映画・アート・時代を読む

映画、演劇、アートの感想や批評、ときには日々の雑感を掲載します。

放射能を浴びた X年後

2013-03-25 13:39:38 | Weblog
先日、ドキュメンタリー映画「放射能を浴びた~X年後」試写会上映を観てきました。
この作品は、ビキニ水爆実験による被ばく事件から50年後のいまを描いた作品です。
でもタイトルは50年後ではなく「X年後」となっています。それは私たちがいまだ不透明な3.11の「X年後」と向き合っていかなければならないからです。
ビキニ事件から50年後、被害者たちはどのような境遇に置かれきたのか。3.11のX年後に同じ過ちを繰り返してはならないと強く思いました。

2013年6月23日、浦和での上映会が予定されてるそうです。詳しくはいずれまた。

季刊 人間と教育 第77号 「声をあげる文化」をとりもどす

2013-03-15 14:46:08 | Weblog
季刊『人間と教育』第77号の特集テーマは、「声をあげる文化」をとりもどす。
教育関係の総合雑誌ですが、今回は、若者たちを中心に盛り上がった脱原発運動、社会運動をテーマにしています。

「沈黙の文化」を打ち破る
 2011年以来、アラブ革命、オキュパイ運動など、世界規模で独裁政治や新自由主義体制に反対する、新しい社会運動が活発化している。日本でも、こうしたグローバルな対抗運動に呼応するかのように、「原発再稼働反対!」の声が広がり、毎週金曜日の官邸前抗議行動は10万人という歴史的規模の集会・デモへと発展した。
日本社会において、多くの人々が主体的にものを考え、声をあげ、その力で社会を変えていく、そのような文化を活性化させることはいかにして可能なのか。われわれ日本人が世界の民主主義的な運動と呼応しながら「声をあげる文化」をとりもどすために、教育の現場で何ができるのか。
文科省が「社会の要請に応える人材育成」を唱え、グローバルな競争「社会を生き抜く力」を求めるとき、そこで子どもたちに期待されているのは、この社会を無批判に受け入れ、積極的に適応していく能力にすぎない。また成果主義、業績主義が浸透する学校現場では、いまや「沈黙の文化」が支配している。物言わぬ教師たちは、子どもたちを競争に駆り立て、自らも成果主義に駆り立てられている。
にもかかわらず、いやだからこそ、教師たちに求められているのは、子どもたちに、この社会を変革する知恵と勇気を培うことではないか。現実の矛盾をとらえ、「声を上げる文化」を取り戻し、もうひとつの社会を構想する力を育てることではないか。そしてそのためにはまず教師自身の「沈黙の文化」を打ち破ることが求められている。