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WBC物語 第18話

2007-06-11 08:31:08 | WBC
ワールド ベースボール クラシック ストーリー


第18話 王JAPAN 最後の戦い


キューバ vs. 日本
日本時間3月21日(火) 11:00/ペトコ・パーク


全世界から参加した16の国と地域の中で、この二つのチームが決勝に残ることを予想した人はいただろうか?
大会に参加したメジャーリーガーの選手は100人以上。しかし、決勝戦の舞台に立てたのはイチローと大塚の二人だけだった。
二つの異なる国、二つの異なる文化、日本とキューバ、世界一を賭けた闘いがついに始まった。






始球式は通産766本塁打MLB記録保持者ハンク・アーロン氏


世界のホームラン王 王貞治監督、MLBホームラン王 ハンク・アーロン氏、夢のツーショット


WBC決勝戦が中継されているテレビに集まる人々




1回表
・先制点の欲しい日本の攻撃は今大会初めて1番に入った川崎から。キューバはロメロが先発のマウンドに上がる。

1:川崎 初球ボール。2球目、変化球でストライク。3球目、ストレートでストライク。2ストライク1ボールからの4球目、外角の変化球を引っ掛け、ピッチャーゴロ。
2:西岡 フルカウントからの7球目、外角の変化球をうまく合わせ、ショート内野安打。
3:イチロー 1死一塁。初球バントの構えを見せたが、見送りボール。その後、1ストライク2ボールからの4球目、西岡が盗塁に成功。1死二塁となった。イチローはフルカウントから、低めの変化球を見送り四球で出塁。
4:松中 1死一、二塁。フルカウントからの6球目、外角の変化球を打ち、ショート内野安打。1死満塁のチャンスとなった。


1死一塁から二盗を決めた西岡

ここでキューバは早くも先発のロメロをあきらめ、ビシハンドリー・オデリンに継投する。日本はこのチャンスに多村がバッターボックスへ。

5:多村 1死満塁。1ストライク2ボールからの4球目、内角のストレートが多村のひじに直撃し、死球。三塁走者が生還し、日本は1点を先制した。
6:里崎 2ストライクからの3球目、外角低めの変化球にタイミングが合わず、空振り三振。
7:小笠原 2死満塁。フルカウントからの8球目、きわどい外角のストレートを見送り、四球。押し出しの四球で、日本は2点目を奪った。
8:今江 2ストライク1ボールから外角高めの変化球を強振し、センター前タイムリーヒット!! 2者が生還し、2点を追加。日本はリードを4点に広げた。


中前へ2点タイムリーを打った今江


今江のタイムリーで生還した松中と多村


キューバは3人目ノベルト・ゴンザレスに投手交代。

9:青木 2死一、二塁。1ストライクからの2球目、外角の変化球を引っ掛け、セカンドゴロ。

・日本は初回に猛攻を見せ、幸先良く4点を先制した。


1回裏
・4点の先制を許したキューバは1番パレットから。日本の先発マウンドには松坂が上がる。



1:パレット 初球、高めのストレートでボール。2球目、外角のストレートでストライク。その後、1ストライク2ボールからの4球目、外角のスライダーをうまくとらえ、レフトスタンドへ反撃のソロ本塁打。キューバは1点を返した。


先頭打者ホームランを放ったパレ

2:エンリケス 1ストライク2ボールから内角の変化球を引っ掛け、サードゴロ。
3:グリエル 2ストライクから外角高めのストレートを引っ張り、ショートゴロ。
4:ボレロ 2死走者なし。2ストライク1ボールからの4球目、真ん中低めのフォークに空振り三振。

・キューバは先頭打者本塁打で1点を返した。松坂は本塁打を浴びたものの、後続の打者はきっちりと抑えた。


2回表
・日本は1番川崎からの好打順。

1:川崎 初球、セーフティーバントを試みるも、キャッチャーゴロ。
2:西岡 フルカウントからの8球目、外角高めのボール球に手を出し、空振り三振。
3:イチロー 1ストライク2ボールからの4球目、内角のカーブをうまくとらえるも、ショートの超美技に阻まれ、ショートライナー 。

