映画・アート・時代を読む

映画、演劇、アートの感想や批評、ときには日々の雑感を掲載します。

「春との旅」は、無縁社会日本を照らす!

2010-05-29 09:05:36 | Weblog

仲代達矢主演、映画「春との旅」を観た。
現代日本の悲惨な現実を描いた映画だが、
なぜか心が温かくなり、とてもやさしい気持ちになれる、そんな作品だ。
北海道のさびしい漁村で孫娘(徳永えり)と二人だけで暮らす老人。
孫の両親は離婚し、同居の母親(娘)は自殺した。
唯一の家族である孫は失業し、家計を支えるために「家を出たい」と思う。
こうして、祖父の「捨て場」を探す旅が始まる。
頼れるのは、いままで疎遠だった兄弟たち。
しかし、外の「家族」に老人の安住の場所などない。
けっして仲の良い兄弟ではなかったし、年老いた兄弟もそれぞれに事情を抱えている。
それは老人にとって失望以外の何物でもないのだが、映画のラスト・シーンで老人に別様の旅の意味づけが与えられる。
老人の最後の旅は、家族のつながりをもう一度確認する旅であった。
互いに罵り合っても兄弟であるがゆえのさりげないやさしさ。
寄り添い合う老夫婦たち。
新たな家族の生成へのささやかな予感。
そして、祖父を一人にはしないと決意する孫娘。
「無縁社会」とも呼ばれる現代、それでも人と人とのつながりはけっして失われることはない。
小津安二郎の「東京物語」、山田洋次の「息子」につづき、現代家族の現実とささやかな希望を描いた新しい日本映画の名作の誕生である。

(写真はgoo映画より)



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なんと淡竹せっけんがメディアに登場!

2010-05-13 23:03:17 | Weblog
このブログで紹介してきた淡竹石鹸が毎日新聞(西部版)でも紹介されました。
百貨店バイヤーさん一押しの商品として!


目利きの一品:福岡三越 淡竹せっけん

 ◇竹の有効成分をまるごと
 今春に8階の常設コーナーに登場して以来、NPO法人「すこやかコミュニティーセンター」(福岡市)の「淡竹(はちく)せっけん」の売れ行きが好調だ。肌に優しいことが評判を呼んでいるためという。

 ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど生の竹が持つ美肌に有効な成分を、まるごとせっけん素地に練り込んだ。きめ細かい泡立ちや、竹の微粒子パウダーが毛穴の汚れを落とすといい、突っ張り感のない洗い心地のよさが評価を高めている。

 防腐剤、合成着色料などは使用せず、竹の肉質そのままの黄緑色。アトピーやにきび対策で購入する人も多く、リピーター率も高いという。「洗った時の感触で品質のよさが分かります。うちのスタッフも愛用してます」と、福岡三越営業統括部リビング担当、石橋多恵さん。

 1890円(100グラム)。お試しサイズは315円(10グラム)。【綿貫洋】

毎日新聞 2010年5月12日 西部朝刊

龍馬伝、近藤正臣がすごい!

2010-05-12 07:58:03 | Weblog
龍馬伝、毎回楽しみに見ていますが、最近は近藤正臣ふんする怪物「山内堂容」に注目しています。

近藤正臣と言えば、「柔道一直線」で主人公桜木健一の敵役で一躍有名になった二枚目俳優。足で軽やかにピアノを弾く「迷シーン」は今でも忘れられません。

彼のキザな二枚目ぶりを昔よく鶴太郎が真似していましたが、二枚目のイメージが定着してしまうと俳優ってけっこうその後苦労すると聞きます。

映画、テレビにはコンスタントに出演されているかと思いますが、これまであまり印象に残らなかった。

ところが今回の近藤正臣は違う。悪役に徹していて、それが実によいのです。
どうみてもアル中で、龍馬(福山雅治)に「怪物」と言わしめた元藩主の底知れぬ不気味さが伝わってきます。

「二枚目」の看板を捨て、「怪物」を演じ切った彼には、きっと俳優としての次なる飛躍が待ち受けているはず。



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