唐津市近代図書館のイベント情報

主に展覧会についてお知らせします
(ときどき、他の施設の情報も…)

【講演会】 子育て支援講演会 (7月9日)

2011年07月03日 | イベント
7月9日(土)に、「子育て支援講演会」を開催します。
どなたでも自由にご聴講いただけますので、
ご興味がおありの方は、ぜひご来場ください。

なお、託児のお申し込みは、7月5日(火)までに、
唐津市家族を支える会(080-1717-9170)までお願いします。


【とき】

  7月9日(土) 午後1時30分~3時30分

【ところ】

  唐津市近代図書館 4階 会議室

【講師】

  白根 恵子 先生

【内容】

  講演「絵本が育てるもの」

【問い合わせ】

  唐津市家族を支える会
  TEL 080-1717-9170

Ⅲ 厚く重く…「没後10年 森通展」 (8/7まで)

2011年07月03日 | 展覧会
ハイペースですが、コーナー解説の3回目です。


Ⅲ 厚く重く

 当時の独立美術協会では、スペインの画家アントニ・タピエスに傾倒した画家たちが、「壁派」と呼ばれる厚塗りの絵を描いていた。森も、とにかく厚く重く、重量感のある絵を描きたいと制作に励む。
 絵具は厚く塗るとかたまりにくく、また絵具代もかかることから、ベニヤ板の上などに石膏とボンドを練り合わせたもので形をとり、絵を描いた。森はこれを、テンペラならぬ「テンプラ」と呼んだ。1962年(昭和37)の30周年記念展で≪青い化石≫が独立賞と30周年記念賞を受賞、翌年の独立展には≪化石二つ≫と≪黒い化石≫を出品し、独立美術協会会員となった。
 当時は、保存など考えず、夢中で絵を描いた。何十枚もテンプラを描き、十数年経って倉庫から出してみると……『もう見るも無残。ばらばらとはげちゃいまして。今ここにある3、4点ともう1点くらいしか、剥脱していない作品はないようなひどいことになりました。』(講演会「自作を語る」より、青梅市立美術館、1996年) 独立展の受賞作も、そのときに消滅してしまったという。
 『やっぱり保存ということは考えないと。30代40代でしか描けない仕事、あのムンムンするような、下手くそだけどムンムンするような熱気というものは、やっぱり30代40代にしかない。』(同講演会より)


ここにも書いてあるとおり、独立賞・30周年記念賞の作品は残念ながら壊れてしまったそうですが、当時の白黒写真が残っていたので、今回はその画像を紹介しています。
≪炎の人≫の横に「主な独立展出品作」を小さな画像で紹介しているので、そちらもご覧くださいね。
この時代の作品としては、≪ジュラ紀の化石≫を展示しています。200号の大作で、高さは2.6m。黒を背景に赤褐色の化石が浮かび上がってくるような、ごつごつとした絵肌の作品です。



【とき】

  7月1日(金)-8月7日(日) 入場無料
  午前10時-午後6時
  (入場は午後5時30分まで)

【休館日】

  月曜日、7月6日(水)、8月3日(水)

【ところ】

  唐津市近代図書館 美術ホール(1階)

【出展作品】

  油彩画・水彩画 35点
  写真、日記、書籍など関連資料

【主催】

  唐津市近代図書館



■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/

【美術展情報】 高島野十郎-里帰り展 (久留米・石橋美術館)

2011年07月02日 | いろいろな展覧会
石橋美術館では、昨日から「高島野十郎-里帰り展」が開催されています。

高島野十郎さんというと、昨年秋の「海を想う」展のときに、有明海を描いた「春の海」(福岡県立美術館所蔵)を当館でも展示させていただきました。
今回は、新たに発見された作品約30点を含む、総数約150点を展示しているそうです。
会期中には美術講座やイベント、ギャラリトークも予定されています。
くわしくは石橋美術館のホームページをご覧ください。

http://www.ishibashi-museum.gr.jp/exhibitions/index.html


【展覧会名】

  高島野十郎-里帰り展

【とき】

  7月1日(金)-8月21日(日)
  10時-17時(入場は16時30分まで)

【休館日】

  月曜日
  ※ 7月18日、8月15日は開館

【ところ】

  石橋美術館
  久留米市野中町1015
  TEL 0942-39-1131

【入場料】

  一般 1,000円
  シニア(65歳以上) 700円
  大高生 500円
  ※ 中学生以下は無料

【主催】

  石橋財団 石橋美術館、久留米市、
  西日本新聞社、TVQ九州放送

【お問い合わせ】

  石橋財団 石橋美術館
  TEL 0942-39-1131

Ⅱ 師 坂本繁二郎…「没後10年 森通展」 (7/1~8/7)

