KEVINサイトウの一日一楽 

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野ブタ。をプロデュース(ドラマ編)

2006年02月01日 | Music,Movie & TV
 ドラマ版「野ブタ。をプロデュース」は、原作小説を大胆に改編することによって物語りに生き生きとした活力を注入した成功作である。

 一時期、TVドラマをよく見た時期があったが、最近は余り見ないので、大きな事は言えないが、2005年のTVドラマのベストのひとつかも。

 物語の舞台、設定は原作のものを借りてはいるが、ドラマのテーマは原作とは全く反対側のもの、言わば、原作のアンチ・テーゼとしてこのドラマを作ったようなフシがある。

 亀梨和也が主人公の「桐谷修二」を演じる。これは、原作のイメージ通り。原作ではデブでワカメヘアーであぶら症の「信太」が、ドラマでは女の子に変わっている。そして、原作にはない創作人物として、山下智久演じる「彰」が登場し、彼の存在がドラマと原作を全く異なる世界へと導いていく。

 原作は、僕には少し寂しい物語だった。
 ストーブは近いと熱すぎる、遠ざかると寒い。ぬくぬくと程よい暖かさを保つために自分をプロデュースする少年の思い上がりと挫折と反省の無い再出発を描いたのが原作の小説だ。

 原作は、原作で深くて良い小説だ。

 しかし、ドラマの作り手達は、この桐谷修二を否定している。
 ぬくぬくと適度な距離へ避難しようとする桐谷修二を、どんどんとストーブに近づかざるを得ないドラマ独自のエピソードを積み上げる。

 桐谷修二をストーブに近づけさせ、本来の友達思いで、優しく、熱い修二に回帰させる役割を負うのがヤマピー演じる彰と、女の子版野ブタだ。

 ドラマは叫んでいる。
 演じる偽りの関係など壊してしまえ!
 きちんと人と付き合えば、そこには真の友情が生まれる。
 ストーブから離れるな。熱い心に正直になれ。
 修二にとって、彰と野ブタは、かけがいのない友達となる。

 小説「桐谷修二」的生き方を否定し、新たな「桐谷修二」への再生を目論んだのがこのドラマだ。

 小説は寂しい。でも、ドラマは凄く元気が出る。

 山下君が頻繁にやるアクション「野ブタ・パワー注入」を僕もひっそりやってみる。修二と、彰と、女の子版野ブタの三人の友情から醸し出される熱いパワーが僕の身体にもみなぎる。

 それで、ホール・イン・ワンも出た。

 辛いときは、キツネ、コンコンで茶化してみる。辛さも紛れる。

 やはり、本来、僕らはナチュラルでなければならない。
 お互いに演じあって作る偽りの人間関係とはおさらばしようという実に単純だけど、単純であるがゆえに力強いメッセージが僕を元気にさせる。

 古今東西続いてきた美しい友情物語、その中には数々の素晴らしいコンビが登場する。
 僕の年代で言えば、「傷だらけの青春」のショーケンと水谷豊が強烈だ。

 でも、修二と彰も決して負けていない。最高のコンビだよ。アミーゴ!



 


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