木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

『俺はレッド・ダイアモンド』

2013-03-19 01:58:05 | 日記


「俺はレッド・ダイアモンド」マーク・ショア

最近、活躍目覚しい世直し系、なりきりヒーロー系…
『キック・アス』(サイコー)とか『スーパー!』(イマイチ)とか『ゴッド・ブレス・アメリカ』(観てない)とか。
の元祖?
なのかどうかは知らんが、
タイトルと表紙の突っ込みドコ満載さに惹かれ購入。

妻には愛想をつかされ、息子は優等生過ぎて遠い存在、娘は自由気まま。
誰にも必要とされない、冴えないタクシードライバー、サイモン。
人生の喜びは、ハードボイルドを読むこと。
ところが、大切にしていたパルプ・マガジン・コレクションを妻が勝手に売却。
サイモンの中で何かが崩れ始める…

ショックが重なり、ついに自らを憧れのタフガイ・ヒーローだと錯覚。
自分を私立探偵だと信じて疑わない彼は、ハードなボイル度数で行動しだす。

そりゃ、コメディだろうーと読み出すも。
作者の鮮やかなお手並みでいつの間にやら、ホントにハードボイルドに。
犯罪に巻き込まれ、切り抜け、死体の山を残すという…大変問題のある生きざまぶり。
頼まれても無いのに、女性を助けに駆けつける騎士ぶり。
モテモテ・ヒーローの自信が奇跡をよび、マジでモテるようになる男ぶり。

サイモンの生活を知ってる分、厳しい眼差しで主人公を見る必要もなし。
要求が高くなりようがない設定の勝利か?
その割には、アクション満載、いかがわしさも充分。
仕舞いにゃ事件が、向こうからやってくる始末。

オチは~?
どないするつもり?と心配するも。
あっけらかんとした、厚かましさ。

なりきって生き抜く、という1つの方法。
病まず、疎まず、途絶えず。
なりきり療法の勧め。
これも、有りかもな~。

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