2011年07月02日 | 展覧会
コーナー毎の解説、第2回目です。


Ⅱ 師 坂本繁二郎

 唐津中学時代にゴッホの≪麦を刈る男≫に魅せられた森は、終戦の翌年から八女在住の坂本繁二郎に絵を学び始める。美術学校への入学を迷っていた森に、坂本は言った。「あそこは近道を教える所です」―― 5年ほど坂本のもとに通い、作品とともにその生き方にも深く影響を受けた。自然に対し、どこまでも謙虚で、しかも自然に寄りかからない姿勢に惹かれたという。
 『絵を習うというよりも、作画の姿勢といいますか、絵描きとしての一番大切なものを習っていたような気がします。』(講演会「自作を語る」より、青梅市立美術館、1996年)

 公募展に出品したいという森に、坂本は独立展をすすめた。1951年(昭和26)、第19回独立展に入選。翌年も続けて入選したのを機に、森は上京する。
 友人の独身寮に三月ほど居候したのち、その友人とともに駒沢に下宿。この頃、新宿の飲み屋「みち草」で詩人の山本太郎と出会い意気投合、無二の親友となる。
 その後調布へ、そして「樹を描きたい」と南多摩の百草(現在の日野市)へと移り、独立美術協会の先輩 赤堀佐兵とともに、幼稚園を借りて子どもに絵を教え始めた。身辺の風景や静物を多く描いていた時期で、≪作品≫や≪ひまわりと笛を吹く少年≫(ともに1957年)はこの頃に描かれたものである。


残念ながら、坂本繁二郎画伯に学んでいた時代のものはありませんが、森さんが30代はじめの頃の作品を2点展示しています。当館が所蔵する中では一番古い時代の作品です。
また、今回は、作品以外に、ご遺族からお借りした写真や日記、手紙類などの資料もあわせて展示しています。
中には、坂本画伯からの手紙や、60年前の唐津大手口の製乳舎(ご存知ですか?)での個展の目録なども。
この目録には、師である坂本画伯の言葉も記されているんですよ。


【とき】

  7月1日(金)-8月7日(日) 入場無料
  午前10時-午後6時
  (入場は午後5時30分まで)

【休館日】

  月曜日、7月6日(水)、8月3日(水)

【ところ】

  唐津市近代図書館 美術ホール(1階)

【出展作品】

  油彩画・水彩画 35点
  写真、日記、書籍など関連資料

【主催】

  唐津市近代図書館



■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/

Ⅰ 少年時代…「没後10年 森通展」 (7/1~8/7)

2011年07月01日 | 展覧会
唐津市所蔵品展「没後10年 森通展」、本日OPENしました!

今回は、初期から最晩年までの油彩画32点、水彩画3点の計35点に、
写真や日記、書籍などの関連資料を加えて展示しています。
入場は無料です!
この機会に、砂漠に魅せられた画家 森通さんの画業をぜひご覧ください。

さて、今回も、コーナー毎の解説を紹介します。


Ⅰ 少年時代

 子どもの頃の森は、いつも海岸で一日中遊んでいる子どもだったという。毎朝毎晩、玄界灘の水平線を見ながら学校に通学し、日曜日などは浜辺で過ごした。中学の途中から祖父のいる台湾に一時移るが、やがて戦争が激しくなり、徴兵のため唐津に戻る。
 1944年(昭和19)暮れ。『戦争も熾烈を極めまして、北九州の空は連夜の空襲で紅に染まって、もう戦火がすぐそこに来たという、そういうときでございましたので、兵隊に行くにあたっても、もう二度と帰って来れないというのがまずまず常識でございました。母に別れを告げまして、見慣れた海岸に立ちますと、すごく海がきれいなんですね。もう、こんなに唐津の海はきれいだったかなと思うぐらい感動いたしました。(略)ああ、やっぱり美しいということは対象だけにあるんじゃなくて、自分の中にあるんだなと、もう二度と見れないと思ったときの美しさってのは、やっぱりすごいもんだなということを感じました。』(講演会「自作を語る」より、青梅市立美術館、1996年)
 実家の新高製菓は、中国各地に工場があったが、全部戦争でなくなってしまった。『もう私は二度となくならないもの、もう二度と消えていかないもの、貧乏でもいいから、そういうものをやりたいと思って、絵描きを志した次第でございます。』(同講演会より)


写真は、美術ホール入口のガラスケースと正面階段。
ガラスケースの中には、踊り場の陶板壁画の原画「大地」を展示しました。
壁画はとても大きい(2.8×4.6m!)のですが、原画は割と小さいものなんですよ。
ぜひ、見比べてみてくださいね。


【とき】

  7月1日(金)-8月7日(日) 入場無料
  午前10時-午後6時
  (入場は午後5時30分まで)

【休館日】

  月曜日、7月6日(水)、8月3日(水)

【ところ】

  唐津市近代図書館 美術ホール(1階)

【出展作品】

  油彩画・水彩画 35点
  写真、日記、書籍など関連資料

【主催】

  唐津市近代図書館



■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/