タイガース

大阪でタクシーに乗ると「お客さん、リードしてまっせ。」
と行き先を告げる前に運転手さんが声をかけてくる。
これは野球で阪神タイガースが勝っているという意味。

子供の頃、近所の草野球チームに入ったので、
「野球のユニホームを買ってくれ」とおねだりした。
「背番号は28番かそれとも22番にするのか？」と聞かれたので
当時人気だったジャイアンツの長嶋の3番がいいとと言ったら、
家族全員が不機嫌になった。
まるで子供が非行に走り出したかのように
「そんな子供に育てた覚えはない」という風に。

当時の背番号28番はタイガースの投手江夏で
22番はホームランバッターの田渕だった。
どうしても3番がいいとゆずらなかったので背番号3番のユニホームを
買ってもらったが縦縞のユニホームだった。

家も近所も全てが阪神ファンで、小学校の校歌を覚えるより先に六甲おろしを
覚える。テレビのチャンネルは第一に野球中継の阪神戦、どこの家にも
阪神タイガースの法被があり、応援グッズを身にまとってテレビの前で応援する。
生活の中に阪神タイガースがあるのが大阪である。

宮古島にきて何よりもうれしかったことの一つが野球、阪神タイガースから
距離をおいたことで、何かから解放された気分になれた。
宮古島での野球中継は読売ジャイアンツが中心で、
ジャイアンツ以外の野球チームを知らない人もいる。
今は民放が放送されているので、阪神タイガースも知られるように
なったが30年前は島のほとんどの人が阪神タイガースを知らなかった。

野球自体好きではないが、阪神タイガースが優勝したと聞いて、
なんとなくうれしかった。
やはり関西人の血が流れているようだ。