ちいさなさえずり

柏崎と刈羽の現在の鳥を柏崎の人が柏崎から発信していく。

キジバト

2017-07-30 05:19:56 | 鳥多与里

 ハト目 ハト科 Streptopelia orientalis

 柏崎の山野だけでなく、市街地や住宅地でも見られます。デーデーポッポー デーデーポッポーポーという独特の鳴き声を聞いた方も沢山いらっしゃると思います。このように鳴き声を時おり聞きますし、簡易な巣を人家の庭の立木や藤棚などにも作りますので、知ってらっしゃる方の数も多いと思います。しかし、意外に少ないようにも思います。

 この鳥は、他の鳥が春にしか繁殖しないのに対し、11月頃まで子育てするとされています。ピジョンミルクというハト独特の子育て食を植物の種子などから身体の中に作ります。11月までの繁殖は、子育て食の元となる植物の種子は秋にも得られるということもあるのでしょう。これは大きな理由ですが、キジバト自体が弱いという事情もあると聞いたことがあります。巣立まで雛を成長させるという繁殖の成功率が、他の鳥よりも低いのだそうです。そのため、繁殖回数を増やし、キジバトの数の減少を補っているというのです。

 キジバトの巣が見つかりやすいのは事実と思います。また、車に轢かれたキジバトを見たこともあります。生きていくには弱い鳥なのかもしれません。

 話は変わりますが、未だ寒さを感じる春の雨の日に、キジバトが2羽水たまりで水に浸かっているのを見たことがあります。身体を右側、左側に分け、順番に水に浸かっていたのです。それぞれ数10秒づつ、何回か繰り返しました。身体を清潔にするための水浴びだったのかもしれません。よく分かりませんが、面白い行動でした。

 

(2016・03.29)

 

(2016.03.29)

 

(2017.04.04)

 

(2017.04.04)

 

(2017.04.28)

 

 

 

 

 


青山農場に来たマヒワ

2017-07-25 05:19:42 | 柏崎の鳥 過去の記録

 1960年代、現在の東電柏崎刈羽原発が未だ無かったころです。荒浜本村と大湊集落の間には広大な砂浜と松林がありました。海岸線を走る県道(現在の国道352号線)には出雲崎、椎谷方面へ行くバスが走っていました。そこには、青山稲荷と青山農場へ行けるバス停がありました。青山稲荷は、柏崎側から向かって右側の荒浜本村の先の松林に移され、現在もあります。

 当時の青山農場内では、柏崎のボーイスカウト第2団が、夏にキャンプなどの野外活動を行っていました。以前にも紹介した、オナガの初営巣もこの場所で発見されました。この場所では、もうひとつ特筆されることがありました。確か、1967年の春だったと思います。北へ帰る前のマヒワの大群が、この松林を休憩と栄養補給の場に選びました。マヒワは、スズメより小さな冬鳥です。柏崎には、現在も晩秋に山あいの集落に数10羽の群れでやってきますが、降雪が増すとともにもっと南へ渡って行くようです。

 マヒワは、時々大きな群れが日本へ渡ってきます。マヒワに限らず、この鳥の仲間であるアトリやイスカなどはこのような大集団が時々、日本にやってきます。この1967年は、マヒワが沢山やってきた年だったのでしょう。当時、柏崎では標識調査が始まったばかりでした。標識調査は、鳥の脚に足環を付し、その鳥が再度捕獲され足環が回収されることにより、その鳥の年齢や移動経路が分かる、野鳥の基礎的な研究方法のひとつです。この標識調査は、韓国から日本にやってきた研究者により実施され、1,000羽を超えるマヒワに足環が付されました。

 マヒワは、マツの実を餌に選び、マツ林内にできた小さな水たまりで水を飲んでいました。マヒワが大量に柏崎に来たのは、この年だけでその後は、数10羽程度が春秋に観察されるだけの年が現在も続いています。面白い渡りをするマヒワの記録が柏崎にもあったということを今回はテーマにしました。このような大量の渡りは、50年に1回なのでしょうか。100年に1回なのでしょうか。そして、それが柏崎に来るのは何100年に1回になるのか、今のところ誰にも分かりません。

 

 畔屋(2017.04.04)

 


ハジロカイツブリ

2017-07-20 05:16:34 | 鳥多与里

 カイツブリ目 カイツブリ科 Podiceps nigricollis

 柏崎の港湾や池、川などで時々観察されますが、数は多くありません。柏崎港でも、毎年のように観察されますが、ほとんど1羽です。他にも、五日市池や鯖石川などで観察したこともありますが、いずれも1羽です。そんなハジロカイツブリが2015年の秋、10数羽柏崎港の中央埠頭で観察されました。この日は、冬の季節風、いわゆる時雨模様の天気で風雨の強い日でした。10数羽という、今まで見たこともない数のハジロカイツブリが中央埠頭で風雨を避けるように休んでいました。11月の末ですから渡りの途中の群れがたまたま嵐に遭い、柏崎港を避難場所に選んだのかもしれません。勿論、その後は3羽を超える群れを見たことがありません。

 特に、この冬(2016-2017)は少なったように思えます。毎年来ていた柏崎港で、今冬見ることはありませんでした。しかし、3月に入り、冬の不作を挽回するような2羽が柏崎港内で観察できました。1羽が冬羽で、1羽が夏羽だったのです。遠くで、白黒の2羽を観た時は、何鳥と不思議に思いました。柏崎で、ハジロカイツブリの夏羽をみるのは初めてでした。冬羽の1羽が、夏羽の1羽を追うような行動をしていました。白っぽい冬羽が雄で、夏羽のもう1羽が雌だったのでしょう。県内では夏羽の写真が撮られていますが、柏崎では縁がありませんでした。冬も最後にきて報われました。

