旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

古いペルシャン絣ヤズド

2021年12月22日 | 古い物



古いヤズドのショールでござる。

「はぁ?何じゃいそれ?」
と言われそうだ。

それ程までに日本では知名度は皆無だろう。

簡単に言うと、
イランの絣の布ですな。

絣またはイカットと言えば、
インドネシアやウズベキスタンが有名だろう。
勿論、日本にも在る。

しかし実は、
イランにも絣は存在します。

名は【ヤズド】と言う。

ヤズドという名称は、
正確にはイランの街名または地域名であって、
その地での絣のヤズドは通称としての通り名。

日本では名前すら知られてないが、
欧米のコレクターならば、オールド・ヤズドは、
知る人ぞ知る絣でおま。

まぁ、英語で検索すれば出てくるでしょう。

現地で知人の卸問屋に一枚のみ残っておりました。





広げると意外と大きい。
大判ショール。





オリジナルならではの力強い雰囲気。
量産品は機械織りが多いなか、完全な手織り。
両脇のボーダーも良い。
写真では伝わらないが、ごく柔らかい手触り。


常日頃、僕が「珍しい布を探してるねん」と知人業者に言ってたら、
「こんなんどーかなー?」と出して来た一枚。

どーやら詳しく聞くと、
以前は3枚程持っていたが、
それらはイギリスの著名なテキスタイル・コレクターの元へと
旅立ったとの事で、この一枚は状態が完品でないので、
たまたま残ったらしい。

試しに旅立った物の値段を聞いたら、
例え仕入れても日本では誰も買わない程の値段であったので、
諦めも即座についたが、一目見てみたかった。

最も、残った一枚は個人的には気に入ったので満足はした。
ダメージだって美しいんだもん。
ダイナミックな柄も良い。
使われている色数だって単色ではない。

トルコ製の新しいイカットのリプロダクト品ならば簡単に買えるし、
それらを作っている業者も知っている。
中には高品質かつ現代的なファッション目線の良い物もあるが、
僕にとっては珍しくはない。
だいぶ以前より目にしていた物達だ。

ウズベキスタンの古いイカットも今まで扱った。
これからも扱うだろう。
オリジナルのアンティーク・ベルベット・イカットも欲しいが、
今や高額過ぎて買えない。

だが今回、
ペルシャン・イカットだとー

しかも古い。

確実に変化球だ。
これは良い。

人と被らない。

民族系をちょっと知ってる人からの
「素敵なウズベキスタンのショールですね〜。ワタクシも持っておりますの〜。オホホ」と
マウントされた時にも、
「いやぁ、これはペルシャの絣なんです〜」と反撃できる。


人と違う物をお探しの方へ。


シルク製です。


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