「大島小太郎とその時代」展の章毎の紹介、第三回目です。
Ⅲ 人物群像が語るもの
時代を作り出すのは、その時代に生きた人々の相互のかかわりによるものであることは、いつの時代でもいえることです。ことに唐津の近代は、唐津藩以来の人物群と新しい時代によって出現した人物群によって語られます。前者は唐津藩の英語学校であった耐恒寮の教官であった高橋是清と寮生達であり、他方、後者には、封建制度の解体によって台頭する庶民層であり、また近代産業の基幹なった石炭産業によって結びついた実業家と彼らによって構築された新しい文化力であったといえます。旧唐津藩士でもあり、近代産業によって興隆した唐津の中心にあった大島家を通じて交錯する人物群を、この二つの視点から考えて見ます。
藩の英俊を集めて、時代の波に乗り遅れまいとした唐津藩は英語学校「耐恒寮」を開校します。わずか一年半ではありましたが、教師として雇われたのは若干18歳の青年でした。この青年こそが、後の高橋是清でした。藩の瓦解とともに、学校も閉鎖され、ここで学んでいた唐津の青少年は江戸(東京)へと飛び出していきます。その後も、高橋是清は、この若人を影ながら応援し、指導し続けました。辰野や曾根が当時開校したばかりの工学寮に入学するのも、高橋の勧めによるものでした。
旧藩主の小笠原家も旧藩士の師弟教育に力を注ぎ、助力を惜しまなかったようです。現在に続く久敬社はこの流れを汲むものです。
辰野金吾、曾根達蔵、天野為之、掛下重次郎等が中央で活躍するのと同じく、明治20年代からは、地元に戻って、草場猪之吉、岸川善太郎、坂本経懿、山内喜兵衛、宮島伝兵衛等とともに、近代化に貢献したのが大島小太郎でした。
また、目覚しく発展した石炭産業の隆盛によって、唐津に拠点においた竹内明太郎、高取伊好がいました。彼らは大島とともに経済界の中心ともなりました。
この章では、大島家と小笠原家との関係や、小太郎と経済界との交流、小太郎の人物交流図などを、古文書や資料で紹介しています。
昭和初期の大島邸でのお茶会の写真も展示しています。
大島小太郎とその時代展
【とき】
3月5日(土)-3月30日(水)まで 入場無料
午前10時-午後6時(入場は午後5時30分まで)
【休館日】
月曜日
【ところ】
唐津市近代図書館 美術ホール(1階)
【主催】
唐津市教育委員会
【問い合わせ】
文化課:0955-72-9171
■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
ホームページ http://tosyokan.karatsu-city.jp/goo
Ⅲ 人物群像が語るもの
時代を作り出すのは、その時代に生きた人々の相互のかかわりによるものであることは、いつの時代でもいえることです。ことに唐津の近代は、唐津藩以来の人物群と新しい時代によって出現した人物群によって語られます。前者は唐津藩の英語学校であった耐恒寮の教官であった高橋是清と寮生達であり、他方、後者には、封建制度の解体によって台頭する庶民層であり、また近代産業の基幹なった石炭産業によって結びついた実業家と彼らによって構築された新しい文化力であったといえます。旧唐津藩士でもあり、近代産業によって興隆した唐津の中心にあった大島家を通じて交錯する人物群を、この二つの視点から考えて見ます。
藩の英俊を集めて、時代の波に乗り遅れまいとした唐津藩は英語学校「耐恒寮」を開校します。わずか一年半ではありましたが、教師として雇われたのは若干18歳の青年でした。この青年こそが、後の高橋是清でした。藩の瓦解とともに、学校も閉鎖され、ここで学んでいた唐津の青少年は江戸(東京)へと飛び出していきます。その後も、高橋是清は、この若人を影ながら応援し、指導し続けました。辰野や曾根が当時開校したばかりの工学寮に入学するのも、高橋の勧めによるものでした。
旧藩主の小笠原家も旧藩士の師弟教育に力を注ぎ、助力を惜しまなかったようです。現在に続く久敬社はこの流れを汲むものです。
辰野金吾、曾根達蔵、天野為之、掛下重次郎等が中央で活躍するのと同じく、明治20年代からは、地元に戻って、草場猪之吉、岸川善太郎、坂本経懿、山内喜兵衛、宮島伝兵衛等とともに、近代化に貢献したのが大島小太郎でした。
また、目覚しく発展した石炭産業の隆盛によって、唐津に拠点においた竹内明太郎、高取伊好がいました。彼らは大島とともに経済界の中心ともなりました。
この章では、大島家と小笠原家との関係や、小太郎と経済界との交流、小太郎の人物交流図などを、古文書や資料で紹介しています。
昭和初期の大島邸でのお茶会の写真も展示しています。
大島小太郎とその時代展
【とき】
3月5日(土)-3月30日(水)まで 入場無料
午前10時-午後6時(入場は午後5時30分まで)
【休館日】
月曜日
【ところ】
唐津市近代図書館 美術ホール(1階)
【主催】
唐津市教育委員会
【問い合わせ】
文化課:0955-72-9171
■唐津市近代図書館■
TEL (0955)72-3467
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町(JR唐津駅南口すぐ)
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