8時間もかけて登ったキリマンジャロの頂上にいたのは、たかが10分か15分。(8時間もかけたのに~)
写真を撮って、周りを見て、「はい、下りるぞ」
キリマンジャロは富士山と同じ成層火山なので、その頂上への道のりは砂というか、砂利というか、ズルズルと滑る土で、ズルっとする度に砂埃が舞い上がる。
私の嫌いなタイプの土だ。
そう思っていたら、バラッカとレオンの二人のガイドに脇から腕を抱えられた。
「ハイ~?」「行くぞ!」「えっ?」
つまり、私はガイド二人に羽交い絞めされて、否応なく凄いスピードで砂利道をスキーを滑るように下ろされた。
彼らは慣れたもの。ズズズズ、ズズズズっと滑り下りていく。
間に入った私は、足が宙に浮いているならまだしも、足は一応土についているので、漫画の様に、足をバタバタ回転させて必死について行く。
途中、岩もあるし、自分でコントロールできないし・・・、
「待って、休憩!」と言ってみても、二人はそうそう休んでくれない。「水~!」と叫んで、やっと止まってもらった。
前にボスから聞いていた。
「足が遅いと、下りはガイドに綱をつけて引っ張られるぞ。もっと遅いとガイドが両脇抱えて下りてくる」と。
その時は、「私はそれの方が楽でいいかな」なんて思っていたのだが。
そうだよね、私は足が遅いのだ!と再確認してしまった(今さらだが)
でも、そんなことより、必死だわ。足が彼らのスピードについて行かないのだから。
8時間かかった道をあっという間に下りて、キャンプが見えてきた。
「あ、キャンプが見えたから、ここからは私一人で下りれるから、もう大丈夫」と主張したものの、「いいから、いいから」と彼らは譲らない。
「よくないってば!」
とうとう、キャンプ地まで一緒に下ろされた。かかった時間は2時間半! なんと!
ベースキャンプ(バラフキャンプ4845m)に着くなり、テントになだれ込んだ。そして死んだように寝た! リサは先に寝ていた。
「お昼ご飯だよ」との声で目を覚ますと12時近かった。
温かいスープに癒される。
みんなで良かったね~と何だか会話も軽い。
さあ、これから下のキャンプ地、ムウェカキャンプ地(3080m)まで下りる。
「ここでもいいのに~」
もう、登ったあとは、高いところに長居はさせないと、さっさと下ろされる。
4~5時間かかってムウェカキャンプに到着。「まだか~」と思いながらの下り。長い!
登録小屋(毎回キャンプ地に着くと、登録させられる)の前に並んでいると、皆から「成功した?」と声を掛けられる。
みんな、やはり輝いている。
「ええ、あなたは?」私より年配のおばさまに聞き返す。「私はダメだったの。でも彼女は登頂したわ」と笑って隣のご婦人を指した。
お互いに「Congratulation!」の声が飛び交う。
年齢には関係なく、21歳でもダメな人はダメだったらしく、あとでバラッカが「21歳なのに!」と嘆いていた。
もう、このキャンプではみんな気持ちが明るいし、はじけている。
続く
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