安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

卒業

2022年03月01日 | 月刊ブログ

 今日は、久しぶりの雨です。県内では公立高校の卒業式が行われています。寒さも少し和らぎ、春の訪れを感じています。

 

 この「きらめき」は、2005年に本校ホームページの1コーナーとしてブログを乗せることになり、私が担当となりました。

 それから17年もの長きにわたり、毎月書かせていただきました。卒業生や知人などをはじめ毎月読んでくださる方もいらっしゃるようで、ほそぼそと投稿しているこのブログを1日に100人余りの方が読んでくださった日もあり、感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。載せている写真は、本校副理事長の水谷が、毎月季節の一枚を寄せてくれました。この写真を楽しみにしてくれている方もいて、花の名前が分からず、花の名前を書かなかったときには問い合わせがあったほどでした。つたない私の文章に毎回いろどりが添えられてきました。

 

 この3月で専門学校させぼ公務員オブビジネスは閉校となります。したがって連載してきたこのブログも今月で最後となりました。

 投稿3年目の2008年に、学校訪問のツールとして、それまでのブログを集めた冊子が出来上がりました。自分が書いたものを、他人に差し上げるのはちょっとおこがましく、恥ずかしい気持ちでしたが、訪問した高校の先生や、その当時資料請求をしてくれた方にはパンフレットに同封をしていました。

 いつだったかは、保護者の方から、投稿したブログのコメントに、公務員として就職が決まった喜びを寄せてくださったことがあり、学校の教員としてだけではなく、子育ての先輩として、少しお役に立てたのかなと、感激したことを覚えています。

 また、やむを得ず退学した学生から、ブログにコメントが届いたこともあり、繋がっていることを実感しました。

 

 出来上がった冊子の「はじめに」のあいさつでは、「十年の計」ということを書きました。

 娘が短期大学を卒業するときに、大学の場所に因んで、梅の苗が1本ずつ贈られました。

 中国の春秋時代の管子の言葉に「十年の計」という言葉があります。樹が実を付けるまでにかかる歳月をたとえて、人も一人前になるまでには十年の歳月がかかるということです。社会へ巣立つ学生たちに、1本の苗木を大切に育てて、自分自身も一人前に成長するように、という願いが込められているのだと思いました。

 

 その苗木は、実家の父が植木鉢で根を付けて、しばらくして庭に移し替えてくれました。

 次の年白い花を付け、そしてたくさんの実を付けるようになりました。私は、記念にその大きく実った梅を摘んで梅酒を漬けました。その娘も勤続14年の春を迎えます。一人前に成長したかどうかはわかりませんが、じっくりとその仕事に根っこを伸ばして、後輩の指導にも当たっているようです。

 

 あと数日で、最後の卒業生を送り出すことになります。例年の祝賀会や、閉校にあたっての特別なセレモニーもこのコロナ禍では難しく、閉校の知らせを受けた歴代の卒業生もとても残念がっていました。

 最後の第34回の卒業式は、いつものように厳粛に執り行っていきます。卒業生一人一人が、置かれた場所で少しずつでもいいので、前よりも成長したと感じられる人生を歩んでほしいと思います。そして、新しい何かを発見したり、感動したり、ありがとうの言葉をもらったりして、それぞれの人生の中で、「きらめき」を感じながら最善の道を歩んでほしいと思います。時々は、この学校で送った日々を思い出してくれたらうれしいなと思います。

 

 今月の写真はクリスマスローズです。冬枯れの庭にひときわ明るい花を咲かせてくれます。寒い風に耐えるよう下向きに花を咲かせる姿が健気でかわいらしいですね。『追憶』『慰め』『私を忘れないで』など、ちょっとセンチメンタルな気持ちにさせる花言葉がつけられています。

 中世のヨーロッパで騎士が戦場に行くとき、自分のことを忘れないでほしいという願いをこめて恋人にクリスマスローズを贈っていたことに由来しているそうです。

 

 この純真な花を、大切な、卒業する学生とこの学校を巣立っていったたくさんの卒業生へ、「前途洋々」の言葉を添えて贈ります。

 

 そして、私たちも、卒業です。

 

 Photo by Mizutani


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