夏鳥、旅鳥の移動も一段落したようです。コサメビタキ、メボソムシクイなどは、見逃したり、聞き逃したりしたようです。
吉井の長橋の池公園にあった看板です。おかしいと感じたのは、“注意“標記のある看板の方です。ここには、翼を傷め北へ帰れないオオハクチョウが2年前から夏も残っています。かわいそうですが、飛べるような状態ではありません。本来なら、北の地で子育てをする期間、暑い柏崎で過ごすわけですから生命の危険すらあります。暑さよりも問題なのが食料です。幸いなことにハクチョウ類は植物食ですから、豊富な水辺植物により数夏を過ごしました。今年も無事に夏を越せることを祈っております。
さて、表記の“おかしな“という意味です。翼を傷めたオオハクチョウが常にこの池にいるせいか、冬期時々数羽のハクチョウがいることがあります。そのハクチョウは総て、不思議なんですがオオハクチョウです。昨冬まで、この池でコハクチョウを見たことはありません。コハクチョウが飛来しないのに、コハクチョウ表記はおかしいでしょう、と思うのです。じゃあ、オオハクチョウ表記にすればいいのか、ということになります。それも必要ないでしょう、というのが、筆者の考えです。”ハクチョウ”でいいと思います。“オオ”も、“コ”もいらないでしょう。ハクチョウだけで、多くの人に伝わると思います。そんな心配をしていたら、この冬(2017-2018)は、コハクチョウが初めて来ました。柏崎では、刈羽や矢田の田圃を中心に冬越しするコハクチョウですが、この冬は大雪でした。田圃を雪が被い餌が採れなくなりました。そこで、少しでも水面の出ている長橋池に来たのでしょう。2月14日に、観察したのですが、この日はオオハクチョウもコハクチョウもいました。少ない水面で気の毒ですが、一生懸命餌探しをしたり、休んだりしていました。やはり、看板に”コ”はいらないでしょう。”ハクチョウ”だけでいいと思います。
新潟県の現在のハクチョウ類の飛来状況をみると、コハクチョウが圧倒的です。オオハクチョウの飛来は少ないです。かつては、逆でしたがいつの日か、コハクチョウが多数派になってしまいました。しかしながら、柏嵜地域は県内でも特異で、オオハクチョウとコハクチョウが半分半分の飛来なのです。これは、有名な長嶺の池での餌付けが起因しているのかもしれません。長嶺の池は、オオハクチョウの飛来する池で、300羽を超えることも数多くあります。一方、コハクチョウですが刈羽の井岡池を休息地と利用しながら、刈羽や柏崎の田圃で餌を採っています。長嶺の池のような餌付けでの食糧を得ることをしないで、自ら餌探しして食料を得ています。新潟県全体を考えると、コハクチョウと看板に書きたくなりますが、柏崎ではコハクチョウは多数派ではありません。以上が、ハクチョウ表記でいいと思う理由です。
(上の3枚の撮影日は(2017.04.04))
翼を傷めているオオハクチョウです。
2018年2月14日の写真です。オオハクチョウもコハクチョウもいます。(以下、2枚)
2月20日の写真です。同じく、オオハクチョウもコハクチョウもいます。さらに加えて、ガンの仲間であるヒシクイも来ました。ヒシクイは、かつては狩猟鳥でしたが、その激減ぶりから非狩猟になった鳥です。そんな鳥も来るようになりました。柏崎にヒシクイもかつては来ましたが、ここ何10年も来なくなりました。そのヒシクイの復活です。(以下、2枚)
次のは、2枚は2月27日です。やはり、オオハクチョウとコハクチョウがいました。
ところが、です。一番上の写真、つまりおかしいと思った看板に、下の写真のように白いガムテープが貼られていました。
3月21日に分かりました。コハクチョウも、オオハクチョウも来ますので、確かにコハクチョウ標記だけの看板はおかしいですが、ここまでしなくてもいいと思いました。ヒシクイも来ます。”銃猟自粛”の文言はあってもいいと思います。”コ”の上にだけ、ガムテープを貼れば良かったのではないでしょうか。なおさら、おかしな、変な看板になっています。