唐津市近代図書館のイベント情報

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Ⅳ パリ時代…「没後10年 森通展」 (8/7まで)

2011年07月05日 | 展覧会
コーナー解説、4回目です。この時代までは、まだ「砂漠」は登場しません。


Ⅳ パリ時代

 1967年(昭和42)、森はメキシコ・アメリカを巡り渡仏。1969年(昭和44)まで家族とともにパリに住んだ。この間、パリにいた鹿児島出身の画家 海老原喜之助の指導を受けている。
 『当時、海老原喜之助先生がパリにいらっしゃいまして、絵を見てもらいながら、一緒に中部フランスからブルターニュあたりの古い壁画とかタンパンとかタピスリーとか、そういうものを一緒に見てまわった楽しい思い出がございます。そのときのロマネスクあるいはゴシックの建築の中から、次に、日本に帰りまして描き始めたのが、≪AMOUR(Ⅰ)≫とか、あるいは≪殺戮者≫とか、そういう一連の作品でございます。』(講演会「自作を語る」より、青梅市立美術館、1996年)
 この頃の寓意性を帯びた作品からは、海老原の影響がうかがえる。本展の出品作では、≪失楽園≫がパリ時代の作品。帰国後に描いた一連の作品に、≪墜ちる≫≪鳥人間≫≪炎の人≫などがある。

 また、1968年(昭和43)5月には、詩人 草野心平がパリの森宅を訪れ、約2週間滞在。森一家と生活や小旅行をともにした。そのときの様子は、草野の随筆集『所々方々』や『茫々半世紀』、『草野心平日記 第二巻 1964-73』などに書かれている。


パリ時代の面白いエピソードに、草野心平さんの突然の訪問がありました。
草野心平さんというと、カエルの詩で有名な詩人ですね。小学校の教科書などで覚えている方も多いのではないでしょうか。「さむいね/ああさむいね/虫がないてるね/ああ虫がないてるね/もうすぐ土の中だね/土の中はいやだね(略)」(「秋の夜の会話」より抜粋)

この草野さん、パリについたとたんに泥棒にあい、荷物を全部盗られてしまいます。そこで友人の森さんを訪ね、そのまま約2週間滞在することになりました。
そのときの様子を書いた草野さんの随筆や日記も展示しています。森さんの奥さん、息子さんと一緒に撮った写真もありますよ。

※ 明日6日(水)は館内整理日のため休館です。


【とき】

  7月1日(金)-8月7日(日) 入場無料
  午前10時-午後6時
  (入場は午後5時30分まで)

【休館日】

  月曜日、7月6日(水)、8月3日(水)

【ところ】

  唐津市近代図書館 美術ホール(1階)

【出展作品】

  油彩画・水彩画 35点
  写真、日記、書籍など関連資料

【主催】

  唐津市近代図書館



■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/

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