センター試験地理B2009年 

センター試験2006~2009年地理Bの解答解説。上のタイトルをクリックすると目次ページになります。

第3問 解答解説(世界の都市)

2007-01-28 | 07地理B
問1【 13 】③
①× 京都平安京のモデルとなった、中国長安の場合、格子状街路であり、環状の街路は存在しなかった。
②× 城下町全体が城壁で囲まれていたのではない。城だけが城壁でかこまれていた。
③○ イギリスでは商業都市としてロンドンやリバプールが発展した。工業都市としてはマンチェスター(綿工業)やバーミンガム(鉄鋼)が発展した。
④× 大都市周辺の衛星都市は連続的に拡大するのではない。交通手段や都市政策の都合により、飛び地的に存在する。東京の八王子市、茨城のつくば市など。
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【教科書】107p:パリは市街地が連続的に拡大してきた。衛星都市としてのニュータウンは、新しい都市計画を実現するため、飛び地である。一方、都心は歴史的景観を保存するため、建造物の高層化は地域的規制がある。
  

【ワーク】33p:2.都市の発達一覧。産業革命の進展で工業都市が成立した。
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問2【 14 】⑥
(ア)ドイツ。1位ベルリン339万人、2位ハンブルク173万人。
(イ)タイ。 1位バンコク659万人、2位アユタヤ16万人。 
(ウ)アメリカ。1位ニューヨーク814万人、2位ロスアンゼルス384万人。
タイでは首都だけに人口が集中している。地方都市は農村の中心地であり、都市的機能は不十分である。
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【教科書】110p:タイの経済発展は首都バンコクへの一極集中型であり、地方都市・農村部とは大きな経済的格差がある。
【ワーク】68p:1.都市構造。先進国では都市機能の分化が進む。
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問3【 15 】②
①○ 南部の綿工業の中心地であった。自動車関連産業の増加や、工業の管理部門の進出にともない、オフィスが増加している。
②× パリの副都心ラデファンスはパリ郊外に新たにつくられた副都心である。都心では歴史的建造物を保存するため、高層化ができない。
③○ 太平洋岸のバンクーバーには19世紀からアジア系移民が多い。日本人は第2次大戦中に追放され、中国人移民が増えた。
④○ テムズ川河口の港湾地区ドックランズが、高層ビルのオフィス街に生まれ変わった。
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【教科書】148p:バンクーバー市は人口54万人、カナダ太平洋岸では最大の都市である。中国人が30.2%で最も多い。イギリス人は18.5%である。多文化都市である。
【ワーク】68p:2.都市問題。イギリスのドックランズ再開発はウォーターフロント計画の典型である。
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問4【 16 】④
①○ メキシコシティ、ムンバイ(インド)などでは、老朽化した自動車の排気ガスが、深刻な大気汚染を引き起こす。
②○ マニラやリオデジャネイロなどでは、スラム(ファベーラ)に電気・水道などの生活基盤が整備されていない。土地・建物の不法占拠がスコッターである。
③○ 失業者が路上にあふれている。子どもの路上生活者がはstreet-childrenである。
④× 発展途上国では大都市に流入する人口の方が、流出する人口よりも、はるかに多い。大都市市街地の空いた土地・建物を不法に占拠し、生活する者が多い。インナーシティ問題といわれる、都心の深刻な問題である。
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【教科書】219p:ASEAN諸国は急速な経済発展を達成した。その一方でスラムやストリートチルドレンの姿も見られる。農村から都市へ移住した貧しい人々の中には、スコッターといわれる不法占拠集落を形成した例もある。
【ワーク】68p:3.都市問題。発展途上国のスラム。
69p:問題2.アフリカの大都市におけるスラム地域の分布(センター試験)。
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問5【 17 】③
(カ)八王子市。東京都心から電車で40分。住宅都市として発展したので人口増加率が高い。また、市内には大学が多く、20~24歳の人口割合が高い。
(キ)鹿児島市。製造業の割合が小さく工業が発展していない。卸売り販売額が多く、地方の中心的商業都市である。
(ク)東大阪市。機械・繊維関係の中小零細企業が集中する。製造業従事者が多い。住環境に恵まれた地域は少なく、人口が減少している。また、東大阪市の人口減少には、製造業の海外移転にともなう産業空洞化の側面もある。
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【教科書】100p:1980年代から日本の産業の空洞化が進んできた。
【ワーク】68p:2.都市の拡大。人口の密集していた中小製造業地域に、製造業の空洞化にともない、その跡地にマンション・オフィスビルができ、常住人口が減少。
142p:2.中国との貿易。日本の製造業の多くは、低賃金の中国に進出した。日本国内では、国内産業の空洞化や、失業増加が問題になった。
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問6【 18 】⑥
(サ)老年人口率。都心の地価の高い地域。それに郊外は地下鉄・JRとも不便で、地価の安い地域。老人家庭の貧富2極分化が見られる。
(シ)地価。地下鉄沿線の数値が高いが、特にJR札幌駅に近いほど高い。
(ス)人口密度。地下鉄とJRの交通の便に恵まれた地域。札幌駅から遠くても、駅が近いと交通が便利であり、遠くまで高い数値になる。
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【教科書】290p:大都市内部には、老人・失業者などが集まり、スラムができやすい(インナーシティ問題)。
【ワーク】68p:ドーナツ化現象。都心の人口が減り、郊外の人口増加。
69p:問題2.アフリカの大都市でも、低所得者は都市郊外に集まる。
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