麻宮騎亜 日記

漫画家 麻宮騎亜の日記。仕事の連続の日々ですが、できるだけ更新したい。という希望。

ありがとう 植木等さん 

2007年03月31日 09時29分48秒 | Comic
気が付けば、このブログもあんまり更新していないが、亡くなった方のことを触れることが少し最近多いのかも?とも思う。それは僕の考え方や生き方に影響を与えた方々が亡くなったと言う事で、それは同時にいかに幼少期から多感な思春期にかけて影響を受けやすかったかということなのかもしれない。 先日、植木等さんがお亡くなりになられた。説明するまでもない、クレイジーキャッツの植木さん、である。僕の中では、やっぱりクレイジーキャッツ、あるいは東宝映画のクレイジー(クレージー)映画の植木さんなのだ。

初めて植木さん演じるクレイジー映画に出会ったのはいつの日だったろう。今ほどDVDが出回っていない時代。ビデオソフトが一本15000円を軽く超えていた時代。昔の映画を見ようと思ったら、三省堂のビデオライブラリーか、オールナイトを見に行くしかなかった。多分浅草東宝にオールナイトの特撮(もしくは東宝特集)を見に行った時にはじめてみたのかもしれない。ひょっとすると子供の時に見ていたのかも? いくら文字にしても語りきれないので、本編を見ていただくのが一番だが、植木等さんを初めとする、エネルギッシュなクレイジーの面々が画面せましと暴れまわり、どこかサラリーマンの物悲しいペーソスが顔を見せ、突然歌いだしてしまうというとんでもない展開に90分釘付けになったものだ。それ以来僕は、深夜のオールナイトに「東宝特撮」と「クレイジー」を見に行くことが多くなった。

何本かお勧めはあるが、まずは「日本無責任時代」 まずコレを押さえておいた方がいい名作。無責任シリーズ第1作目。植木等演ずる平均(たいら ひとし)が口八丁手八丁で世間を渡っていくというサクセス?ストーリー。突然ミュージカル風なものすごいセットで「ハイそれまでよ」を歌うシーンは圧巻の一言。「すい、すいーっと」というのは本当に軽妙だ。仕事でよく編集が「さくさくやってください」なんていうが、僕はよく怒ったもんだ。これが「すいすいーっと」だったら怒らなかったかもしれない。(^^;)

「大冒険」は決して戦隊モノのロボットではない。コレもクレイジー映画を語る上で絶対必要な超大作。スパイサスペンス風の本編は、高度成長期の日本の匂いがぷんぷんする。クレイジー・キャッツ結成10周年記念映画。この映画、特技監督を円谷英二さんが担当している。まあ、どこをやっているのかというとラストのくだりとなるんだけど、結構凄い。それ以上に凄いのがやっぱり植木等さん。コレは見てもらう以外にない。(^^)

そして最後は「クレイジーキャッツ・デラックス」。大瀧詠一(ナイアガラ・トライアングル)企画・構成によるこの一枚は、クレイジー映画の名場面、ヒット曲シーンを集めて、コレでもか!と畳み掛けるように迫ってくるファン必携の1枚だ。同タイトルでCDもでているのでこっちもお勧め。大瀧氏は自他共に認めるクレイジーマニアで、1985年に自らプロデュースで「実年行進曲」もリリースしているという大家だ。もちろんミュージシャンとしてもそうなんだけど。「クレージー黄金作戦」のなかでの名シーン。ラスベガス大通りを完全封鎖してクレイジーの面々が歌い踊るシーンは、このデラックスでも見ることが出来るので、だまされたと思ってみていただきたい。

植木等さんは、映画やテレビのこの無責任のイメージが強く付いてしまって、お困りだったようだ。本当は真面目で慎重な方だったらしい。それは植木さんの芸能活動の歴史を見ても分かる。今はただ、その元気に舞う姿をDVDで見ながら、故人のご冥福を心よりお祈りしたい。ありがとうございました。

地震大国に生まれて

2007年03月28日 03時03分41秒 | 日常あるいは平穏な日々
先日起こってしまった能登半島地震。そして、それに伴う災害により、被害に遭われたすべての皆様に、心よりお見舞い申しあげます。

こうした災害の報道を見るたびに、まったく他人事としては捉えることが出来ない自分だいる。日本は、文字どおりの地震大国で、明日、わが身に起こってもまったく不思議はない。こういうときにいつもおってしまうのは政府機関の対応だ。この国のサポート体制、そして中枢をつかさどっている人たちの考え方や行動力はいかほどのものか。それをちゃんと見聞して、いつも備えておく必要があると思うのだ。

被災された方々は、本当に大変な日々を送らなくてはいけなくなってしまったと思う。苦労と心労を思うと心が痛みます。一日も早く、生活のサイクルが元に戻る、それに近い形に戻られることを祈ります。

でも忘れてはいけない。ここは日本で地震大国。誰もが備えはしておく必要はあるのだ。