昨日、埼玉で立てこもり事件があった。
容疑者が８０代という報に驚いていたら、確保されて確定したら８６歳との報にますますに驚いた。
自分の母親と同じ年じゃないか。
私の母は、自宅での生活全てが嫌になってしまって、三食上げ膳据え膳昼寝付き見守り付きレクレーション付き生活を望んで自らの意志で施設で暮らしている。
本人の気持ちがそうなのだから、当初は要支援１くらいだったものがあっという間に要介護３くらいになって、施設の方からは最期はどこで迎えたいかまで聞かれる始末。
若い時はさほどに無い個体差が、年をとるにつれて大きくなる。元気で働き続けてる人もいれば寝たきりの人もいれば死んでる人もいるということは、むろんわかっている。
わかってはいても、自分の母親はあの状態なのに、同じ年の爺さんは、家に火を付けて病院で銃をぶっ放して郵便局に立てこもり。
そうなんだよな…
母の色々に付き合ううちに、へ？高齢化社会って未知の領域だったんだとわかってきた。
日進月歩の医学の発達に、ついヒトの生き死にまで意のままになるような錯覚すらおこすけど、わかってないことの方が圧倒的に多いのだ。
高齢化社会っていうけど、たくさんの人がこんなにも長生きしているなんて、人類史上初めてのことなんだ。
だから、日々をなんとかやり繰りしながら、実はデータ蓄積中で全てが手探り状態というのが実情に近い。
そして、生とはなんぞや死とはなんぞや、金の切れ目が縁の切れ目、と、現実にリアルに向き合わざるを得なくなっているのだ。
今はどっち向いてんだがもわからないほどに老いていて、つい年寄りなんてと思いがちだけど、若い頃をどんな風に過ごした世代だったのだろう。
君たちはどう生きるか。
お金の計算からプランニングする人生設計は大事なことだけど、でも、若いうちに骨子のようなものを自分の中に据えることが高齢化社会では一番大事なことなのかもしれない。
なんて、思ったりした、今日も快晴で暑い１１月の始まり。
