安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

同じ匂い

2010年07月05日 | 月刊ブログ
 湿り気の多いだるい毎日に輪をかけるように、連日のワールドカップの観戦で、寝不足の毎日が続いています。
 日本中、いえ世界中にいる、にわかサッカーファンも、世の中の煩わしいことに背を向けるように、ひたすら自国チームを応援したにちがいありません。思わず自分がプレーしているかのように、足が動いたり、手が動いたりするのは、その場面にどっぷりと入り込んでいるからなのでしょう。そんな家族の姿を見て、笑い転げるのも、一つの観戦の仕方なのかもと思ってしまいます。

 今月の写真は、ホタルブクロです。田植えの頃、山際に咲いているのをよく見かけます。清水を求めて生息する蛍が、この袋の中に入って光ると、提灯のようにほんのりとした灯りが、きっとすごく美しいのだろうと思います。

 昨年までのカウンセリング講座でご一緒したお二人の女性と、講座が終了して1年が経つ今でも、時々お会いして食事をしたりおしゃべりをしたりしています。
 お二人とは、カウンセリング演習のロールプレイングの時にたまたま同じグループになった方で、講座が終了するとき、このままお別れするのは残念ですよね、と3人ほぼ同時に声をかけ合って、2ヵ月に一度のペースで、今でも会っておしゃべりしているのです。
 先日も、2ヵ月ぶりにお会いすると、いつもと変わりなく心が落ち着いてゆったりとした空間の中でお互いの近況などお話ししました。時には、身近な人にも話せないようなことも、なんの抵抗もなく相談したり、グチを言ったりできるのです。私たち3人は年齢もそれぞれ随分離れていて、現在の環境も過ごしてきた境遇も全く違うのに、なぜだかお互いに惹かれ合うものがあります。
 そのグループを組むときに、講師の方が、自分と似ている人と組んでくださいと言われて、周りを見回してお互いに目が合ったのがお二人だったのです。
 どんなところが似ているのか分かりませんが、一つだけ言えることは、お互いの日々の気づきについて強い興味と共感を抱いているということです。同じにおいがするのかもしれません。
 お一人は、現在中学校の「心の教室」で、自称「おばちゃん」として何でも話せる、いつでもそばにいたい、そんな存在で周りの人たちの拠り所になっていらっしゃいます。
 ご自分では、「何にもできないし、何にもしていないのよ」、とおっしゃいますが、心が不安定になったときに、その方の柔らかな物腰ややさしい声で「ここにいていいのよ」と声をかけてもらえた人たちは、きっとすごくほっとするだろうと思います。
 前面には決して出ないけれど、それとなく差し出すあのモナリザのようなふくよかな手は、心傷めた子供たちにとってなんと温かなんでしょう。
 子供たちばかりでなく、時にはその子供のお母さんや、または、毎日心を砕いて子供と向き合っている先生も、「おばちゃん」の声を聞きに来ます。
 先日のおしゃべりの中で、教室の廊下に毎月一言書いて貼っているんだけど、文字だけじゃおもしろくないので、何か季節の絵でも描きたいけどトンと絵心がなくて・・・とおっしゃると、もう一方の以前幼稚園の先生をしていた女性が、割り箸の袋で、ササッと紫陽花の花びらを作ってくれました。見ていた私たち二人はすご~いと驚くばかり。
 私が、悩みを相談すると、お二人の先輩は、それぞれ的を射たアドバイスをしてくださいました。
 時には読んだ本やテレビの番組の紹介もしてもらいます。 
 次回までに私は、紹介してもらった、三浦しをんの『神去なあなあ日常』を読んで、感想を聞いてもらいたいなと思っています。

 外に出ると、雨はすっかり上がっていました。別れ際に、次の約束をして、まるでたまにしか会えない恋人同士のようにいつまでも後ろ姿を見送っていました。

photo by mizutani


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