピックまでひと月となりました。連日、コロナ関連のニュースに押され、オリンピック招致が決定した時の日本国民一同のあの歓喜は、いつの間にか薄れてしまいました。それは、コロナ禍での開催となると、様々な面での配慮、対策が必要になってくることは当然のことで仕方のないことです。また、不安や恐怖も拭えません。

 しかし、これまで5年の間、準備してきた関係者、代表をかけて技を磨き上げたアスリートたちが、開催を望むことを私たちは非難することはできません。日本のこの素晴らしい文化や伝統、技術、人の優しさを、世界の人に見てもらいたいと、私は、思います。

 近代オリンピックの父と言われる クーベルタン男爵の唱えた「オリンピズム」は、運動ができて、強い心を持っていて、しかもすばらしい知性のある人を目指すということです。技が優れているだけでなく、自分を信じる強い心を持つことでアスリートたちは栄光にかがやくことができるのです。また、平和でよりよい世界の実現に貢献することが挙げられています。

 世界中の人々が一体となって、アスリートたちを支え、この東京オリンピックを楽しみ、そしてこのオリンピックを成功させることが、コロナに打ち勝つことになるのではないかと思います

 

 今月の花は、雨に濡れた赤いバラです。たくさんのつぼみを付けて花も小ぶりで清楚な感じがしますね。

 

Photo by Mizutani


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