旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

古いシリアの民族衣装

2022年06月20日 | 古い物



僕は古い民族衣装が好きです。

もちろん、新しく作られた安価な衣装ではなく、
オリジナルを求めます。

とは言え、僕はアパレルの仕事を人生でした事がないので、
お洒落であるかダサいかは分からない。

服装は趣味趣向または生活スタイルに合った人それぞれの物であるとは思っているが、
僕の知人で、
世界のトップブランドからドメスティックブランド、古着まで色々様々、着たおして
最後に辿り着いたのがオリジナルの古い民族衣装である、という方も居る。

実際に友人の某有名ファッション・ブランドのデザイナーも、
民族衣装を愛用している。

かのドリスヴァンノッテンをはじめ、
今季(昨年?)のラルフローレンのカタログを見ても、
ウズベキスタンの絣を大胆に取り入れたり、
ファッション業界のトップは民族的な感性を多く取り入れているのが分かる。


・・・で、シリアの服。



これは他人とかぶらないだろう。

何故かグッチとかドリスヴァンノッテンを思い出す。

トルコの地方都市に難民としてのシリアのアレッポから逃れて来た、
シリア難民の古物業者のストックから譲り受ける。

一緒にお茶をしたのだが、彼の身の上話しは壮絶であった。
アレッポにあった彼の店は爆撃で吹き飛んだという。



後ろ姿。
イカしてます。










手刺繍が丁寧に施されています。

今時の大量生産の服には、こういった手仕事は見られない。
古いオリジナルの良さとは細部に現れると思うのです。

サイズは男女共に着られるサイズ。











葡萄柄の銀糸刺繍バージョン




青色に黄色が美しい。





名前が書かれています。

正真正銘のオリジナル。

50年位以上は経過してるヴィンテージですね。




後ろ姿が部族的でカッコイイ。
特有の柄が一瞬アフリアの民族衣装を彷彿とさせるが、
シリアでござる。

サイズは男性用サイズ。




内側ポケットあり。


日本ではシリアの民族衣装の情報が凄く少ない(女性用ドレスは見かける)が、
海外の文献を見ると、シリア南西部のダマスカス近郊やハウラン(ホーラン)平原の
民族衣装に酷似した資料を見かけるので、
シリア南西部の衣装と思われます。










「年々、国際情勢の関係でシリアからの流れてくる物は少なくなって、
規制やチェックも凄く厳しくなって来ている」と前述のシリア難民業者は言う。

因に、この業者、古いシリアの女性用ドレスも持っていたが、
これは流石に日本で着れる人は居ないだろう、美術館とかコレクター向きであろうと思い、
それらは見送りました。


以上
古いシリアの民族衣装でした。

珍しいシリアの民族衣装はどうだろうか?

人と被らない服をお探しの方へおすすめできます。








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