退職勧告を受ける。

■8月某日、木曜日

上長の上長から、翌週月曜日の面談招待メールが届く






ん？







なぜ上長の上長なのか？
書かれている出席者は、二人だけ






タイトルがない
通常ならば、下期面談とか自己実現とか書いてあるのに
なにもない






しかもしかもしかも
リアル開催
通常の面談ならばリモートなのに、、






しかもしかもしかもしかも
面談場所が、、、
社員だけの使用は禁じられている豪華会議室






　　　　こ
　　　　　れ
　　　　　　は
　　　　　　　　、
　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　き
　　　　　　　　　　た
　　　　　　　　　　　。





■8月某日、月曜日


覚悟して開始5分前に到着
会議室には灯りがついているがカーテンで中は見えない
すでに来ているのか、前の会議が長引いているのか、わからないので外で待つ






と、ほどなく上長の上長が登場
さらにもうひとり、面識のない人を連れている
すぐ目の前を通ったのだが目線を合わせてくれない






　　　　　　　　　　こ
　　　　　　　　　　れ
　　　　　　　　　　は
　　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　き
　　　　　　　　　　た
　　　　　　　　　　　。






彼らに続いて中に入ると、、
テーブルの向こう側の端っこに
上長の上長の上長が座っていた







　　　　　確
　　　　　定






上長の上長の上長
つまり、担当役員だ





そして机手前中央に、ちょっとひかれた椅子ひとつ
どう見てもオマエはそこに座れよ
という状況なので無言で座る






で、まあ、詳細は書かないが
会社を辞めることになったのだ。






このグループで働いて２９年目の夏
もうちょっとで勤続３０年だったのに、、
力不足であった。





選択肢はないので、同意し退出






ついにこの日が来たか
そもそも、ニッチな業務だったのでこういう日が来るのは予測していたが
実際来ると
リアリティはない





外に出て家人に事実を報告





続いて上長に報告





絶句している上長は置いといて




そうと決まればとっとと残務整理してずらかるぜ
光の速さで残務整理するぞ






最終出社日まで１ヶ月半以上あるけど
溜まった有給を全部は消化できない






バックアップしていたHDDを初期化する作業
独断でどんどん捨てる






どうせ、上長も、その上長も直近の数年しか、私の行動は把握してないから




■8月某日、火曜日

この日も出社

まだ退職同意書も退職届も提出していないのだが、
もう、私、思いは切れました。


通常はこれらを出すと、会社側から指示があり
それに沿って行動していくらしいのだが
光の速さで残務整理するぞ





私が管理している数々の機材を、上長に目視確認してもらい
ついで、管理者変更を申請する
が多すぎて申請エラーに、、
ふつーはスマホとPCくだけだもの








とっととやる
２９年分の残務整理と引き継ぎを光の速さで遂行





だってもう、この会社でがんばってもなんも報われないんだもん




■8月某日、水曜日

この日で最後にしようと思い
最終仕上げで出社


私のまるで逃げるかのごとく行動の速さに絶句



リモート作業が多数なので出社してる人は少ないのだが
目があった人には事情を説明

あとは最終週月曜に挨拶まわりして、金曜日にスマホとか返却しておしまい





ああ、終わった。
あっさり終わった。

先週は、ヤル気に満ち溢れていた。
攻め方を、上長に説明して具体的にどう動くかを考えていた
が
もういらん
いきなり空虚が訪れた



なんもやる気にならん



ま、しかし、
永遠ってのはない
どんなヤル気があってもいつか終わりが来る
ちょっと早かっただけ



６０歳とか６５歳で放り出されるよりは良かったのではないか
と前向きに考えてみる



図らずも長い夏休みを手に入れたのだが
ぼやぼやしている暇はない
まだ、子にお金かかるし
転職先探さないと



なにしようかな〜