ちいさなさえずり

柏崎と刈羽の現在の鳥を柏崎の人が柏崎から発信していく。

イソヒヨドリ

2018-09-29 05:49:44 | 鳥多与里

 スズメ目 ヒタキ科 Monticola solitaries

 

 海の柏崎です。海岸の好きなこの鳥も柏崎の海岸線に広く分布しています。岩の多い海岸にもいますし、砂浜の広がるところでも見ることができます。また、海に近い住宅地などで、この鳥のきれいな囀りが聞こえてくることがあります。きれいな囀りで驚きます。理研柏崎工場の近くなどの工業地にもいます。河川の内陸部で観察したことがあるとも聞いています。

 年間を通して観察できる、いわゆる留鳥です。厳しい季節風の中の海岸で、冬越しをします。スズメとハトの中間の大きさで、ムクドリとほぼ同大です。囀る雄の上面は青、下面は茶褐色ですが、海をバックにすると実際に持つ色彩ほど目立ちません。雌は、全身地味な黒っぽい茶色で、より目立ちません。岩場や波消しブロックの隙間などに巣を作りますが、雌の色は程よい保護色になっています。この春(2018)、3羽のヒナを連れた雌を何度か見ましたが、その近くで雄は1回も見ませんでした。これが普通なのか、たまたまそうだったのかは分かりません。10日間ほど観察した雌と幼鳥3羽が姿を消した、同じ場所で雄が再び囀り始めました。本格的な囀りにはほど遠いですが、どういうことなのでしょうか。


 (2016.03.11)


 (2017.04.24)


 (2017.09.07)


 (2018.02.02)


 (2018.03.24)


 (2018.06.15)


 (2018.06.22)



 


ツバメ(2018)④

2018-09-22 05:53:11 | 地鳴き

 今年見たツバメの巣のいくつかをお伝えします。写真は、総て本年(2018)撮ったものです。


 

 大和町を車で走っていた時、ツバメを同じ場所で何度か見ました。巣があってくれたらいいな、といつも思っていました。ある日、思い切って自転車でその場所に行ってみました。自転車から降り、手で引きながら、人の家を覗くという、全く怪しい不審者状態でした。そのかいあってか、巣で抱卵中の親鳥をみつけました。同じ場所には、古い巣も2つありました。道路からだと全く気が付きません。まさに不審者の如く、のぞきこまなければ分からない場所です。モルタル造りの庇が折り返った場所です。7月の抱卵ですので、子育てとしては遅いです。無事にヒナが育つかどうかは分かりません。一緒にあった古い巣で一番子を育てあげ、二番子を育てているのならうれしいことです。大和町で見つけた、今年唯一の巣です。何日か後に、再度行ったのですが、ツバメはいませんでした。無事に巣立ちを終えたのかどうかは分かりません。






 

 枯木集落の車庫の窓からツバメが出入りしていました。車庫の正面は閉まったままでしたが、脇の窓がツバメが出入りできるくらい開いていました。ツバメのために窓を閉めないでくれていました。ツバメに優しいお宅で賞、です。ツバメは子育て中のようで、盛んに窓から出入りしていました。他にも、ツバメの親が飛び交っていましたが、具体的な巣は分かりませんでした。枯木集落全体で、ツバメに優しいで賞、だったのかもしれません。 


 



 ドラッグトップスのお店です。一昨年は子育てをしましたが、昨年は見ませんでした。そして今年また営巣したようです。というのも古巣と糞受けを見ただけで、抱卵、ヒナへの餌運びを見てないからです。しかし、古巣や糞受けを見れば、ここで子育てしたことは分かります。ツバメに優しい店で賞、です。


 

 

 

 

 山本の車庫の矢切り部の屋根下にありました。7月の下旬でしたが、成鳥のツバメが巣にいました。これから子育てなら、かなり遅いです。少し見守りたいと思います。

 




 

 畔屋のむつみ荘です。毎年、ツバメが巣を造ります。玄関の真ん中ではありませんが、利用者や職員への憤害も想像されます。古巣や下敷きの様子から子育てが行われたものと思います。高齢者だけでなく、ツバメにも優しい福祉施設で賞。 




 

 「今年見つけた一部の巣です。」、とお伝えしたかったのですが、残念ながら見つけた巣の“大半”です。それほどツバメの巣を見なくなっています。


 一方です。こちらは、公共のトイレです。ツバメが入れないように入口にネットが張ってありますが、さらに外側の側灯にもカバーがありました。どうしても、ツバメの子育てを許していただけないようです。




コアジサシ

2018-09-15 05:43:22 | 鳥多与里

 チドリ目 カモメ科 Sterna albifrons

 

 鯖石川の左岸に砂浜や古川もあった頃です。当時の新花町裏から河口に向かい、市内から集められたゴミが棄てられていました。うず高く積まれたゴミが、河口に達する前です。この鳥が、未だきれいだった砂浜に卵を産んだことがありました。この営巣も結局失敗に終わりましたが、当時は未だきれいな砂浜だったのです。その後、この鳥が柏崎で繁殖することはありません。

 現在は、春の渡りの時に時おり観察される程度です。夏鳥ですが、柏崎では幻の鳥となっています。最近では、一昨年に1羽が観察されましたが、昨年は見ることができませんでした。ゆったり飛んでいるように見えますが、なかなかファインダーの中に入らず、かろうじてシャッターを押せたのがこの1枚です。1枚しか撮れませんでした。飛び方は優雅です。今風に言うなら心を癒されるように飛びます。時おり、食料である魚を採るために水中にダイビングしますが、それもまたかっこいいのです。


 (2018.05.24)



