基本的に西武鉄道

などと書きながら、詳しくないです。
文字より写真多め

日の出から日没まで撮れ

2024年02月27日 | a day
日の出から日没まで撮れ、定点で

という仕事を2回ほどしたことがある。



日の出を撮ると言うことは、、
日が出る前からカメラをセットしないと撮れない




つまり、ロケハンをして太陽がどう動くかを実地確認する必要がある




アプリで大体の検討をつけ候補地を絞ってからの、実地確認




案件1

これは、特定の案件ではなく、社内で汎用的に使用する素材としての撮影

HDRIという、主に照明に用いる画像素材
IBLつまり、イメージベースドライティング
写真画像で、3DCGに対しての照明する技法で用いる
革新的な素材なので、これがあると3DCGの制作効率が飛躍的に高まる上にフォトリアル

・定点
・1時間毎
・日出から日没まで

この素材があると、、
この地域で、この時間の、光は、これです。
という画像を容易に制作できるのだ

そりゃもちろん、想定することはいくらでもできるのだが
これは実際に撮影したものなので、説得力がある

なるべく、日出から日没まで太陽が見える場所を探すことからスタート
ネットで調べまくり
都内某所に決定
予算がないので都内だ
で、撮った
撮り切った

この案件は、画像仕様の要求がそれほど高くなかったので
撮影方法はそれほど困難ではなかったのが救いだった。

とはいえ、HDRIなので、パノラマです。
360度
一眼レフで分割して撮影
生成も特殊
ちゃんと撮影及び生成できる人、何人いるかな?






案件2

上記から15年ほどの年月が過ぎたある日
またまた、定点撮影の依頼が来た
今回は、とあるテレビ放送会社

あるドラマの新たな収録方法の検証の為の写真画像が欲しいらしい
そのドラマの予算は、、100億円と言われているので
いつになく強気の見積もりにしたのは言うまでもない

さて、その要求仕様は

1、定点
2、日の出、お昼、薄暮、日没
3、里山と樹海
4、長辺30,000pix程度
5、できれば32bit



1、2、3は、ロケハン後に選定

問題は4
これはなかなかに大きい
パノラマなので、画面比率は 2:1
つまり、30,000pix x 15,000pix
これはなかなかに大きい

一般的に高画質ってなんだろう
例えば、4Kテレビ
あれ、長辺4,000pix(3,840pix)

しかも、できるだけ高画質での、30,000pix
小さいセンサーからではなく、できるだけ大きなセンサーから生成したものである必要

ま、360度を1ショットで撮影できるレンズ/カメラはない
いくつかのレンズが組み合わさったカメラで1ショットで撮れるのはあるが
こんなに大きな画像は撮れない

しかも、太陽は常に動いているので、できるだけ早く1カットを撮り終える必要がある

ということで検証

ピクセル数はともかく最短で撮るには、画角の広いレンズを使えばいい

最も画角が広いレンズ、、魚眼レンズだ

丸く写るレンズ
真横も真下も真上も写る
つまり、2枚撮れば360度なのだが、重なりが必要なので
3枚必要
水平に3枚撮れば済む

しかし、魚眼レンズというのは設計に無理があるのか
あるいは、魚眼をパノラマに変換するのが問題なのか
生成される画質が良くない
四角いフレームに円くしか写らず、画素がもったいない
ゆえに黎明期や、とにかく早く撮りたい時しか使わない

今回の、長辺32,000pixは、、
どうやって撮ったか忘れた。


カメラは、当時最高画質のSONY α7R Ⅳで、
レンズは、確か、20mmレンズだったような、、


ソニーのサイトに、20mmの画角は、、「94度」としか書いていない


が、仮に94度のレンズで360度を網羅するには、

94 度 x 4枚=376度
94 度 x 5枚=470度

5枚撮ればいいってことだ

が、
これは、横位置の水平画角なのだが、パノラマは縦で撮るので
知りたいのは垂直画角だ
どこに載ってるか忘れた

で、縦位置カメラを水平で分割しても、天地94度しか写らないので
仰角つけて撮る必要がある

How to Shoot a Full 360x180 Full Spherical Panorama with the NN6 Panoramic Tripod Head


こんな感じ


で、計算で割り出して、ほんとに撮れるのかを撮影検証する

次の問題

「できれば32 bitで欲しい」

これは無理
そもそも、LEDパネルに32bitとして表示できない
にもかかわらず、なんでこの仕様?
としばらく考えたのだが、、

要は、そのまま表示するのではなく
3DCGアプリを通すので、であれば最高画質がいいじゃん

ということだった。

が、これは撮れない&おすすめしないので説明した。


まず、撮れない
正確には、撮れるけど、良い結果にならない

ってこと。
先述のように、1カット撮るのに時間がかかるので
普通に撮るのも時間がかかるのに、さらに32bitということは
露出ブラケットで撮る必要がある


通常は、2段stepで7枚撮るので、仮に、パノラマだけで、30枚撮るとすると
x7で210枚撮ることになる
昼間だけならば、なんとかなるかもしれないが
朝晩は、、


おすすめしない理由

CanonやSONYなど、35判ベースのカメラは、最大14bitでしか撮れない
(14bitというファイル形式はないので、16bitファイルに格納される)

ゆえに、ブラケットして、それをマージして32bitに生成する
つまり、複数の枚数を合成するので、精鋭度が落ちるのだ
ゆえにお勧めしない。


を説明して納得してもらい、単なる16bit TIFFでの納品に決定


ここまで来て、納品物は他に、RAWを納品してくれと、言ってきた。
通常、RAWは納品しない。
デベロップのノウハウとか色々詰まってるから、、
しかし、強気の見積もりが通ったので、言う通りにした。
しかし、生RAWを渡したことは言うまでもない。
デベロップのサブファイルまでは言われてないもん




すべてがクリアになり撮影結構

里山と樹海
時は年末

樹海は冬季閉鎖1週間前の場所
もう山小屋はクローズ
積雪アリ
ま、樹海なので木がかなり茂っているので撮影には問題ない

前日にロケハンして撮影地点を決定し
翌日、日の出前に移動、カメラ設置
撮影
しかし、寒過ぎでその場に居られない為、車に戻る
で、昼、薄暮、夜、行ったり来たりで撮影
なかなかに寒かった
が、
寒い撮影ランキングでは、3位だな


で、生成し納品
この素材がどう使われたか、、知らん。



ドラマやCMの遠景抜けにLEDパネルを使う技法は今ではかなりメジャーになってきていると思う



この数年後に、再びLEDパネル投影用の案件が、、、























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