映画・アート・時代を読む

映画、演劇、アートの感想や批評、ときには日々の雑感を掲載します。

小出恵介がいい! 映画「風が強く吹いている」

2010-01-26 21:25:09 | Weblog
川越スカラ座で、ようやく「風が強く吹いている」を観ることができた。

ハイジ「長距離選手への最大のほめ言葉は何だと思う?」
カケル「速い?」
ハイジ「いやおれは“強い”だと思う」。

ハイジ「この10人でタスキをつなぐ!」。

この作品のテーマはこのハイジの二つのセリフに集約されているように思う。

スピードや効率性のみが追求される社会。
競争と淘汰の原理が諸個人をバラバラにしていく。

ハイジの言う「強さ」、それは、孤立ではなく、他者との共同と連帯のなかから生まれる。孤独なランナーであったカケルもハイジとの出会いによって、自分がけっして利己主義者ではなかったことに気付く。

彼らは、ハイジ以外けっして「速い」選手ではない。しかし、仲間との絆があったからこそ、それぞれが固有の「強さ」を発揮できた。
決してゴールを諦めなかったハイジの「強さ」は、彼を待つ九人の仲間たちの存在なしには生まれなかったはずだ。

ハイジ役の小出恵介がとにかくいい!
これほどさわやかな気分で映画館を後にしたのは久しぶりだ。

(写真はgoo映画より)

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福山雅治「龍馬伝」を観た

2010-01-04 10:35:45 | Weblog

一月三日
今年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」第一回を観ました。
なかなか骨太の作品に仕上がっています。

維新という「革命」の立役者となった龍馬。一介の下級武士にすぎない青年がなぜ「龍馬」となったのか?

その背景には、武士階級内部にも存在した階級制度と母の愛があった。

ドラマは、当時の非情な身分制度の実態を丁寧に描いています。「門閥制度は親の敵でござる」という福沢諭吉の言葉が思い出されます。

そして、ラスト、「わしは、争いでは何も解決しないことを母から教わった」という龍馬のセリフが、現代社会へのメッセージとして心に響きました。



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