現在、録画しながら見ているドラマ3作品に共通するテーマがあります。
ざっくり言うと「許す・許さない」
先日放映の『八重の桜』。九年振りに再会した兄が、会津を滅ぼした長州と手を組んでいる。
長州を許せないと訴える八重ちゃんに、自分も許せないと伝える覚馬さん。
でも、どこにも負けない強い国を造るためには協力が必要で。
為すべきことをするために、許せぬものを許す。
万国博覧会を催す計画に、京の町の商人達は反対する。
雛祭りや端午の節句など、昔から伝わる行事が絶えたら商売にならないと人形問屋が嘆く。
でも覚馬さんが日本に訪れる異人への商売を提案し、商人達の納得を得る。
相手のことを考えて伝えることで相手に聞く耳を持たせ、
道理を尽くして伝えることで開ける道がある。
高視聴率を上げている『半沢直樹』。
上から受けた理不尽な仕打ちを倍返しする銀行員の物語。
これは、道理の通じない強大な相手への復讐譚だからこそ痛快に感じられるのでしょう。
共感する視聴者の分だけ、職場や学校で似たようなことが行われているのかもしれません。
深夜に再放映中の『モリのアサガオ』。
死刑囚を見詰める刑務官の視点で物語が進んでいきます。
刑を執行された男に前日、好物の大福をやらなかったことを後悔する新人刑務官。
息子を自殺に追いやった同級生達を殺した父親。
冤罪で30年収容されていた男。
様々な形の【許しがたいこと】が出てきます。
新人刑務官役の伊藤淳史君の、感受性豊かな表情に泣かされます。
現実にも、許しがたいことを平気でする人間は多いですし、
犯罪や、犯罪ではなくても許してはいけないこともあります。
だけど、許せないことを許さないと前進できないこともあって。
難しいですね。
答えは人それぞれで、きれいな一つだけの正解なんて無いのでしょう。
それでも。
考える人間の分だけ、答えが増える。
増えた答えの中に、誰かが喉から手の出るほどに求めている答えが
見つかるかもしれない。