  撮影場所は総て柏崎港

(2015・11.28)

 

(2015.11.28)

 

(2015.11.28)

 

(2017.04.04)

 

 

 


今年もツバメの巣は危機

2017-07-15 08:15:37 | 地鳴き

 毎年、毎年同じような内容ですいません。本年あった事例をひとつ紹介します。場所は公共の施設です。この建物には昨年もツバメが営巣しました。昨年は、最終的には巣立ちまでいきましたが、その時期は遅かったです。何回か、巣を作ったのですが、落とされていたのかもしれません。昨年、巣立ちが成功した巣の場所は、職員通用口の内側ですが、内側の横さんの上で分かりにくいところでした。そこなら、ヘビやカエルなどの天敵は入れないと思います。

 今年は、建物の正面の外壁でした。庇が有り風雨は避けられそうですが、暑さは厳しそうです。昨年の場所への営巣ができなくなり、そこ選んだのでしょう。最初の写真です。通気用のダクトの上でしょう。6月13日でした。

 (2017.06.13)

 

 

 あくる14日には、次の写真のとおり、親が抱卵しているようでした。ここまでは順調でした。(2017.06.14)

 

 

 

 そして3枚目の写真です。巣がありません。きれいに無くなっていることから放水して落としたものと思います。この日が、6月23日です。14日からは、9日目です。ツバメのヒナが孵化して、巣立ちまでは通常2週間くらいかかると言われています。9日目で巣立つことは考えられません。また、ヒナが巣立ち後、それまで使っていた巣を親鳥がきれに落とすようなことはありません。人が落としたものでしょう。次の写真のとおり、人の通る場所の上ということで、利用者からの糞が落ちるというクレームがあったのか、職員の判断で行ったのかは分かりません。玄関前では、工事を行っていました。

(2017.06.27)

 

 

 

 次の写真です。ここは鯖石川改修記念公園にあるトイレにあった巣です。今年は、ここに2つ巣が作られました。いずれも男子トイレ側です。そして、巣の下には写真のような農業用トレー物が置かれ、中には新聞が敷いてありました。2つの巣の両方にありました。ここは狭い通路ですので、糞が人に落下する確率は高いです。しかし、このトレーがあれば、そこを通る人は上に何かがあること(この場合は子育て中のツバメの巣)が分かります。この入れ物の中をわざわざ歩いて行く人はいないでしょう。ここで働いている方の人とツバメへの小さな心づかいです。

(2017.06.15)

 巣の下には、古新聞を敷いた農業用トレーがありました。(2017.06.15)

 

 ツバメへの小さなこころづかいで人の心も癒されます。育ったヒナが来年柏崎に来てくれれば、田圃の害虫を沢山食べてくれるでしょう。私たちは、ツバメは稲の害虫を沢山食べる益鳥と習いました。今は、そんな教えはしていないのでしょうか。

 

 糞の落下も大きな問題です。糞の落下で利用者の衣服や持ち物が汚れ、建物の管理者が損害賠償をされる、というようなことも聞いたことがあります。私の知り合いの商店主も、ツバメはかわいいけれど、糞の落下を恐れて、店の玄関に来るツバメを追い払うと、言っていました。鯖石川改修記念公園トイレのような方法で、糞の落下を拡散させず、さらに利用者に知らせることはできないか、と思ってしまいます。公共機関なら、この入れ物のそばにセーフティコーンを立て、さらに注意書きの看板をという方法もあります。

 

 元に戻ります。巣を落とされてから数日後です。ツバメの親たちは再建に取りかかりました。巣を完成しても、これから産卵、抱卵、育雛などに、暑い中取り組まなければなりません。気温は30度を超えます。6月なら、もっと気候のいい中子育てができます。けなげな親ツバメです。9月には、南への渡りが始まります。

 (2017.06.29)

 

 ツバメの巣を落とさせない方法を、皆で知恵を絞れないものでしょうか。

 

 以下は、総て(2017.07.12)です。親鳥が巣についています。卵を温めているのでしょうか。雌親でしょう。

 近くでは雄が見守ってます。

 

 巣と雄の位置です。連日30度を越す暑さです。けなげな親たちのためにも今回の子育てはうまくいって欲しいです。 

 

 


ア ビ

2017-07-10 05:23:34 | 鳥多与里

 アビ目 アビ科 Gavia stellata

 今冬、久しぶりに観ることができました。昨年(2016)末に、シロエリオオハムを鵜川河口で観た(2016,12.29)ことを、4月20日の本ブログにアップしました。それだけで、今冬のアビの仲間の観察としては十分なのに、このアビまで3月の上旬に柏崎港に来てくれました。冒頭のとおり、半世紀振りです。その間も来ていたのでしょうが、自分自身が、転勤などを理由に鳥見をサボっていたということが見なかった理由なのでしょう。

 警戒心が強いらしく、釣り人の群がる埠頭岸壁に近寄ることはありませんでした。沖合にいるカンムリカイツブリをカウント中に、この鳥を見つけることが多かったです。シロエリオオハムが比較的、人のそばまで来るのとは対照的でした。写真のように沖合にたたずんでいるアビを双眼鏡で見ているだけでした。動き回って潜り、魚を追うような動作は1回も見ませんでした。ほとんどの時間、静かに休んでいました。

 クチバシの形や色彩、体色などが、シロエリオオハムとは明らかに違います。冬の柏崎での識別は容易でしょう。大きさでは、遠いため分かりません。

(2017.03.04)柏崎港

 

(2017.03.11)柏崎港