旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

魔法都市イスタンブールでの仕入れ

2017年09月19日 | 仕入れ旅


イスタンブールで良い仕入れをやるという事は、
何度も来て慣れていたりコネクションを持っている事を除いたら、簡単ではない。

場所的に古くから交易の地として栄えてきたイスタンブール。
中央アジアの布が多く入ってきているのは10年以上前から知っていた。
しかし、今は各国の多くのバイヤー達で買い尽くされていると思っていた。

そりゃ、グランドバザールには、遠くはモロッコや中央アジアの物など古今東西、無数に物があるし、
街中には高級品のキリムや絨毯からお土産品まで、物で溢れかえっている。

が、誰でも簡単に買える地だからこそ、仕入れは難しくなる。

良い物は既に誰かに買われて無くなっているし、相場も高くなっている。

本当に珍しい物を仕入れるには、誰もが簡単に行けて、物が沢山ある土地では逆に難しくなるのだ。

特にイスタンブールは、モロッコのマラケシュ同様に魔法都市で、到着してすぐに物を見ると、
全てが魅力的に感じてしまう。
眼が慣れるまで時間がかかるのだ。

どうって事のない物まで魅力的に見えてしまう魔法都市イスタンブール。

グランドバザールの店先には良い物がない、と自分に思い込ませればならない。

と、いう訳で、僕は問屋の倉庫へ行く事や、店を持たない業者との出会いを待った。

その出会いは突然やって来た。
ある日、クルド出身の男に出会った。

彼は織物や布、中央アジアの布を扱う業者だった。
彼の倉庫に物があるという事なので、僕は彼の倉庫へ向かった。



その先にあった布達の多くは中央アジア、ウズベキスタンやトルクメニスタンから流れてきた布達だった。



思っていた通り、グランドバザールの店先などより、物のクオリティが高く、値段も安かった。
彼はグランドバザール内の店に卸をしている業者でもあったのだ。

さて、物色が始まった。

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