・日本打線は3者凡退に終わった。


2回裏
・3点ビハインドのキューバは5番セペダから。

5:セペダ 2ストライク2ボールからの7球目、真ん中の落ちる球に見逃し三振。
6:ウルティア 2ストライク1ボールと簡単に追い込まれた後の5球目、外角のストレートを強振するも、空振り三振。
7:ガルロボ 1ストライク1ボールからの3球目、外角のストレートをうまく流し打ち、ライト前ヒット。
8:ペスタノ 2死一塁。初球、里崎のパスボールで、走者は二塁へ。ペスタノは2ストライク2ボールからの6球目、外角のストレートに空振り三振。


・松坂は2死二塁と得点機を与えるも、後続を威力のあるストレートで仕留め、無失点に抑えた。2回を終えての球数は36。


3回表
・追加点の欲しい日本は4番松中から。

4:松中 2ストライク1ボールと追い込まれた後の5球目、内角のストレートを強引に引っ張り、ライト前ヒット。
5:多村 フルカウントからの7球目、外角のカーブに空振り三振。
6:里崎 1死一塁。1ストライク3ボールからの5球目、外角のカーブを見送り、四球。1死一、二塁となった。
7:小笠原 1ストライク1ボールから真ん中のカーブを打ち上げ、センターフライ。
8:今江 2死一、二塁。初球を積極的に狙うも、ピッチャーゴロ。

・日本は得点圏に走者を送るも、小笠原、今江が凡退し、無得点で攻撃終了。


3回裏
・キューバは9番ラミレスから。

9:ラミレス 1ストライク1ボールからの3球目、真ん中高めのストレートをうまくとらえ、レフトフェンス直撃の二塁打。
1:パレット 無死二塁。初球、セーフティーバントを狙うもファウル。フルカウントからの6球目、外角のストレートに空振り三振。
2:エンリケス 1死二塁。1ストライク2ボールからの4球目、外角のストレートを引っ張るも、レフトフライ。
3:グリエル 2死二塁。2ストライク2ボールからの6球目、外角のスライダーにタイミングが合わず、センターフライ。

・松坂は無死二塁のピンチを迎えたが、気迫の投球で後続を抑えた。球数は55球。


4回表
・ピンチをしのいだ日本は9番青木から。

9:青木 2ストライク2ボールからの5球目、内角の変化球に空振り三振。
1:川崎 1ストライクからの2球目、外角のストレートを流し打つも、ショートライナー。
2:西岡 2死走者なし。フルカウントからの7球目、外角の変化球を見送り、四球を選んだ。
3:イチロー 2死一塁。イチローの打席で、一塁走者の西岡が飛び出し、けん制死。

・日本は2死から走者を出したものの、西岡がけん制にひっかかり、チャンスをつぶした。


4回裏
・キューバは4番ボレロから。松坂が4回のマウンドに上がる。

4:ボレロ 初球、外角のスライダーをとらえ、大飛球を打つも、センターフライ。
5:セペダ 2ストライク1ボールからの4球目を打つも、ショート川崎の超美技に阻まれ、ショートゴロ。
6:ウルティア 初球、外角高めのストレートをはじき返し、センター前ヒット。
7:ガルロボ 初球を積極的に狙うも、ライトフライ。


・松坂は、川崎のファインプレーが飛び出すなど好守備にも助けられ、無失点に抑えた。


松坂「力で抑えてやろうと立ち向かった」

 おととい韓国戦に勝って、すぐ決勝戦の先発を言い渡されました。ルール的には(渡辺)俊介さんも先発できるわけですが、すぐ僕を先発に指名してくれたことで、僕も盛り上がりました。最初から飛ばして、短いイニングでも行けるところまで行こうと思ってマウンドに立ちました。キューバとの対戦はアテネ五輪以来で、打線に対して怖いというイメージがあるんですが、僕自身は対戦して悪いイメージはなかったので、自分の思っている力を出すことができたら、十分抑えられると思っていました。キューバに対して、一般的にはストレートが強いと言われていますけど、そう言われれば言われるほど、僕はストレートで勝負したくなるので(笑)。とにかく今日はコースを突くことを考えずに、真ん中でもいいから球威で、力で抑えてやろうと思って、キューバ打線に立ち向かっていました。

1回に一発を浴びるものの要所を締め4回を5奪三振1失点に抑え、松坂はマウンドを後にした。



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