安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

微力ながら

2020年11月24日 | 月刊ブログ

 秋の深まりとともに、テレビの画面越しの紅葉の美しさにため息がこぼれてきます。

 GoToトラベルでどこかに行きたいと思っても、感染の不安がぬぐい切れず、なかなか体が動きません。

それでも、世間では人が集まりだし、結果的に第3波が押し寄せることになりました。

 私の担当の広報の仕事も、いよいよ募集期間となり動かざるをえません。アポを取りながら、1校ずつ訪問をします。それぞれの学校では独自の感染予防対策がなされていますが、時期的にも就職・進学の対応で大忙しの様子です。

 一生の進路を決める大事な時期です。コロナ禍でも停滞はできないのです。社用車の駐車場までの行き帰り、キンモクセイの香りが、実時間を感じさせてくれています。

 

 現在、学校では、ボランティア活動の一環として、「フードドライブ」を行っています。消費者庁が定めた「食品ロス削減の日」に合わせて、佐世保市は、各家庭で余った食料品や飲料品などを持ち寄るという「フードドライブ」を始めましたが、それに合わせて本校でも、学生たちの「やってみよう!」という一言で、取り組むことになりました。学生たちがチラシを作ったり、学生や職員に呼びかけたりして、集まった食料品を「子ども食堂」に寄付するというものです。

 

 近年問題になっている「食品ロス」は、本来食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことです。日本では平成28年度に、まだ食べられるのに捨てられている食品が、事業者から約352万トン、家庭から約291万トン、計約643万トン発生したと推計されています。

 数字ではなかなかイメージが掴めませんが、国民一人あたり毎日お茶碗1杯分の食べ物を捨てている計算になるそうです。家計にも大きなロスとなっているのに気づいていません。

 

 一方、厚生労働省によれば、日本では7人に一人の子どもが貧困状態にあり、食べ盛りなのに十分な食事も与えられない実態もあります。そのような子供の支援をする「子ども食堂」もまた地域で活動を始めています。

 育児放棄や家庭の経済的な問題で朝食を食べられずに登校する子どもたちが佐世保市にも存在しているという事実に、都会だけではなく身近であることにショックを受け、それならば自分が食べさせてあげようと立ち上げた方もいらっしゃいます。

 そのほとんどをボランティアで運営されている「子ども食堂」は、子どもが一人で安心して来られる場所であり、“ほっ”とできるみんなの居場所となっています。食事を提供するだけでなく、子どもたち同士で、または、地域のさまざまな大人たちと触れ合うことができる交流の場として、まちづくりの拠点となって全国に広がっているといいます。

 

 微力ながら、すべての人の幸せのために働く「公務員」を目指すこの学校で、「食品ロス」という社会問題を認識しながら、地域の役に立ちたいという「フードドライブ」の活動が、貧困や孤独に苦しむ子供たちの居場所「子ども食堂」を支援することに繋がり、社会の様々な面に目を向けることになったのではないかと思います。これから公務員として現場で働くとき、地域を取り巻く様々な環境に目を向け、視野を広げて、任された仕事に生かしていってもらえたら、と思いました。

 

 先日は、日ごろから行っている、ペットボトルキャップの回収のボランティアで集まったキャップをまとめて、イオンに持っていきました。20kg集めて、5人分のポリオワクチンが提供されることになりました。わずかなことですが、この小さな行いが、発展途上国の子供たちの命を救うことになるのです。

 

 試験を終えた学生たちは、これから社会に出て必要なマナーや文書の書き方、現場で求められるパソコンスキルなどを学んでいきます。微力ながら私たち職員も、公務員として即戦力で活躍できるための最後の授業に専念することになります。

 

 今月の写真は「せんりょう(千両)」です。「まんりょう(万両)」とともに、小さな丸い実をたわわに実らせる姿をお金がたくさんたまった様子に例えたもので、風水でもこの赤い実は幸運のシンボルとされ、物事が「実を結ぶ」縁起物と考えられています。お正月の装飾に重宝されるなど、よく知られた植物です。この赤い実があることで華やかになり、厳かにもなる、年末年始の重要な役どころでもあります。

 

 今年もあとひと月あまり。一年の終わりが近いことを感じる今日この頃です。

 

Photo by mizutani


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