ちいさなさえずり

柏崎と刈羽の現在の鳥を柏崎の人が柏崎から発信していく。

オオジュリン

2018-03-17 06:18:20 | 鳥多与里

 3月12日は、気温が急激に上がった日です。聞き覚えのある鳥の声が聞こえてきました。まさかと思いましたが、間違いありません。飛んでいる姿も双眼鏡の視界に入りました。3羽のイワツバメでした。柏崎にも、例年ですと3月の末には渡ってきますが、3月12日は早すぎです。今までで一番早い記録です。

 

 スズメ目 ホオジロ科 Emberiza schoeniclus 

 ホオアカの項でも述べましたが、柏崎でのホオジロの仲間の3大渡り鳥です。北海道などで繁殖し、秋に本州名地に渡って来て冬を越します。柏崎では、主として通過鳥ですが、少数が越冬もします。ホオジロ属の3大渡り鳥は、このオオジュリンとアオジ、カシラダカです。アオジはブッシュが好きです。カシラダカは、田圃や開けた林などの地上で餌を採り、驚くと樹上に逃げます。春、渡る前には樹上でヒバリに似た声で囀っています。一方、このオオジュリンは、アシ原大好きで、アシ原を生きる場としています。冬の枯れたアシ原で、一声チーッ、と鳴いて飛び去っていくこともあります。

 柏崎でのこの鳥の初記録は、標識調査でした。柏崎での、標識調査の第1回は、昭和40年(注)でした。今から、50年以上も昔の話しです。この時、山階鳥類研究所の吉井先生により、12種―79羽の鳥にバンドが付されました。そのうちの約6割(48羽)がオオジュリンでした。柏崎で、オオジュリンが初めて記録されたわけですが、同時にこの鳥がアシ原を渡りの場として利用することが分かったのです。

 この標識調査をお手伝いしました。しかし、オオジュリンが分からず、この鳥をホオジロと言った記憶があります。鳥のことを、もっと勉強しなければと思いました。 

 

(注) 吉井正 他1 鳥類標識試験報告第5回(昭和40年度) 山階鳥類研究所研究報告第4巻5号25(1966) 山階鳥類研究所

 

(撮影日は、総て(2018.01.18))