安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

できたことノート

2021年10月25日 | 月刊ブログ

 10月半ば、週をまたいで夏が終わり、一気に秋になりました。日中の気温は前日と10度もの差があります。これは正常なのかなと、不安と共に驚いてしまいました。

 今朝、コスモスを活けたガラスの花瓶を持った高齢の女性と、出勤前のエレベータで会いました。おはようございます、と挨拶を交わした後、私は「きれいですね。」と思わず言葉が出てきました。大輪で花びらがしっかりした元気のいいコスモスでした。「もう咲いているんですね。」と話しかけると、「昨日、展海峰に行ってきたけど、こっちの方が立派。せっかくだから皆さんにも見てもらいと思って」と、エントランスに飾るのだと花を愛でるように言われていました。「行ってらっしゃい。」という言葉を背に、心地よい会話に、晴れやかに出勤することができました。

 

 時間は容赦なく過ぎていきます。1日、1週間、1カ月、ゴールまでは、いつもカウントダウンです。

 学生たちは、順調に1次試験に合格し、今は2次試験が順次行われています。このところ毎日、面接の練習をしています。本校学生だけでなく、夜間講座生や夏期講座生からも面接練習の予約が殺到して、専門官を始め各教員も手帳がぎっしりと埋まっていっています。

 せっかく勝ち取ったこのチャンスを最終内定まで繋げていかなければなりません。一人ひとりの学生に、これまでたどってきたことを思い出させながら、面接カードに記載するための内容を検討していきます。それはとても時間がかかる作業で、途中で妥協したり、始めから諦めたりする人も中にはいます。そんな彼らをも引っ張って、学生たちのこれからの長い人生のために、私たちは、学生たちを励ましアドバイスを行い、面接当日までこぎつけます。ここがゴールではないけれど、ひとまず内定までが目標です。

 

 学生の中には、自分に自信を失ったり、努力してもなかなか結果に結びつかなかったりする人もいます。周りが励ましても心に響いていないようなのです。私は、そんな時は、「できたことノート」を作ったらどうだろうかと思うのです。

 どこかでこの言葉を聞いて、手帳にメモしていたのですが、ネットで検索してみると、2016年に書籍『1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』(永谷 研一著)として発売されていることが分かりました。

 一日5分かけて「できたこと」を発見し、さらに週一回、10分かけて達成の理由や感情などを問い直します。このことが、自己肯定感を高め、優れた内省を可能にし、学生自らが主体的な学習、行動変容できるようになっているそうです。このことが長崎大学などでも正式単位として授業が行われていることを知りました。一見、とてもシンプルな振り返りのようですが、実は行動科学や認知科学に深く裏付けされた「行動変容のメソッド」が隠されているのだそうです。

 いつも私なんてと思ってしまい諦めてしまいがちですが、本当はまだ気づいていない、「ありたい姿」を発見することができ、自信を身につける自分の可能性をたぐり寄せる道具になるというのです。

 毎日できたことを見つめることで、自分を好きになることができそうです。

 学生たちには、面接練習のあとの振り返りの時に、今日は元気があったね、入退室良かったよ、などと必ず褒めることを忘れないようにしています。「できたことノート」に書いてくれるといいなと思います。

 

 今日の私の「できたこと」は、朝からあいさつ以外のことを他人に話しかけることができたことです。プライベートでは、引っ込み思案の私が、コスモスのおかげで、いつもより勇気が出たのかもしれません。頑張らなくても自然に会話ができるという自分のありたい姿をイメージしながら、それができた今日の自分に満足を覚えています。

 

 今月の写真は、「はなかたばみ」、学名はオキザリス・ボーウィーといいます。日当たりがよい場所を好み、曇っていたり日陰になったりすると花を閉じるそうです。ハナカタバミの花言葉は輝く心。決してあなたを捨てないという言葉もあります。道端や庭の隅に可愛らしく咲いています。

 

Photo by Mizutani


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