KEVINサイトウの一日一楽 

人生はタフだけれど、一日に一回ぐらい楽しみはある。

シンガポール

2005年10月02日 | Travel
 ベトナムからシンガポールに渡った。

 上海1泊、ハノイ1泊、ホーチミン2泊の後にシンガポールへ行った。今日は、既に10月2日だというのに、まだ9月20日のことを書いている。

 相当の時差ぼけだ。

 旅行記というのは、行った当人にはそれなりに意味があっても、その場所に行ったことのない、或いはあまり知識が無い人には殆ど興味を引かないものだ。

 僕は村上春樹が大好きだが、例えば彼が書くギリシアの話よりも、自分も滞在経験があるニューヨークの話のほうが断然面白い。

 日本についても、熱海や清里の話よりも名古屋の話の方が絶対に笑える。

 旅行記について書いている自分も飽きてきた。でも、シンガポールが今回の出張の最後の地だから一応はけじめとして書かざるを得ない。

 マレーシアに4年住んでいた経験のある僕にとって、橋を渡っていけるお隣の国であるシンガポールは馴染みの土地といっても良い。

 しかし、ここを訪れる度に、その特殊性に感心したり、疑問を感じたりする。

 シンガポールは、異様なまでに綺麗な都市だ。

 道路には塵ひとつ落ちておらず、ビルは整然と立ち並び、公園には見事な緑を蓄えた芝生が敷き詰められ、熱帯雨林の国にふさわしい青々とした巨木が街路樹として町に彩りを与える。車の渋滞もなく、まさにすべてが見事にorganizeされている。

 まだ混沌さを残したベトナムから来たりするとシンガポールの綺麗さ、清潔さは際立って感じる。しかし、その一方で管理が行き過ぎた息苦しさも覚える。

 シンガポールは、八丈島ほどの面積しかない小さな国だ。

 小さな国であるが故に、為政者の方針が行き届いている。
 幸運にもシンガポールは、リー・クワンユーという大変優れた政治家に恵まれた。
 リー元首相の強力な指導力と構想力によりシンガポールは小国にもかかわらずアジアにおいて大きな存在感を示している。

 シンガポールは、国家ではなく、創業者リー・クワンユーに率いられた株式会社のように感じる。

 国家というよりは会社のような国なので効率が良い。思い切った政策を打てる。
 こんな小さな国で農業をやっても意味がないと、農業は完全に捨ててしまった。
 食品の自給率を維持しないと国家の存亡にかかわるとか言って、莫大な補助金をもっとも国際競争力の無い農業に投入しているどこかの国とは全く異なる。

 民間企業のオーナーなら国内工場の競争力が無くなったなら、工場を閉鎖して、より競争力のある国に工場を建てるが、それを国家レベルでやっているのがシンガポールである。

 その一方で、国内で競争力のある分野には資源をどんどん投入する。シンガポールの空港も海港もまさに世界のハブだ。
 中途半端な成田や、地震以来地盤沈下の進む神戸とは訳が違う。

 今、シンガポールが新たに力を入れ始めたのがカジノ建設である。
 世界競争入札を行い、巨大カジノがシンガポールに2-3年後に誕生する。

 構想どまりの東京都とは違う。実行力が比べ物にならない。

 こういうと、良い事ずくめのように感じるが、会社だから就業規則も厳しい。
 公共の場での煙草は勿論、チューインガムも噛めない。
 植木鉢に水が溜まっていると、ボウフラがわくという事で罰せられる。

 旅行者にとってシンガポールは良い。
 しかし、住みたい国か、否かは意見の分かれるところだろう。
 僕は、個人的には NO THANK YOU だ。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夢の国 シンガポール (misao)
2005-10-03 01:16:03
いやはや、日本国内から一歩も踏み出したことの無い天然記念物の私にとっては、どの国のお話を聞いていても楽しくて興味をそそることばかり・・・。最終の国<シンガポール> なんとも魅力的な国ですね。

規律が厳しいというお話は聞いた事がありましたが、植木に水が溜まっている事までに罰則があるとは驚きですね。

ただ、国家単位の株式会社、という表現はかなり面白いです。



自分達がどこに力を注いでいけばこの世の中を渡り歩いていけることが出来るのか。それを見極めるのは確かに経営者ですよね。そんな人間が国のトップにいるとは恐れ入りました。

しかもそこに実行力があるとなれば、まさに「鬼に金棒」

小さな島なのに存在感があって当たり前なんでしょうね。

必要じゃない物(者)を排除していく強さ。この部分を日本人はかなり苦手としているようです。

職業柄か大、中、小の企業の経営者の方に色々なお話を聞く機会がありますが(自分のオーナーも含めて)排除して当然だと思いながらも色々のしがらみの中から抜け出せず、実行に移せない。なんてお話を良く耳にします。

[そうだよな、そんなに情の無い話なんて聞きたくないもの。]と思いつつ、[そんな事言ってて今のこの世を乗り切れるわけが無い]などと無責任な感情がチラリ、と自分の心の中に現れたりする事も・・・・。経営者ではないが故の感情なのか、それとも、世の経営者の方々も同じ思いの自問自答を繰り返しているのか・・・・・。

非情なほどドライになれないのは、やはり国民性なのですかね。



下らない事を長々と書いてしまいました。すみません。



夜のピクニック、読み終わりました。後で買った、ぼくは悪党になりたい、の方を先に読んでしまったので遅くなってしまいましたが。

感想文を書こうと思います。さすがにココに載せる訳にはいかないので(小学生並みの物で恥ずかしいし)メールに送りますね。時間つぶしにでも読んで下さい。
返信する

コメントを投稿