ツバメ(2018)③

2018-09-08 15:13:40 | 地鳴き

 ツバメが、道の駅に集まって子育てをしていると以前書きました。それを教えてくれたのは、仙田の道の駅でした。2014年のことです。その後、群馬県や福島県の道の駅でツバメの集団子育てを見ました。多くのお客さんが出入りする場所です。やはり糞害はあるようで、ツバメの巣の下には糞受板、巣下の地面には新聞紙などの敷物が置かれ、セーフティコーンなどで、ツバメの巣の存在を知らせていました。ツバメが建物の軒下を飛び交うわけですから、糞の落下はツバメの巣の下だけでだけではないでしょう。糞害がないということはないと思います。それでもツバメの巣造りを許しています。ツバメにとっては、ありがたい存在です。道の駅ですから、家族連れも沢山利用します。今の子供たちは、道の駅でツバメの子育てのことを知るようなったのかもしれません。これでいいとも思えませんが、それが現実のようです。ちなみに、仙田の道の駅は、今年もツバメが子育てをしました。ツバメに優しい道の駅です。7月に入ってからですが、古巣を含んで15の巣がありました。2つの巣にヒナがいました。多くの巣のヒナは巣立ち、子育てが遅かったツバメ夫婦のヒナたちが成長中でした。

 

 石川県は、加賀温泉郷、加賀百万石など、新潟県民にとっては、著名な観光地の一つとなっています。また、新潟市と並び、日本海の核の都市でもあります。その石川県で、1972年より小学生によるツバメの巣の調査が行われています。40年以上ですから、貴重な積み上がったデータです。ツバメの成鳥は40年間に1/3に減少し、巣の数は30年間で半減しているなどのことが分かっています。ツバメの置かれた厳しい状況が分かります。ツバメに限らず、同じ場所に生息する生きものたちの環境把握にも役立つでしょう。

 この調査の内容は、“石川県県民運動推進本部”のホームページで分かります。調査は、「小学生によるツバメ総調査」と呼ばれています。また、毎年の恒例行事としてマスコミなどでも報道されています。これも、マスコミ関係のホームページで分かります。“石川県県民運動推進本部”のホームページによりますと、県下公立小学校220校余の6年生など13,000人が参加したとのことです。また、同ホームページには、「子供たちはこの調査をとおして生き物と環境のつながりを意識するようになっています。」とありました。調査データができるということも大切ですが、生きもののこと、その生きものと環境との関わりを子供たちが知るということが大切かと思います。しかし、それより何より“生き物を慈しむ心が醸成される”ことの方が大切かと思います。子供たちだけでなく、その子供たちを見守る教育関係者が子どもたちと同じ意識を持つことも同様に大切かと思います。(柏崎では、数年前に市立中学校にあったコシアカツバメの巣が校長の指示により落とされたということがありました。)

 先回(ツバメ(2018)②)書いたとおり、新潟県においては一部の地域で、地元の熱心な方により、ツバメの巣の調査が行われています。しかし、全県的なデータはないと思います。全県データを調べる方法があることを石川県総調査は教えてくれました。石川県方式を取り入れる、取り入れないということでなく、全県データを集める方法はみんなで考えてもいいと思います。ツバメは、新潟県の環境の現状を教えてくれる生きものかもしれません。



 以下は、仙田の道の駅の写真です。子育て中の巣、古巣を含めて全部で15を数えましたが、実際はもっと多いのかと思います。撮影日は、総て(2018.07.12)です。



















 巣の下に糞受けも置いていただけました。



 


アカエリヒレアシシギ

2018-09-01 05:33:48 | 鳥多与里

 チドリ目 シギ科 Phalaropus tricolor   


 観察・撮影日 (2018.05.04) 

 この鳥も再会です。再会があるとは思ってもいませんでしたので、うれしかったです。全部で7羽観察しました。もう1回みたいと常々思っていた鳥です。この春、田圃にこの鳥を見た時は、観察は続けなければと、再度思った瞬間でもありました。半世紀振りでした。現在の悪田自然緑地のある鯖石川左岸が、広いアシ原と畑や草地だった頃、春の嵐で荒れる日本海を避けるために、この鳥が池や小さな流れに降りてきました。人がかなり近寄っても逃げません。眼の前で、クルクル回って水面をつまんで餌探しをしました。その動作にかわいさを感じたものです。

 今回は、田植えを終えた田圃の中にいました。かつての面影のない鯖石川河口左岸には、もう彼らの降りる場所はなかったようです。柏崎や刈羽には、小さな農業用水池が沢山あります。そういったところに降りる可能性はあると考えていました。田圃とは想像できませんでした。今回は、広さが中くらいの田圃の真ん中辺りでしたので、近付くことはできませんでしたが、ゆっくりと観察を続けることはできました。クルクル回ったり、水流のあるところに集まって水面を掬ったりは、昔と全く同じ行動です。

 

 これも昔の観察記ですが、海上で見たことがあります。知人にレジャーボートに乗せてもらい日本海に出た時でした。いわゆる潮目沿いにこの鳥が数10羽連なっていたのです。潮目には彼らの餌が豊富だったのでしょう。7月だったと思います。7月だと、北上なのか、南下なのか、よく分かりませんでした。

   

 かつては、春の嵐は少なく、アカエリヒレアシシギの観察も1シーズンに1回きりでしたが、今年は2回目がありました。最後の写真です。岩の上で、この鳥を見るとは思いませんでしたので、驚きました。後ろに写っているキアシシギを観察中にこの鳥に気付きました。岩面に赤い点があったのです。初めは鳥とさえも思いませんでしたが、何度見ても鳥に見えます。しかもアカエリヒレアシシギです。こんな岩場にも来ることが分かりました。次の日には、もういませんでした。








 こちらは、海岸の岩場にいた1羽です。後ろは、キアシシギです。(2018.05.08)